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バックスター ルミ バイリンガルライフコーチ RumiBaxter 私たちが「生きる」中で、たくさんの選択をしています。 その選択は、意識したものから無意識に選んでいるもの、とるに足らない小さな選択から人生の岐路に立たされた大きな選択まで、その種類も様々。「丁寧に生きる選択」というライフスタイルは、未来へのキーワードでもあります。 |
自由と格 |
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大型連休も終わりましたが、皆さんどのように過ごされましたか。世界的コロナウイルスの危機が長引く中、私たちはこれまでにない方法で自分たちの行動を見直さなければならなくなりました。
私たちは、今までのように個人の楽しみや利益を追求するよりも、集団の安全のために行動することを求められています。良かれと思ってやっていることでも、それは正当化できるのかと考えると答えは簡単ではありません。 集団の安全のために、今もここ関西では緊急事態宣言下、不自由を強いられている方も多いでしょう。また同時に、「不急不要の外出を自粛してください」と書かれた国道の電光掲示板を見るたびに、それを読むドライバー達は私も含め行動をどのくらい自粛するのだろうか、と思わざるをえません。 先日、アイロンがけを少しでも楽にとスチームアイロンを買いに行こうとしたら、近所の大型電気店もショッピングモールも開いていないことに気づき、今までのように自由に買い物ができないことを実感しました。もちろん今の私にはアイロンがけが必要な服を着ること自体が「不急不要」なのですが。 この一年、幾たびもの緊急事態宣言、という未だ経験したことのない状況の中では、私達誰もが色々な人々の反応を見てきたのではないでしょうか。 それに従う人、従わない人、興味すら持たない人、人ごとにとらえている人、憲法論の中で自由を掲げる人、とまちまちです。 緊急事態宣言で多くの人は自由を奪われたと感じたのも事実でしょう。個人の自由と社会全体の安全は同時に手に入れられるのでしょうか。もしくは下手すれば両方を失うことになるのでしょうか。 いずれにしても正しいこととは何か、があいまいのまま、「正しい行動」をするという義務感や道徳心に訴えることを好む人もいるようです。 自由とは、もちろん思いついた時にスチームアイロンを買うというレベルの自由も含み、そしてもちろん、それが必ずしも正しい行動とも呼べないのですが、ここで私たちは緊急事態中の行動を通して「自由」について少し考える機会を与えられたのではないでしょうか。 スチームアイロンなど存在すらしていなかった18世紀、今のドイツにあたるプロイセンに生きた哲学者カントは「自由」について述べています。カントは現代の国際的な自由主義の発展に多大な貢献をしたことでも知られています。 眠くなれば寝て、食べたくなれば食べるというのは時に心地よい自由のある生活と言えるかもしれません。しかしカントは理性的な選択があり、罰や制約によって制限されるのではなく、「自らを律する」という選択の上でとる行動を「真の自由」と呼び、それが人間だけの持つ特権であり理想であると言います。 そして理性的な選択を自己に命令でき、それに従っている「格のある人」を道徳的な理想的と呼んでいます。自分だけでなく道徳的な他人をも尊重できる社会こそが理想なわけです。もちろん人はもともとは良い人であることに基づいているのでしょうが。 正解の見えにくい新しい生き方の中、「自らを律するもと」で正しいことをする自由を持てているのか、いつも自分自身に問わなければいけないと感じます。 それにしても緊急事態宣言下の私たちそれぞれの行動を400年以上も前に生きたカントはいったいどのように見ているのでしょう。 |
![]() バックスター ルミ
バイリンガルライフコーチ 心理カウンセラーのバックグラウンドをいかし、英会話講師として「コミニケーションレッスン」を展開中。 半生を英国、ヨーロッパのライフスタイルに関わってきたことから、それらの経験をもとに独自のレッスンを提供している。「五感+plus」を使ってコミュニケーション能力を磨くレッスンは、本格的英国サロンで行われている。 RumiBaxter BROG:http://ameblo.jp/rumi-b/ |
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