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樋口 陽子 星空案内人 yoppie style
(←プロフィールは写真をクリック)このコラムでは四季をより一層感じられるように 星空案内人として、歳時記と季節の宙の話をご紹介していきます。
ヨッピーの星空案内コラム 趣味・カルチャー 2015-02-25
春はあけぼの。星は昴。
春はあけぼのやうやう白くなりゆく山際、少し明りて、
紫だちたる雲の細くたなびきたる。
(春は明け方がいい。日が昇っていくにつれてだんだんと白くなって、
山の辺りの空が少しずつ明るくなって、紫がかった雲が長くたなびく様子がいい。)

古典の授業で習った清少納言の枕草子の1段。
なんかこの一節だけは覚えてる!という方も多いのでは?

2月に立春を迎えたとはいえ春の訪れには程遠いと思っていても
カレンダーが3月になると、寒くても春が来たなぁと感じてしまいますよね。

2015年の3月6日は二十四節気のひとつの「啓蟄」(けいちつ)です。
「啓」とはひらくという意味があり、「蟄」は虫が冬眠すること。
この二つの漢字が表わすのは寒さが緩くなってきて虫が冬眠から覚めて出てくる時候なんです。

俳句の季語のひとつ「初雷」は立春後初めて鳴る雷の事ですが、啓蟄の時期に多いことから、
虫出しの雷とも言われています。
虫が嫌いな女性はもっと冬眠してくれていてもいいのに・・・と思われるかも(笑)

もう一つこの時期の代表的な行事がひな祭り。
女の子の節句としてお祝いすることはよく知られていますが、
実は邪気を払う為のみそぎの行事が由来となっています。

ひな祭りは「上巳(じょうし)の節句」とも言われ
3月最初の巳の日(巳=へび)の日で、中国では忌日とされていました。
邪気に見舞われやすいとされた日にお祓いをすることで心身を清めたのです。

当時は紙や草花などで作った人型で身体を撫で、身代わりとして
人型を水に流すという方法でしたが
それが現在の「流し雛」の由来になっているそうです。
関西では京都の下鴨神社の流し雛が有名。
公募で選ばれた結婚を控えた男女が十二単など古装束に身を包み
人形を流す様子はとても奥ゆかしいものです。

みそぎの行事が今のようなお祭りとして確立されたのは、
戦国時代が終わり江戸時代になってから。
この頃から女の子の成長を祝う行事として確立され、伝統的な7段飾りの原型が生まれました。

今では豪華7段飾りはもちろん、マンションタイプのコンパクトな物や
ミニひな壇や、人気キャラクターが勢ぞろいした変わり雛など種類も豊富になりました。
 

そしてひな祭りにかかせない食べ物が雛あられ!
以前、月見団子は関東と関西では違いがあるとお話しましたが、
実はこの雛あられも関東と関西ではずいぶんとスタイルが違います。

上の関西の雛あられはお米で作ったあられそのもの。
下の関東の雛あられはお米をはぜさせて作ったポン菓子に着色したもの。

もともと雛あられは、もみ殻のついたままのもち米を炒って作られ
よくはぜると吉、あまりはぜないと凶という、占い的な意味合いがあったそう。
では、関西の雛あられはニセモノ?
でもこちらも、飾った菱餅を砕いて作ったのが始まりとも言われていて
ホンモノの確定は難しそうです。
でも、どちらにしても美味しいから問題なし!
女の子の成長と春の訪れを祝っていただきましょう♪

余談ですが、筆者は某あられ会社のチョコレートがついた関西風の雛あられが大好きで、
毎年このシーズンを楽しみにしております(笑)
 
さて、冒頭でも触れましたが「枕草紙」の200段中盤で出てくる星の章。
(訳文により段数が変わります)

「星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。尾だになからましかば、まいて。」

清少納言が最初に挙げた美しい星「すばる」。

さらば~♪す・ば・る・よ~♪とポーズを決めながら歌えるあなた!
同年代ですね(笑)
谷村新司さんの歌でも有名になった昴(すばる)は日本人にとって、昔から親しみ深い星なのです。

このすばるは一つの星ではなくプレアデス星団という星の集まりで
おうし座を形成する青白くポゥっと蛍の群れのような光りが特徴です。

視力がいい方だと青白く光る固まりではなく7個以上の星が見えるそうです。
(太古には見える星の数で、兵士の視力検査になっていたそう。)

神話の一つにはプレアデスの星は7人の美しい姉妹で、それに目をつけたオリオン(前回のコラムで出てきた狩りの達人)がその姉妹を追っかけているそうです。
乱暴者のオリオンを嫌う姉妹たちは西へ西へと逃げ、オリオンは必至で追いかけるも追いつけない・・・という、日周運動(東から西へ空が動くように見える)に当てはまったお話もあります。

今見ているプレアデス星団の光は関ヶ原の戦いの頃の輝き。
3月初旬の20時位には南西の空にオリオンから逃げるように可憐に光っています。
(ちょうどオリオン座の右斜め上、赤いアルデバランという星より右側です。
前々回のコラム、冬のダイヤモンド参照)

まだまだ寒いこの時期ですが
春を目前に季節のバトンタッチをしている星達を探してみてはいかがでしょうか♪

 

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