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池田 千波留 パーソナリティ、ライター 香のん
(←プロフィールは写真をクリック)宝塚歌劇の魅力にぐいぐい迫っていきます!
タカラジェンヌ歳時記 趣味・カルチャー 2015-05-15
タカラジェンヌの社会貢献 すみれ募金活動
風薫る五月。
宝塚ではこの時期、毎年恒例の行事があります。
宝塚音楽学校の生徒が参加する社会貢献活動「すみれ募金」、通称「すみれ売り」です。


宝塚音楽学校の生徒たちは、予科・本科の2年間、
ダンスや日本舞踊をはじめ宝塚歌劇の舞台に立つための基礎はもちろん、
「清く 正しく 美しく」のモットーに沿った礼儀作法も学びます。
また、1964年には北摂保護区保護司会宝塚地区会の
「社会を明るくする運動」に賛同し「すみれ募金」活動を開始し
社会貢献活動にも取り組むようになりました。
2010年からはユニセフ募金と連動し、
世界150カ国以上の国と地域の子どもたちに役立てられる、
よりグローバルな活動になっています。

「すみれ募金」は、毎年5月の日曜日に開催されます。
場所は宝塚大劇場の正面ゲート付近。
宝塚音楽学校生が色とりどりの着物に緑の袴を着用し、募金を呼びかける姿はとても華やか。
また日頃は触れ合う機会が少ない宝塚音楽学校生に
直接話しかけたり写真撮影したりできる貴重な機会です。
宝塚ファンにとっては、未来のスターを見出すチャンスということで
心待ちにしている人も多く、毎年賑わいを見せています。

今月のタカラジェンヌ歳時記では、
元宝塚歌劇団 彩ひろみさんに、すみれ募金の思い出を語っていただきました。


彩ひろみさんは75期生の娘役さん。
宝塚音楽学校に首席で合格され、入学式の答辞を述べられました。
また、翌年の春にも新入生を迎える本科生の立場で「歓迎の辞」を読み上げられました。

なお、文中の「*」は著者の注釈です。
また、彩さんのお話内では名称を「すみれ売り」で統一させていただきます。
 

⚫︎初めての「すみれ募金」
正式名称は「すみれ募金」なのですが、私たちは「すみれ売り」と呼んでいました。
ファンの皆さんもそう言っておられたように思います。
募金してくださった方に すみれの造花を手渡すので、
そんな呼び方になったのでしょう。
去年、本当に久しぶりに「すみれ売り」を見に行ったら形式が随分変わっていました。
緑の袴と着物姿なのは一緒ですが、一列に並んで募金を呼びかけていて、
手渡すのも花の種になったんですね。
私たちの時は、出席番号順に二人一組になって、
一箇所に固まらないよう、散らばって募金を呼びかけました。
私は予科・本科、両方のすみれ売りで、同期の嘉月絵理とペアになりました。
(*上の写真、向かって左側が嘉月絵理さん。右側が彩ひろみさん)
当時は、すみれ売りの日程は週を分けて2日間あって、
本科生の方・予科生ともに約半数ずつが交代で担当しました。
みんな自分が担当していない日には募金しに行っていました。

私はファン時代に何度も「すみれ売り」を見に行ったことがありましたから
初めての「すみれ売り」はとても嬉しかったです。
予科生が宝塚歌劇の象徴・緑の袴を初めて着る機会がこの「すみれ売り」なのです。
緑の袴姿でファンの方にお声をかけていただき、
「ああ、私は憧れのタカラジェンヌになったんだ」と実感できる瞬間です。

とは言え、予科生が着物や袴を自分で着付けるのは大変なことです。
私は自宅から通っていましたから、着付けもメイクも母がしてくれました。
寮生は上級生の方に助けて頂いたり、お互いに助け合ったりしたようです。
宝塚音楽学校では予科生は通常、ノーメイクで
額は全開にしておかないといけません。
すみれ売りでは髪型は普段通りおでこを出して、メイクのみ許されます。

先ほど二人一組で募金を呼びかけると言いましたが、
一人が募金箱を、もう一人がすみれの造花の入った籠を持ちます。
あらかじめ学校から決められているわけではなく、二人で話し合って決めます。
だいたい男役が募金箱を、娘役がすみれの籠を持っていたように思います。
私たちの場合は、嘉月のお母様(*元タカラジェンヌで女優の上月左知子さん)が
決めてくださいました。

