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バックスター ルミ バイリンガルライフコーチ RumiBaxter
私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。
丁寧に生きるという選択 ライフスタイル 2016-12-09
ぶれない思考を磨く
足早に秋は過ぎて行き、「クリスマスソングが聴こえてくるのは、どうも早すぎる。」と思っていたのもつかの間、今年も最終の月になりました。今年は、世界中の価値観が、政治の下、試され、そして覆された年、と言っても過言ではないような気がします。一度、変化が表面に見え出すと、もう後戻りはできないのかもしれません。

私は常々、「すべての物事は、良くも悪くも変化し続け、努力なしに、一定の状態を保つことは不可能。」と信じています。もし、ある一定の状態を保とうとするなら、それを保とうとする努力が必要で、その努力をしていること自体、変化し続けているのだと感じます。

変化が当たり前になり、守り続ける努力がいかに大切かということを考えます。そのような中、今年なんと、100周年を迎えた雑誌があります。British Vogue というファッション誌です。

第一次世界大戦半ばの1916年から今まで、約2000号も世に送り出したというのは、驚きです。二つの大きな戦争を経験し、紙の雑誌が売れなくなった今日のご時世で、この雑誌の大半が女性であろう読者達に、100年もの間、何を伝えてきたのだろう。そんな思いと共に、100周年記念の写真集のページをめくるのがもっぱらの楽しみとなりました。

ファッションとは、その時々の人々の心理を反映しています。社会における美しさの基準を反映しています。そして何よりもその時代に生きた人々の意識を反映しています。その写真集には人間のドラマが深く刻まれてあり、ファッションとは、人間の内面のストーリーなのだとつくづく感じざるをえません。

戦争中、疎開地の野菜畑を背景に、ツイードのズボンを履いてポーズをとる女性達。反抗的な態度でカメラに挑戦的な眼差しを向けるケイトモス。動物愛護運動真っ只中、ファションに欠かせないと思われていた毛皮を使った抗議的な写真。それらはすべて、ファッション誌を通して読者に訴える強烈な時代のメッセージです。

「ファッションの流行、トレンドは時と共に変化するが、スタイルは生き続ける。」という言葉を聞いたことがあります。スタイルという言葉は、姿、形だけでなく、生きる哲学、生きる姿勢、という内面を表すニュアンスでしょうか。Vogueに掲載された100年前の写真の数々を見て、生きる姿勢は語り継がれるということに同感します。

「スタイルのあるファッション」というとどこかの雑誌の見出しのようですが、生きる哲学は、ファッションだけでなく、すべてに表れるようです。それは、むしろ隠せないといったほうがいいのかもしれません。

若い方々は、どんどん冒険し、試行錯誤し、好きでしっくりくるスタイルを少しづつ見つけ出されることでしょう。しかし、年齢を重ねると、思考は顔に、生き方が、内面が、外側のすべてに表れるように感じます。良くも悪くも、隠せないのです。

先日、あるファッションメーカーのパーティーに誘っていただいた時のことです。
ハッとする女性にお会いしました。銀色の髪をアップにまとめ、ツイードのジャケットに、ホワイトデニムを合わせたその女性は60代でしょうか。ブランドイメージの乗馬風ファションに身を包んでいらっしゃいました。

その日は、若い女性も沢山いらっしゃったのですが、誰よりも輝いていたのは彼女でした。洋服に着られることなく、ブランドに代弁してもらうこともなく、迷わず「今日のベストドレッサー賞ですね」とお伝えすると、「私は20代の頃からこんな感じなのよ」との返事が返ってきました。

内面を隠せないということは、どんなに素敵なファッションに身を包んでも、どんなに高級なブランド品を持っていたとしても、決してそれらは「自分以上の自分」を代弁してくれる道具ではないということでしょう。スタイルを磨く、ということは、トレンドという変化を受け入れ、丁寧に選択しながら、ぶれない思考を磨くということかもしれません。


 

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