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藤田 由布 婦人科医 レディース&ARTクリニック サンタクルス ザ ウメダ
生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、女性にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
婦人科医が言いたいこと 医療・ヘルシーライフ 2021-12-16
猿から両手ビンタと飛び蹴りされて、凹んだ私 其の②
私にビンタと飛び蹴りをして仲違いしてしまった猿のブーブーが、ついに近所の雌猿ビービーとお見合いをすることになった。
ブーブーとビービー、お見合い決行
雌猿ビービーは、一見聡明な女子猿に見えたが、人間からの見聞きは全く当てにならない。ここは猿同士で判断してもらわねば。一刻もはやく当事者同士で会って欲しい。

家に戻り、私はブーブーを見て「可愛い女子猿だったよ、よかったね」と声をかけ、お婿入りする準備にとりかかった。猿の婿入り道具は何もないのだが、たくさんの餌をお土産に持たせた。

私たちはブーブーが嫌いになったわけではない。ブーブーがもっと幸せになる方法を模索していたのである。

さて、ブーブーがついに家を出る。

しかし正直、寂しいと嬉しいを比べたら、後者だった。なぜなら、私たちの仲はやはり悪いままで、ブーブーは私の歯ブラシを隠したり、皮を剥き終わって料理に使う直前のニンジンを横取りしたり、いうことを全く聞かない意地悪猿だったのだ。

翌日、ガードマンがブーブーをビービー宅に連れていってくれた。
・・・・その1週間後、ブーブーはまたも我が家に舞い戻ってきたのである。

ビービーのご家族いわく「喧嘩が絶えなかった」と。

ブーブーよ、猿界でもうまくいかないんだな。可哀想な奴め。

それからも、ブーブーの貰い手を探し、何度かうまくいきかけたが、やはり我が家に舞い戻るパターンを繰り返し、やっと5人目くらいの里親で落ち着いたのだ。

真剣勝負のUNOで皿洗い勝負(1999年ザンデール)
ブーブーの行方

ザンデールの街並み
ブーブーが去って半年くらい経ったある日、私の家のガードマンが慌てて帰ってきて、 「マダム、大変だ!ブーブーが、ブーブーが!!」と言うではないか。

どうやら、ブーブー、街の郵便局の前で猿回しデビューしているらしいとのことだ。

うっそーまじでー!?慌てて郵便局までバイクを飛ばしてブーブーの勇姿を見にいった。あろうことか、小さいチェックの可愛い服を着せられてフラフープの輪をくるりとジャンプしてくぐって芸をしているではないか。
ああ、ブーブー、ちゃんと良い子になったのね。芸まで覚えてるし。やればできる子だったんやね。

彼と遠くで目と目が合い・・・互いに永久グッバイ…と言い合ったのであった。
小さな赤ちゃん猿がやってきた

オナガザルのキキ
次にやってきたのは、キキという名前の小さな肩乗り猿。名前はニジェール人のご近所さんがつけた。

ブーブーと喧嘩別れとなった私は、猿と仲良くなる機会をもうワンチャンスうかがっていたところだった。

町の商人がたまたま小猿の飼手を探していると、ガードマンが縁談話をもってきたのである。

今度こそ、猿と仲良くなりたい。
飼ってた犬が狂犬病に
私の家には2匹の犬がいた。「キャオ」と「ラフィア」という名前の犬。

「キャオ」の意味は、ハウサ語で「良い(Goodness)」とか「素敵(nice)」という意味。「ラフィア」は健康とか「元気」という意味。どちらもニジェール犬。

キャオは白くて筋肉ムキムキのスレンダーボディーで、ラフィアは毛がふさふさのかわいい子犬だった。

ある日、ラフィアが急にヨダレを垂れ流しながら地面に平伏して奇妙な鳴き声で手足をバタつかせていた。周囲のニジェール人も「こりゃ例のやばい病気だな」って言って遠ざかっていった。
私も、これは狂犬病だろうと思ったが、ヨダレを垂らしておかしな動きをする犬を目の前に為す術もなく、ご近所さんに「獣医さん連れてきて」とお願いした。

だが、やって来たのは怪しい伝統祈祷師のおじいさん。

なんで祈祷師やねんと思ったが、現地人は「この人はちゃんとした獣医だ」というから仕方がない。

その祈祷師は、緑色の薬草の入った容器を持参してきた。祈祷師は、緑色のそれをコネコネ練りながら病犬の体にぬりたぐっていった。犬にツバを吐きかけ、あろうことか隣にいた私にまでツバを吐きかけて「これでヨシ」と。

何がヨシだったのだろうか。 ただただ、クサかった…

狂犬病は恐ろしい病気だが、その祈祷師のせいでその空間はたくさんのクエスチョンマークに埋もれたのだった。

青年海外協力隊 年2回の全員集合写真 1999年12月ニジェール
カミナリが鳴ると、私の肩に飛び乗るキキ
キキはブーブーよりも人間慣れしていて可愛いらしかった。

キキーと呼ぶと「ンンーー」と返事をしてくれる。私の肩にいつも乗ってきて、私の髪の毛の毛繕いをしてくれる。私の顔のホクロを手で取ろうとカリカリひっかいてくれる。

キキは利口で愛嬌がある飼猿で、漫画のナウシカの相棒のテトのようだ。あとで分かった事だが、キキはブラッザグエノンというオナガザル属のアフリカ生まれの小さなお猿さんである。小さい手にしっかり指紋も爪もあり、表情豊かで言う事をよく聞く。まるで小さい人間のようだった。

