Vol.23 国際女性デー、の巻 |
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オラー、こんにちは!! あみりょうこです。オアハカはここのところぐんぐんと気温が上がっていて、空も真っ青でした。ハカランダの紫の花も咲き乱れ始めて、また少し季節が巡るのを感じました。
実はこれを書いている今私は日本にいるので、オアハカの写真をすでに遠く昔の記憶のような、なんだか懐かしいような気持ちで眺めているのですが、今回のコラムはこれを書こうと決めていました。そう、「国際女性デー」の日のことです。 先日3月8日は、”International Women’s Day”、日本語で「国際女性デー」でした。 International Women’s Dayとは、internationalwomensday.com によると「女性の社会的・経済的・文化的・政治的な地位の向上を世界的にたたえる日、そして男女平等を促進するための行動を呼びかける日」とされています。 特に意識もせず過ごしていたのですが、3月8日の夕方ごろに外からたくさんの女性の声が聞こえてきました。 「あ、そういえば国際女性デーの行進があるっていうてたな……。」 と思い出し、部屋の片づけをほっぽりだして、ちょっと見に行ってみようと外に部屋着のまま飛び出しました。自分が住んでいるすぐそばの道が行進のルートになっていたのです。 見ていると不意に名前を呼ばれました。 呼ばれた先を見ると、行進の一団の中に友達がいたのです。あいさつをするために近寄っていき、そしてそのまま一緒に終点まで歩いていくことにしました。 行進の中では、女性のシンボルカラーである「紫」や、中絶権利擁護派を意味する「緑」を身にまとった人がたくさんいました。そして、女性の地位向上と平等を叫びながら列は進みます。 フェミニズムという言葉が世界で叫ばれるようになって久しく、男女平等や女性の社会進出という言葉は日本でも、昔に比べれば耳にしたり目にしたりするようになってきたと思います。(体感については日本に住んでいない期間が長いので、それがどの程度実現されているのかは感じかねていますが。) メヒコを含むラテンアメリカでは、femicideとよばれる女性が標的にされる殺人事件、そして誘拐やDVが後を絶たないという現実があります。また、メヒコでは「マチズモ」とよばれる男性優位主義もいまだにはびこっているというのも事実です。 「こんなのもうたくさんだ!」「変えなければいけない!」「アクションを!!」というパワー、女性の社会に対する怒りをこの行進に参加しながら私はひしひしと感じていました。 ![]() ![]() ![]() ![]() 「女性への犯罪に対する免責を許すな・暴力ストップ・私たちはモノではない、人間だ」 ![]() 「ストップ・もう一人も欠けてはだめ」 ![]() ![]() 「私たちはもううんざりしています」 たくさんの女性がこの日のために準備をしたり、自由を叫ぶために行進に参加をしたのに対して、特に何も考えていなかった自分の態度は無関心と言わざるを得ず、なんとなくばつの悪いような気持ちになりました。しかし、これを機会にもっと真剣に考えていかなければならないと思いました。
同じ日にCDMXでも大きな行進があり、のちに写真を見ましたがものすごい規模で圧巻です。
翌3月9日、メヒコでは、”Un día sin mujer(女性のいない一日)”という運動も行われていました。一言でいうと、女性による社会活動のボイコットです。(職場に行かない、学校に行かない、買い物に行かない、など)オアハカでも一部この運動に賛同するところではお店が休みになったり、男性スタッフだけで対応しているところもありました。
帰国間際に、例年とは規模の違う、えらいものを見た!という感じですが、社会における女性の地位の低さや、それに対する無関心な自分(これは個人的なものなのか、あるいは日本人だからなのか、というところも自身と向き合って問うているところです。)にも気づくことができたなんだか記憶に刻まれそうな、2020年の国際女性デーなのでした。 冒頭にもちらりと書きましたが、日本に帰国することになったので、オアハカからのコラムは前回がラストとなりました。 今回からは、オアハカの最後の日々に「これも書きたかった」「あれも書きたかった」と大あわてで再度見に行った・会いに行った人などの「思い出メヒコ」のコラムになります。 メヒコへの愛は変わりませんので、あるいは離れた分さらに深みが増すかもしれませんが、今後ともお付き合いをよろしくお願いいたします。 ![]() この作品は、オアハカくらしの最後の方に作ったものです。 「navegar」はスペイン語で「航海する」という意味です。海外での暮らしを経てまた日本に戻ることになったわけですが、そんな節目ごとに「つくづく人生は旅のようなもんだなぁ」と感じます。 保証がなくて不安定で、と不安を口にしだせばキリがないですが、それでも自分や他人と向き合って、どうしたらいいのかあるいはどうしたいのかを考えて、今までの経験や知識を使ってアイディアを絞りだして恐れずに、これからも人生という大きな海を航海していきたいという気持ちを込めて作った作品です。 この作品ですが、東京の文房堂さんのギャラリーで開催される第二回文房堂アワードというコンペに参加することになりました。 来場していただいた方の投票でグランプリが決定し、グランプリになると作品がスケッチブックの表紙にしてもらえるというものですので、東京周辺の方はぜひぜひ展示期間に足を運んでいただけると幸いです。 【展示期間】 3月30日(月)~4月11日(土)10:00~18:30 ※最終日10:00~17:00 【場所】 文房堂ギャラリー "http://www.bumpodo.co.jp/gallery/ 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目21−1 (神保町駅 徒歩5分) |
![]() あみ りょうこ
版画家 1982年大阪生まれ、兵庫育ち。メキシコのオアハカ州での暮らしを経て、2020年から日本に。 ものつくりが好きで、オアハカで版画に出会い制作を続けている。 HP:https://amiryoko.wordpress.com/ instagram:ninjacco メヒコTプロジェクト |
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八木 菜摘 フリーライター 八木菜摘 |
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