足永 美樹 インポートセレクトショップ aplausos 素敵な世界へトリップできるような雑貨をメインにした海外買い付け専門セレクトショップ『aplausos』を運営しています。オーガニックやフェアトレードなど、「ストーリーのあるもの」にこだわっています。 |
「見た目」ではなく「キモチ」から入る。 |
はやいもので、もう6月。雨の多い季節です。 道端に咲くかわいいアジサイに心が和みます。 写真のまあるいお花は、 先日息子と通っているお花の教室で頂いた、6月らしいお色味のお花です。 「アスター(和名はエゾギク)」というらしく、色味によって花言葉が違うようで、 紫は、「私の愛はあなたの愛より深い」という意味だそうです。 なんだかほっこり、癒される可憐な雰囲気のお花です。 こちらのお教室は、「子連れok!」なので、1才の娘も連れていきます。 娘を連れて、どこまでも。 色々な人のところへ連れて行き、 娘も少しずつ、場所見知りや人見知りがマシになった気がします。 ということで! 先日、娘を連れて、「会いたい人」に会ってきました! 東アフリカのフェアトレード商品を扱っておられる「Kicheko(キチェコ)」の星 智子さん。 星さんは、兵庫県宝塚出身の3児の母。 現在は東アフリカ(ケニア・タンザニア・ウガンダ)からのフェアトレード商品を ネットショップやイベント出店で販売されています。 日本初上陸のものもあり、 タンザニアの生産者とタイムリーにやり取りをしている星さん。 なぜ、「東アフリカ」の商品なのか? 星さんは、結婚前、海外営業のお仕事をし、 外資系企業と取引をしながら会議で通訳のお仕事をされていたそうです。 一時は専業主婦になり、末の娘さんの入園を機に社会復帰を考えたとき、 子育てをしながら、「限られた時間で」フルに働ける仕事が見つからず、 副業を考えていくつかの起業家さんの本を読み、 とある女性の著書に大きな感銘を受け、運命が変わったそうです。 その方は、結婚・出産を経て、 子育てをしながらフェアトレード事業をたちあげられた方。 元々、大学時代にケニアやタンザニアに旅をし、 ストリートチルドレンにインタビューをされたこともあり、 「国際協力」に興味があった星さんは、彼女の生き様に深く感動されたそうで、 ここから”夢”を”現実”にと、想いがふくらんだそうです。 |
以下、星さんのお話です。 『その方の著書を読んで、その当時(学生時代)の想いがドッと蘇ってきたのです。 特にケニアの障害者施設でアクセサリーを作る女性について、 彼女の子どもが語った一節、「ママのことを誇りに思う」という言葉。 子どもが誇りに思えるような尊厳のある仕事。 そこから安定した収入を得て、日々の豊かな生活に繋がっていく… 子どもは栄養のある食べ物をおなかいっぱい食べ、 学校で勉強したり友達と遊んで、ベッドの上でぐっすり眠る… そんな当たり前の生活を実現してあげたい、そう思うようになりました。 その想いが溢れだしたら止まらなくなり、 女性対象の起業セミナーに参加をしたり、そこで学んだことや 出会った方からさらに勇気をもらいながら、 少しずつ取引先を探していきました。 協力的な方も多く、商材はすぐに揃えることが出来ました。 珍しい商材を仕入れるために、国の補助金も申請しました。 いろんな方からのご縁で、地元のイベントで出店をさせてもらったり、 地元で起業して活躍されている方のお話を伺ったりもしました。 学生時代、研究レポートの一環として ケニアのストリートチルドレンにインタビューしたことがありました。 でも、そこで見聞きしたことを一切活かすことができなかったことにとても後悔し、 ストリートチルドレンを保護する活動をしているNPO団体を訪ねました。 そこに、親から離れて施設で暮らす、5歳くらいの女の子がいました。 まだまだ母親が恋しい年頃。私にとても懐いてくれました。 私の髪をさわさわと撫でて遊んでくれたのがとても心地よかったのに、 施設を去ってから連絡すら取らなくなっていました。 そんな彼女のことを、思い出すできごとがあったんです。 それは、自分の娘があの子と同じ年になったころ、 同じように私の髪で遊び始めたときでした。 「気持ちいいな…。」 そう言えば、ケニアで出会ったあの女の子はどうしてるのかな。 なぜ自分は何もしなかったのかな。 あの時、どんなに寂しい思いで私と遊んでたんだろう…。 