キキは私の犬とも大の仲良しだった。狂犬病で死んでしまった犬のラフィアとも仲良しで、キキが寝るのはいつもラフィアの背中の上だった。犬と猿って本当は仲良しなんだと思わせてくれるアツアツぶりだった。

キキに「ほら、行くよー」っと声をかけるだけで、キキは瞬時に私の肩へ飛び乗ってちょんと座る。キキを肩に乗せながら何だって出来る。バイクも乗れるし、馬にも乗れる。

他人に危害を加えることなく、大人しくお利口なキキは、人間と一緒にご飯も食べる。雷が鳴ると怖がって肩に飛び乗ってきて、私の肩の上でおしっこをもらしてしまう。

キキと私 1999年にジェール
キキは子供の赤ちゃん以上に知能があった。

コインを片方の手に隠して、「キキ、どっちだ?」と聞いたら、ちゃんとコインの入った私の手を開けようとしてくる。そしてそのコインを私から奪いとる。

キキは自分の小さな口の中にコインを自ら入れて、そっぽを向く。「キキ、コイン返してよー」って言うと、キキはコインの入った口の中をチラ見させながらこっちを向いて「返さないよ」と言わんばかりのとぼけた表情を向けてくる。

完全に人間やん。

キキは私が話す内容をちゃんと分かっていたので、まるで人間同士の会話をしているようだった。

ニジェールで流行ったビンラディン&ブッシュのTシャツ 2000年
キキとの壮絶な永遠のお別れ
そんなキキとお別れの日がやってきた。私が3年の任期を終えてニジェールを一旦離れることとなった。こんなにかわいいキキなので、キキはアメリカ人の間でも有名だった。

アメリカ人が雇っていたニジェール人のある運転手が「どうしてもキキを僕に譲ってほしい」と言ってきたので、二つ返事で彼にキキをあげることにした。

アメリカの平和部隊(Peace Corps)の友人マットとよく一緒に活動した
キキとは大掛かりな別れ方をしたくなかったので、ニジェール人運転手の家に遊びにいくついでにそっとキキをそっとお別れして帰る作戦にした。

幸い、そのニジェール人運転手の家族もキキのことをとても気に入り、キキも庭の木陰で居心地よさげだった。

ではそろそろ、と立ち上がってその場を離れようとした瞬間である。キキが突然私の左腕をガブリと噛み付いてきたのである。

一瞬の出来事で私は真っ青に。。。

アフリカの土地で哺乳類の動物から噛まれるのは、ものすごく怖いものがある。感染症は、痛いよりも怖い。

キキは割と深く私の腕を噛んできたのである。
やばいよやばいよ・・・流血こそなかったが、キキの歯形がしっかりと20年経った今でも腕に残っている。

私がその後、狂犬病ワクチンをさらに6回打ったことは言うまでもない。馬に噛まれた時から合わせると、もうワクチン漬けとしか言いようがない。完全に私が悪い。

忘れていた。キキは人間の言葉を理解できていたのだ。

私がキキを残して去ることぐらい、キキは分かっていたのである。

トホホホ顔でキキに永遠の別れを告げた。辛辣な別れだ。

キキといい、ブーブーといい、私は猿とはご縁があまりよろしくないようだ。

後味悪いキキとの別れではあったが、その後ニジェールという国とはずっと有難いご縁があった。 そしてニジェールは、その後もずっと行き来する愛おしい国となったのである。

ニジェール川をボートで遊覧 1999年12月首都ニアメ市
profile
2021年大阪なんばクリニックから近畿大学病院経由で、梅田のレディースクリニックへ異動し新天地へ到着。必要とされるところにはどこへでも行きます。金髪から黒髪に戻して日々切磋琢磨でこれまで通り診療に邁進しています。生理痛は我慢しないでほしいこと、更年期は保険適応でいろんな安価な治療が存在すること、婦人科がん検診のこと、女性にとって大事なこと&役に立つことを中心にお伝えします。
藤田 由布
レディース&ARTクリニック サンタクルス ザ ウメダ

大学でメディア制作を学び、青年海外協力隊でアフリカのニジェールへ赴任。1997年からギニアワームという寄生虫感染症の活動でアフリカ未開の奥地などで約10年間活動。猿を肩に乗せて馬で通勤し、猿とはハウサ語で会話し、一夫多妻制のアフリカの文化で青春時代を過ごした。

飼っていた愛犬が狂犬病にかかり、仲良かったはずの飼っていた猿に最後はガブっと噛まれるフィナーレで日本に帰国し、アメリカ財団やJICA専門家などの仕事を経て、37歳でようやくヨーロッパで医師となり、日本でも医師免許を取得し、ようやく日本定住。日本人で一番ハウサ語を操ることができますが、日本でハウサ語が役に立ったことはまだ一度もない。

女性が安心してかかれる婦人科を常に意識して女性の健康を守りたい、単純に本気で強く思っています。

⇒藤田由布さんのインタビュー記事はこちら
FB:https://www.facebook.com/fujitayu
レディース&ARTクリニック サンタクルス ザ ウメダ
〒530-0013 大阪府大阪市北区茶屋町8-26 NU茶屋町プラス3F
TEL:06-6374-1188(代表)
https://umeda.santacruz.or.jp/

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