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藤田 由布 産婦人科医 レディースクリニック サンタクルス ザ シンサイバシ
生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、女性にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
婦人科医が言いたいこと 医療・ヘルシーライフ 2025-02-20
妊娠中は、なぜ体重が増えるの?
出産間近の母体は10kgくらい増えています。

お腹の赤ちゃんの体重3kg前後に加え、胎盤や羊水の重さを足して、計4kgくらいです。

さらに、妊娠中は血液量が1.5倍くらいに増えているし、子宮も大きくなって重さが増し、乳房組織も発達し、それらの分で約3kgくらいです。

それ以外にも脂肪が3〜4kgが母体に蓄積されます。この脂肪はお腹の赤ちゃんの発育に必要ですし、出産後はおっぱいの分泌にも欠かせません。
体重増加量の目安
まず、妊娠前の体重が肥満なのか痩せなのか知ることも大事です。これにはBMIという指数が用いられます。まず、あなたのBMIを計算してみましょう。
妊娠前のBMIが計算できたら、次に下の図に示す通り、出産予定日までにこれくらいの体重増加は許容範囲内であり、むしろちゃんとこれぐらいは増えていてほしい、という目安です。
これをみると、もともと痩せ型の人は、しっかり体重を増やす方がむしろ良いことが分かりますよね。赤ちゃんのためにしっかり脂肪を蓄えた方がよい、ということです。

肥満型の人は、糖尿病などの病気が隠れていないか、血圧が正常か、常にチェックして主治医に相談してください。そして体重管理の方針をしっかりしてください。

最近の女性は痩せ型の方が多いです。痩せすぎの女性は貧血や早産のリスクが高く、また赤ちゃんが十分にちゃんと大きく育たない可能性が高くなります。
最近、低体重で生まれる赤ちゃんが増えています(2500g以下)。低体重の赤ちゃんは、もともと痩せすぎの女性が妊娠しても体重が7kg以上増えないママから生まれる割合が多いのです。

これはダイエットや喫煙が原因だと考えられています。

低体重で生まれた赤ちゃんは、体が弱かったり、発育に問題が生じることがあります。赤ちゃんに悪影響な無理なダイエットは禁物です。

痩せすぎも肥満も、妊娠してから解消することが難しいので、普段から適正体重をチェックすることも大事です。

ここで一息、妊娠中Q&Aコーナー


Q:妊娠しているのに気づかず、妊娠初期に1ヶ月間ほど薬を飲んでしまいました。赤ちゃんに何か悪い影響がありそうで心配です。

A:どの時点から薬を飲んだか、また、どのような薬だったかで違ってきます。薬と赤ちゃんの先天異常の関係ですが、通常、妊娠超初期(4週未満)までに飲んだ薬が赤ちゃんに悪さをすることはないとされています。

妊娠4週から7週末までは赤ちゃんの脳神経や心臓、消化管、手足などの重要な臓器が発達します。だから、赤ちゃんの先天異常という意味では薬や放射線に対して敏感な時期です。

かといって、一般的な風邪薬や胃腸薬などについて、この時期にのんだとしても大きく影響受けるわけではなく、あまり神経質にならないでください。心配な場合は主治医にご相談ください。
妊娠中はお腹の赤ちゃんの分も食べないといけないなんて、これは間違いです。

周囲から「赤ちゃんのために、しっかり食べなさい」とか、「○○って、赤ちゃんに良いらしいわよ」など勧められた人は、いませんか?

一方、太りたくない、出産後にすぐに体型を戻したい、といった理由で妊娠中もダイエットしている人も、いませんか? これはダメです。
妊娠中は、赤ちゃんの元気な身体をつくる大事な期間です。ふだん以上に「食事の質」が大事。

お腹の赤ちゃんにとっての栄養は、お母さんだけが頼りです。お母さんの食事はとても大事なのです。
参照:公共社団法人 日本産婦人科医会 妊娠中の食事と栄養2021年版
profile
全国で展開する「婦人科漫談セミナー」は100回を超えました。生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期障害は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、HPVワクチンのこと、婦人科のカーテンの向こう側のこと、女性の健康にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
藤田 由布
産婦人科医
レディースクリニック サンタクルス ザ シンサイバシ 院長

大学でメディア制作を学び、青年海外協力隊でアフリカのニジェールへ赴任。1997年からギニアワームという寄生虫感染症の活動でアフリカ未開の奥地などで約10年間活動。猿を肩に乗せて馬で通勤し、猿とはハウサ語で会話し、一夫多妻制のアフリカの文化で青春時代を過ごした。

飼っていた愛犬が狂犬病にかかり、仲良かったはずの飼っていた猿に最後はガブっと噛まれるフィナーレで日本に帰国し、アメリカ財団やJICA専門家などの仕事を経て、37歳でようやくヨーロッパで医師となり、日本でも医師免許を取得し、ようやく日本定住。日本人で一番ハウサ語を操ることができますが、日本でハウサ語が役に立ったことはまだ一度もない。

女性が安心してかかれる婦人科を常に意識して女性の健康を守りたい、単純に本気で強く思っています。

⇒藤田由布さんのインタビュー記事はこちら
FB:https://www.facebook.com/fujitayu
レディースクリニック サンタクルス ザ シンサイバシ
〒542-0085 大阪府大阪市中央区心斎橋1-8-3 心斎橋パルコ10F
TEL:06-6253-1188(代表)
https://shinsaibashi.santacruz.or.jp/

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