娘に母という私の存在が無かったらどんなに悲しむだろう…。 色んな思いが溢れて、ただ後悔の想いしかありませんでした。 結婚し、子の親となったからこそ、感じることもあったと思います。 そんな苦い経験から、今は想いを行動に移すことを心がけています。 子どもたちが笑顔に暮らせるために、私にできることは何か。 立ち止まって後悔するのはもうたくさんですから。 フェアトレードは、基本的に 「付加価値のある商品を現地の人が現地でつくる」ことを前提にしているので、 もちろん素材も現地のものを使います。 ということは、当然、先進国のものと比べて 品質があまり良くないものも含まれているのです。 それをいかに克服するのか、 もしくは日本の消費者に理解してもらって販売に繋げていくのか、 とても悩ましい問題なのです。』 と語る星さん。 最近は、地域とのつながりがとても重要なことに気づいて、 いろんな方と積極的にお会いするよう心掛けているそうです。 地域の方と親しくなると、何かあった時にもすぐに対応できるし、 何にもない時でもふらっと会いに行けます。 そんな繰り返しの中で、親しみが生まれ、想いを伝えることができ、 フェアトレードに共感して応援してくれる方が少しずつ増えてきたそうです。 『ホームページやFacebookで見映えさえよければ、すぐに売れるだろう」なんて、 甘い考えでいた自分がとても恥ずかしい。 結局は”私という人を知ってもらう”ことから全てが始まるんだと、気づかせてもらった』 タンザニアのインテリアバスケットを気に入ってくださって、 何度もご購入下さったあるお客さまから、 「人とものをつなぐのは、ハートある人の存在があってこそ。 キチェコさんもそのおひとりですね。」 というお言葉をいただいた時には、涙が出るほど嬉しかったそうです! 『フェアトレードの商品は、まさに「人と人とをつなぐ」もの。 だからこそ、私がそのイメージをきちんと伝えられる存在でいられるよう、 気を引き締めていこうと思っています。』 と語られていました。 |
と、ここまで具体的にご紹介させていただきましたが、 一言で「フェアトレード」と書くだけでは、なにも伝わらない。 それがフェアトレード商品だと思っています。 「見た目」から入るのではなく「キモチ」から入る。 それがフェアトレード商品の醍醐味です。 もちろん、デザインや見た目で購入することのほうが多い私たち。 でも私は、こうした「扱う」方たちの気持ちもふまえて、 ぜひ「実物」を見て広めていきたい、と考えていました。 今回、期間限定で、関西の百貨店に出店されるということで 家族で遊びに行かせていただきました。 色とりどりのカラフルな生地。 テーブルクロスにもなるその生地には、ことわざ」がかかれていて、 『母の贈り物は子供の幸せを祈ること。』など、一枚一枚メッセージが違います。 バナナの樹皮などの「現地のもの」を使用しているので、ほんのり木の香りがします。 カゴバックはしっかりかっちりとしていて、 マットやカゴ、コースターやバスケットも布が織り込まれていて、 色味も映えて、とてもかわいかったです。 タンザニアの「手編みカゴ」(カゴバック)を取り扱っているのは、日本ではキチェコさんだけ。 これらは”womencraft(ウィメンクラフト)”という、国際フェアトレード機関から、 厳しい基準を満たす認証ラベルを得ていて、日本ではまだまだ珍しく、とても貴重な商品です。 ”キテンゲ”という、東アフリカの伝統布は、 地域の女性たちが代々受け継いできた伝統技法で インタミ草やイシンギ草、バナナ樹皮の3種類の天然草で織り込み、 大きさに応じ、3日〜1か月以上かけて作られています。 これらは、ウィメンクラフトのオリジナルデザインとなっていて デザイン性も高く、オシャレなインテリアとして活用できるものばかりでした。 星さんのお店には、生産者の方たちの写真もあり、 「この人たちがつくったんだ」と、とてもほっこりしたきもちになりました。 私はそこで小さなカゴを購入して帰りましたが、 今でもそのカゴを見るたびに、星さんや生産者の方たちの想いを思い出し、 優しいきもちになります。 これからもずっと、こうした「誰かの想い」がこもったもの、 そして「品質管理」もしっかりされたものを、 お届けしていきたいと思います。 |
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