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岡田 真結子 フラワーデザイナー/バーテンダー flower & bar Relier(ルリエ)
皆の日常に、植物がそっと寄り添ってくれることを願い、その時々の私なりのお花の楽しみ方や、花屋として植物と向かい合う中で気付いた素敵な発見をお話していきます。
季節を楽しむ花レシピ ライフスタイル 2016-03-23
お花は世界共通語
3月初めの月曜日の事。

朝、いつもより早く家を出て、
花市場の最寄り駅で、ある人と待ち合わせ。

待ち合わせの相手は、フランス人の青年。
彼は、フリーランスのフローリストとして、
世界の色んな場所で、お花の仕事に携わるべく挑戦を続けています。

彼と知り合ったのは、2年前にフランスから届いた、
彼からの1通のメールが始まりでした。

共通するのは、お花が好きという気持ち。
それだけで、国を超えて繋がれるのです。

そこに必要なのは、行動力。

その後、彼が紹介してくれたおかげで、
去年の年末にはソウルのフラワーアカデミーで働く女性スタッフ達とも会い、
花市場を案内し、私のお店でレッスンも開催しました。

彼女たちとも共通するのは、
お花が好きで、それを仕事にしているという事。

綺麗なお花を見て、「可愛いね」と共感出来るのは、
人として共通する感情で、
それはとても平和で、幸せな事なのだと思います。


彼は、今回来日してすぐに私のお店に来てくれて、
店頭に並んでいるお花を見ながら、
海外ではこのお花はもっと1輪が大きいんだよ・・・とか、
このお花はある時期になると、ブーケにして沢山売られているよ、とか、
今まで見てきた、色んな話を聞かせてくれました。

国が違えばお花事情も異なるのですが、
彼曰く、日本のお花はとても質が良いそう。

私が以前フランスの花市場に行った時に思ったのは、
1輪が大きく、力強い花が多いという事。

日当たりとか、日照時間とか、土質とか、
それぞれ色んな条件が異なるからでしょうが、
私にとって日本のお花は、
華奢で繊細、奥ゆかしいイメージがあります。


だから日本のお花を使って作品を作りたいと思ったのか、
彼は翌日、私に
「フラワーマーケットを案内して欲しい。
お花をいくつか仕入れて作品を作り、Mayuのお店で撮影をしたい。」
と、リクエストを投げかけてきました。

それで、今回の市場案内と、私のお店での写真撮影という運びになったのです。


作る作品は3つ。
早朝の花市場をうろうろしながら、
彼はいくつかのお花を揃えました。


1つは、ミュゲ(鈴蘭)のブーケ。
フランスでは、5月1日をミュゲの日とし、愛する人やお世話になっている人に
鈴蘭を贈り合う風習があります。
また、鈴の形をした花はヨーロッパの人々の間では春の象徴で、
“聖母マリアの涙”と喩えられる事もあり、
ブライダルに花嫁に贈る花としても良く使われるそうです。

彼がお店に来て、まず口にしたのが「あ!鈴蘭の花!」だったので、
フランス人の彼は、昔見た風景を思い出し、
きっと真っ先にこのイメージが浮かんだのでしょう。
こうして、鈴蘭と白いお花のブーケドマリエが完成しました。
 

2つ目は、パンジーと白い小花を合わせたブーケ。
パンジーも春を象徴するお花で、
以前フランスに行った時、紫一色のすみれとその葉だけを束にしたブーケが、
色んなフラワーショップで売られているのを見ました。
そんな記憶を思い起こすようなブーケ。

彼にとっても、パンジーは美しいと感じるお花で、
フランスをも思い出すのだそう。

 
 


3つ目は、わすれな草とローズのアレンジメント。
彼はこのアレンジメントを、
“Carre de Marie-Antoinette”と表現していました。

パステルカラーのブルーとピンクは、まさにマリーアントワネットの世界のよう。
このロマンティックな色の組み合わせは何故?と聞くと、
フェミニンカラーを使いたいという、
フィーリングから生まれた作品だとの事でした。

 


鈴蘭もパンジーもマリーアントワネットも、
彼にとって、過去に見た風景や、幼少期の記憶に結び付くお花。

私もそうです。
市場に沢山並んだお花の中で真っ先に目がいくのは、
昔の記憶につながるお花たち。

だからもし、お花屋さんでお花選びに悩んだら、
まずは懐かしい思い出のあるお花を選んで見て下さい。
きっと穏やかで優しい気持ちになれるはず。


作品を作って、何枚も撮影している彼を見ていると、
お花に対する愛情や情熱は、
国や言葉を超えて、共感出来る素晴らしいツールだと改めて思いました。
貴重な経験をした1日でした。
 
Photo; Benjamin jouet
皆の日常に、植物がそっと寄り添ってくれることを願い、その時々の私なりのお花の楽しみ方や、花屋として植物と向かい合う中で気付いた素敵な発見をお話していきます。
岡田 真結子
フラワーデザイナー/バーテンダー
Relierが作る作品や空間は 植物の持つ美しさを最大限に引き出す事を、何よりも大切に考えています。 大輪の花や丸いフォルムの花、シフォンのように柔らかい花びらや、 香水のように甘い香りを放つ花。 美しさに驚きと感動をプラスして、五感で感じるお花をご提案します。
flower & bar Relier ルリエ
〒550-0001大阪市西区土佐堀1丁目6-10 土佐堀トキワビル101
定休日:土・日・祝日(土曜日はレッスンのみ)
TEL:06-6131-4623
HP:http://relier-fleurs.com/  
BLOG:http://ameblo.jp/fleur-relier
FB:fleurRelier

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