関西ウーマン

阿部純子
歯科医師じゅん矯正歯科クリニック

笑顔の素敵な女性をふやし隊ヘルシーライフ 2014-11-05

歯周病ってご存知ですか？

皆さんは最近美容院にはいつ行きましたか？
先週？先月？毎月とはいかなくても、２、３か月、
長くても半年に1度は髪の手入れをする、という方が多いのではないでしょうか？

では最近歯医者さんにはいつ行きましたか？うーん、1年くらい前かな？いや、もっと？！
中には学生の頃虫歯の治療で通院して以来行ってません、
という方もいらっしゃるかもしれませんね。

歯に対する意識の高まりから、
最近では定期的に歯のクリーニングなどのお手入れに通っていますという方も増えてきましたが、
まだまだ「歯医者には痛くなってからしか行かない」という人が多いようです。

以前はよく「私は子どもの頃から虫歯が1本もなくて歯医者に行ったことがない！」
と自慢気に話すオッチャン、オバチャンがいましたが（笑）、
そういう方は年を取ると一気に歯を失うことが多いです。

えっ？！虫歯がないのに歯がなくなるの？と思った方、「歯周病」という病気をご存知ですか？
歯を失う原因を調査した結果では、「歯周病」が「虫歯」をおさえて第1位となっています。
日本では軽度の人を合わせると約80％の人が歯周病にかかっていると言われます。

歯周病とは、歯に残った汚れのせいで、
歯を支える歯肉や骨が徐々に破壊されていく恐ろしい病気です。
痛みがほとんどないため自覚しにくく、末期になると歯がぐらぐらしたり、抜けたりします。

歯周病の原因は歯についた汚れ（歯垢）に潜む細菌です。
これを定期的に歯科医院でのクリーニングで徹底的に取り除くことによって、
歯周病の進行をかなり防ぐことができます。

さらに歯周病の進行を早める要因があります。
それは歯並びやかみ合わせ。

ヒトには永久歯が32本（親知らずと呼ばれる第三大臼歯を除くと28本）あります。
一方、咬合力（物を噛むときにかかる力）は
40～60㎏でその人の体重に相当するとも言われています。

本来はその力を28～32本の歯でバランスよく支えるべきところを、
歯ならびの悪い人ではそれができません。
一部の歯に強い力がかかります。

また、歯の生えている方向によっては、砂浜の杭が横から揺さぶられるような力が
毎日食事のたびにかかるため、歯周組織へのダメージが大きく、
歯周病が進行しやすいというわけです。

かむことはとても体にいいことです。顔の筋肉を動かすことで脳への血流量も増え、
集中力や記憶力も高まると言われています。

またかむことによって、消化や免疫に役立つ成分を含む唾液の分泌が促進され、
虫歯や病気の予防にもつながります。

しかし、歯ならび・かみ合わせが悪いままかむことは、
歯やあごの関節にもダメージが加わることにもなりかねません。

矯正治療は、大きな意味での予防です。
皆さんがおばあちゃんになるまで健康な歯で、
おいしく食事ができるような環境を整えるための治療です。

歯科医師であれば誰もが若くして歯を失う人をたくさん見ています。
その中には、もっと早いうちに歯ならびやかみ合わせをよくしていたら、
こんなに早くに歯を失わずにすんだのではないか、と思う人はたくさんいます。

皆さんにはそういう後悔をしてほしくありません。
気になる方はぜひ一度矯正歯科へ相談されることをお勧めします。