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小森 利絵 フリーライター えんを描く
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
おてがみじかん ライフスタイル 2022-04-20
余白に付け足す「はみだしお手紙」①
お手紙を書いている時、相手への思いや伝えたいことをいろいろ抱えているのに、文章として言葉にした瞬間に、それらをぎゅっとまとめて角をそぎ落としたような、「まるっとした言葉」になっていることはありませんか?

たとえば、
●この間はお会いできて嬉しかったです!
●いろいろおしゃべりできて楽しかったです。
●ほっとひと息タイムのお供にと思って選びました。
…など。

その一文を書いた後に、その内容を膨らませればいいのですが、私の場合は次の話題に飛んでしまうことがよくあって、読み返して「あぁ…やってしまった!」と反省するんです。

確かに、思っていること、伝えたいことを、端的に表現するとそうなるのですが、お手紙の相手と私の関係性だからこそ書ける内容ではない気がして。心の中では、あんなことやこんなことといった気持ちや感情、出来事が思い浮かんでいるからこそ余計に、どうして「まるっとした言葉」で書いてしまうんだろうと思うんです。

どういうところが嬉しかったのか?

その「いろいろ」の中身を一つひとつ挙げると、どんなことなのか?

ほっとひと息タイムに合うと思った理由は?
たくさんある中からどうしてそれだったのか?

具体的に書くことによって、そのお手紙の相手だからこその内容を書けたり、より気持ちや思いが伝わりやすくなったりするのではないかな。私自身が、相手からのお手紙でそのあたりのことが書かれていたら、より嬉しいかな、心に残るかなと思うから、その部分を書きたいと思うのかもしれません。

そこで私が試してみているのが、「はみだしお手紙」です。
一通り書いた後に読み直して、「ここにはこういう思いや気持ちが含まれているんです」「ここを書いている時に、こんな出来事を思い出していました」ということをはみだして追記していきます。

その方法は「深掘りしたいポイントに下線を引いて、余白に追記」「どれが本文かをはっきりさせるために、本文とは違う方向に文字を書いたり(本文が横書きなら縦書き、逆さ横書き)、色を変えたり、囲んだり」など。

たとえば、
(1)この間はお会いできて嬉しかったです!
はみだし部分:偶然ばったりの再会。「わあぁ!!」「まさか、こんなところで」とテンションが上がりました。今度はゆっくりとお会いしたいです。

◎はみだしポイント◎
「どうして嬉しかったのか?」を深掘り。数年越しの再会、偶然まちなかで再会、久々にゆっくり会って話せた、元気な姿を見ることができた、など。
(2)いろいろおしゃべりできて楽しかったです。
はみだし部分:シャンプーをしたかどうかを忘れてしまうこと、親知らずの恐怖におびえていることなど、私自身も実感のあることで、今思い出しても「うん、うん。わかります」と頷いてしまいます。

◎はみだしポイント◎
「どんなところが楽しかったのか?」「どんなおしゃべりをしたのか?」を深掘り。しゃべったテーマや内容を1~2つピックアップ、相手の話でこんなことが印象に残っている、自分のこんな話ができてよかった、など。
(3)ほっとひと息タイムのお供にと思って選びました。
はみだし部分:いろんな味や形の見た目から楽しいクッキー。その甘さやおいしさにほっとするとともに、「どれにしようかな♪」とわくわく選ぶ時間も楽しんでくださいね。

◎はみだしポイント◎
「どうしてそれを選んだのか?」を深掘り。おすすめする理由、自分が好きなポイント、どんなところで相手にもいいと思ったのか、など。
はみだしポイントに共通するのは「具体性」です。

でも、文章を書くために言葉にしようとすると、また「まるっとした言葉」になってしまうかもしれません。そこで私が意識しているのは、その時の出来事や気持ち、思いを、そのまま描写してみようとすること。

それから、「はみだし」はあくまで「おまけ」「+α」であるということです。本文では端的であろうと伝えたいことはちゃんと書いているから大丈夫と思うんです。はみだし部分は「余談だけどね」という感じでリラックスして書く。文章になっていなくても、つぶやきでも、単語でもいい。

(3)を例に言うと、「いろんな味や形のクッキー」「選ぶ楽しさあり」「お気に入りはいちごのサブレ」「私も以前、プレゼントされて嬉しかったお菓子」と短い単語レベルの言葉を並べるだけでも、具体的になったと思いませんか?
はみだして、ちょこちょこ書いているうちに、楽しくもなってきます。気づいたら、落書きみたいなイラストを描いたり、「そういえば!」と話が膨らんで本題からどんどん逸れたり、裏面にまで突入したり。紙に書くお手紙だから、紙の上ならどこへでもはみだしながら自由に追記していけます。

そんな楽しさを発見したこともあって、最近は上下左右+裏面とはみだせる余白がたくさんある無地の便箋を好んで使うようになりました。

はみだして追記することを重ねていると、本編でも「まるっとした言葉」ではなく、より具体的な言葉で書けるようになってきているような。そして、はみだし部分はどんどん本題から逸れて、余談になっていくという(笑)。しゃべっているようなお手紙になってきたのではないかなと感じています。

次回は私が書いてみた「はみだしお手紙」の一例を紹介します。
profile
レターセットや絵葉書、季節の切手を見つけるたび、「誰に書こうかな?」「あの人は元気にしているかな?」などアレコレ想像してはトキメク…自称・お手紙オトメです。「お手紙がある暮らし」について書き綴ります。
小森 利絵
フリーライター
お手紙イベント『おてがみぃと』主宰

編集プロダクションや広告代理店などで、編集・ライティングの経験を積む。現在はフリーライターとして、人物インタビューをメインに活動。読者のココロに届く原稿作成、取材相手にとってもご自身を見つめ直す機会になるようなインタビューを心がけている。
HP:『えんを描く』
 
『おてがみぃと』
『関西ウーマン』とのコラボ企画で、一緒にお手紙を書く会『おてがみぃと』を2ヵ月に1度開催しています。開催告知は『関西ウーマン』をはじめ、Facebookページで行なっています。『おてがみぃと』FBページ

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