私たちは全員「社会を明るくする運動」と書かれたタスキをかけ、
「社会を明るくする運動にご協力をお願いします!」と呼びかけました。
皆さん どんどん近づいてきてくださいました。
記念写真をとったり、話しかけて下さったり。
ゴールデンウィークということもあって小さなお子さんも多かったです。

予科生としては、宝塚音楽学校に入学して以来、
常に気持ちが張り詰めている状態でした。
ですが「すみれ売り」では、来てくださるお客様に笑顔でお呼びかけします。
私たちはお客様に笑顔をお届けするために宝塚音楽学校で学んでいるのだと
初めて自覚するのが「すみれ売り」です。
自然と笑顔になりました。
劇団の上級生のかたや、担当日ではない本科生のかた、
そして同期も応援に来てくれます。
募金してくださるかた、話しかけてくださるかた、励ましてくださるかた…
とにかく嬉しくて、ありがたくて、心からの笑顔になりました。
たくさん来てくださった中で記憶に残っているのは
小さな姉妹に頼まれて嘉月と四人で一緒に写真を撮ったことです。


⚫︎本科時代の「すみれ募金」
本科のときの「すみれ売り」では嬉しいサプライズがありました。
前年の「すみれ売り」で一緒に写真を撮った小さな姉妹が
また来てくださって「去年はありがとう」と、声をかけてくださったんです。
嬉しかったです。
「すみれ売り」の取材に来ておられた新聞社の方がこのことを知って、
もう一度四人一緒の写真を撮っていただいたのが新聞に掲載されました。
その写真はのちに、引き伸ばしていただきました。
今でも良い思い出です。

肝心の募金ですが、募金箱がいっぱいになったり、
お渡しする すみれの造花がなくなると本部席に交換をお願いに行きました。
それぞれの家族や友人知人も来てくださったので、
すみれの造花がいくつも家にある…という宝塚OGも多いのではないかと思います。
もちろん、私の母も応援に来てくれました。
これは本科生の「すみれ売り」のときに母と撮ったツーショットです。
先日、母と二人で月組「1789〜バスティーユの恋人たち〜」を観劇しました。
初舞台生が黒紋付・緑の袴で口上を述べているのを見るだけで
早くも胸がいっぱいになりました。
本編も、音楽を始め舞台の隅々まで感動が詰まった作品でした。
途中でふと、こうして母と二人だけで観劇するのは、
鳳蘭さんの「ベルサイユのばら」以来だということに思い至りました。
私にとってはそれが初の宝塚歌劇。
母は小さかった私の願いを聞いて劇場に連れて行ってくれたのです。
もしあの日観劇していなければ、
宝塚に入るという夢も生まれなかったでしょう。
そう思うと、作品への感動とともに
隣で観劇している母への感謝がこみ上げてきて
涙が止まらなくなってしまいました。
思いが通じたのか、母もグスグスいっています。
私たち二人だけ涙、涙。
この日のチケットは父が「いただいたものだけど、二人で行っておいで」と
サプライズでプレゼントしてくれたのですが、
多分、本当は自分で手配してくれたのだと思います。
上の写真を撮影したときの母と今の私が同じ年というのも
感慨深いものがあります。

我が家にいまだに飾ってあるすみれの造花を見ても、
両親や周りの方に支えていただいたのだなと、改めて感じます。
おそらく、今年の「すみれ売り」にもきっと
宝塚音楽学校生のご家族のかたが応援に来られるでしょう。

いただいた募金が世界中の子どもたちの役にたつ、
「すみれ売り」は素晴らしい行事だと思います。
今年の「すみれ売り」の盛会をお祈りしています。



以上、彩ひろみさんの「すみれ募金」の思い出をご紹介しました。

なお、2015年の「すみれ募金(ユニセフ募金)」の日程は下記の通り。
5月17日(日)宝塚大劇場正面ゲート内
第103期予科生 9時30分~10時15分
第102期本科生 10時20分~11時10分

雨の場合の実施場所や時間などの詳細は
宝塚音楽学校のホームページをご覧ください。

【取材ご協力ならびに写真ご提供】
元宝塚歌劇団 彩ひろみ様

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