ガードナー 瑞穂 英会話講師エージェント 英会話アルテミス アメリカ人の夫と今年で国際結婚生活11年目。2児の母。フロリダ ディズニーワールドにて勤務4年。日本へ帰国後、生まれ育った関西北摂地域で英会話講師のエージェントの仕事の傍らイラストレーターとして活動中。母として、働く女性として、アーティストとして3つの視線から書き綴る心のコラム。 |
ハッピーエンディング |
日本のお正月はやっぱり良いですね、 アメリカでの大晦日は、友人の家でパーティーをしながらカウントダウンをして、庭で花火をあげて、次の日にはまた普通の日が始まり、二日酔いの頭痛の頭をもたげて半分寝たような状態で仕事に出かけて、全くお正月を感じられない年末年始を過ごしていたことを思い出します。 日本の年末年始は家でゴロゴロと過ごしていようとも、元日には新たなるストーリーが初まる節目を感じ生まれ変わるような気持ちになります。 この年末年始は私の周りでも嬉しいニュースが沢山飛び込んできました。 就職が決まったり、退職を決めたり、婚約したり。私も含てみんな、一つのお話の幕が降り拍手喝采がわき起こり、15分の休憩時間を挟んでまた次の大冒険のお話の幕が上がってゆくのです。 そして新しいお話を幕を開ける前に大人の私たちも必ずやっておかなければいけない、とても大切なことを、この年末に4歳の息子から学びました。 ある日近所の公園で息子が小学生の子供達の仲間に入れてもらえなかったことがありました。それ以来毎日その出来事の理由を何度も何度も私に聞いてきたのです。 「どうしてあの子達は僕を入れてくれなかったんだろうか?ママ」 「男の子達は僕が嫌いなの?」「あの子達はどうして僕が嫌いなの?」 「どうして他の子は一緒に遊んでいたのに僕はなんでだめなの?」 息子は何日もその出来事を掘り返し思い出しては、上から見たり横から観察したり、下から見上げてみたりして、なんとか答えを見つけてやろうと、来る日も来る日も彼は考えているいるわけですが、ここに明確な答えは存在しないのです。 あるとすれば、小学中学年の男子は、同じ年の子達とつるんでカッコつけていたい。小学生男子とはそんなもんなんだ、というような、つかもうにもつかみきれない、煙のようなあいまいな大人の答えで、「まあ、そんなもんなんだよ、小学生男子ってもんは」という答えを、4歳に理解してと言っても全く理解出来ないわけです。 「同じ年の友達と遊びたかったんだよ。小さい子に怪我とかさせたら心配だし。ほら、小さい子だとゲームのルールは解らないし」 「同じ年ってなあに?」 「ルールってなあに?」 同じ年とはね・・ルールとはね・・と言って一つづつ説明するのですが、最後にはまた振り出しに戻り、「ねえママ、あのときどうしてあの子達は僕を仲間に入れてもらえなかったのだろうね?」という疑問に立ち戻るわけです。 それはまるで不思議の国の中のアリスに出てくるチャシャ猫と、永久に終結しない言葉遊びのような会話を繰り返しているかのようでした。 そしてある日私は、「でもあなたが小学生になったら、あんな風に一緒に遊べるお友達が出来るからとっても楽しみね。なんにも心配なんてしなくていいのよ。今はあなたと同じ4歳の子達と楽しく遊ぶのが一番、あなたにとっても相手にとっても楽しいのよ。来年は幼稚園が始って、毎日同じ年の子達とあそべるのよ。良かったね。楽しみね」 そう何気なく答えたとたん、「そうか」と息子はあっさり納得して、その瞬間にチャシャ猫は安心した笑顔とともにパッと森の中に消えてなくなりました。 全てのストーリーにハッピーエンディングを。 And they lived happily ever after 「そしてみんな末永く幸せにすらしましたとさ。めでたしめでたし」と言って、子供のハッピーエンドで終わっていない、消化不良を起こしている出来事は、親がちゃんとそのお話を完結してやらなければいけない、ということを学んだのです。 そうしなければ、その出来事が心に引っかかって、答えを探そうとして、その場所で立ち往生してうまく前に進めなくなるのです。 私の若い頃を思い出してみても、何かに挫折した後、答えのない答を見つけようと同じ場所で前に進めず同じことを思い悩み、グルグル同じ場所を巡回して前進出来なかったことがいくつもありました。これは子供だけの話ではなく、私たち大人になっても大切な作業なのです。 年に一度でも、自分で自分の過去のストーリーをハッピーエンドに終結する処理をちゃんとしてやらないと、些細な誰かの一言がずっと忘れられなかったり、過去の出来事がトラウマになったりして、「あの頃、あの人が、ああ言ったのはどうして?」とずっと心に抱えながら生きていってしまうんだなということに気がついたのです。 心配事や心残りなこと、過去に後悔してること、誰かとの行き違いによる喧嘩など、その出来事を掘り返し答えを探したり、責任を感じて自分を責めたり。 落ち込んだり、相手を攻めたり恨んだりするのではなく、なんとかその苦い出来事や、言えなかった思いを、後味の悪い悲しいお話の最後を、こんなことがあったから勉強になったな。出会えて本当にラッキーだったな。「ありがとう!さようなら!」と白いレースのハンカチを振りながら、涙ながらに手を振り見送る美しいハッピーエンディングを付け加えるのです。 そしてその白いハンカチで鼻をチューンとかんで、スキップして自分の家路に向かう後ろ姿が小さくなってゆき、終わりの文字を真ん中にドンときてエンドロールが流れる。楽しいハッピーエンドを書き加えて思いを手放しておかないとしないと、次の新しいエキサイティングな大冒険のお話を、私たちは気持ちよくまっさらな心で始められないんじゃないかと思います。 年の初めは、今年やりたいことを2017年の新しい手帳の後ろのページに、まともに考えたら不可能そうな野望を含め、色々と書きとめました。例えば、「イタリアに一人旅に行く」など。 おいおい子供はどうする?旅費はどうするんだ?なんてとことを考えて、書き出す前に諦めて自分を謙虚に抑制していてはいけないのです。勇敢に裸一寒で大きな怪物と戦うヒーローのように堂々と書き留めてやるのです。 不可能と思えることほど人生摩訶不思議の展開で、危機一髪のところで突然、アンパンマンがテーマソングをバックに流しながら笑顔で助けに飛んで来てくれるかもしれないのですから、自分を見失わないように、自らの純粋な夢は堂々と書き留めなければいけないのです。 そして、この野望に満ちたやりたいことリストを、今年の年末までにいくつ決行できて文字の上に斜線を引くことが出来るかが、私のこの一年の楽しみになるのです。 新しい年が皆様にとって実りある素晴らしい一年になりますように。 |
ガードナー 瑞穂
アメリカ人の夫と今年で国際結婚生活11年目。2児の母。 フロリダ ディズニーワールドにて勤務4年。 日本へ帰国後、生まれ育った関西北摂地域で、英会話講師のエージェントの仕事の傍ら、 イラストレーターとして活動しています。コラムに掲載しているイラストのサイトはこちら
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