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上野 美穂 小豆島 空き樹バンク プロジェクト主宰
教育と国際協力のフィールドで20代を過ごし30歳で看護師へ。2018年小豆島の風土に心奪われ移住。『小豆島空き樹バンク』プロジェクト主宰。魅力溢れる日本の田舎をもっともっと沢山の人に知ってもらいたく日々奮闘しています。
こちら瀬戸内、小豆島! ライフスタイル 2020-08-05
思いわずらうことなく愉しく生きよ
思っていたより長かった梅雨があけ、海、空の青、茂る緑、雲の白のコントラストが夏の到来を実感させます。夕暮れのマジックアワーも素晴らしい。瀬戸内海の美しさが際立つ季節になりました。夏野菜も美味しいです。目にも美しい。

素麺の島、小豆島。薬味を沢山のせたり、香味油と和えたり、お素麺が涼しげに食卓を彩ります。素麺にオリーブオイル、冷やしトマトに黒胡椒をひいて・・・なんていう贅沢な食べ方も島ならでは。

島の陶芸教室にて。料理が楽しいと、次は器も自作したくなる。素麺用の大皿です。
家時間が増える事で、あちこちの整理整頓や積ん読の消化になった方も多いのではないでしょうか?私も類に漏れずそのひとりです。

『思いわずらうことなく愉しく生きよ』
江國香織(著)

だいぶ昔に読んだのですが、内容を思い出せず作業の合間に手に取りました。一風変わった家族、犬山家の三姉妹の物語です。犬山家の家訓はタイトルにある「思いわずらうことなく愉しく生きよ」。

なかば刹那的、利己的とも映る行動には個々人それぞれの美学が投影されます。それが、ごく一般的な常識に当てはまるものではなく、受け入れられないものであっても、悪ではないし、各々は納得し藻掻きながらも『日常』を生きている様が感じられ、掃除の手をとめて黙々と読みました。ミイラ取りがミイラです。

大多数の人たちが選択していることを私たちは大にして『ふつう』という言い方で呼びます。大人の、子どもの、学生の、母親の『ふつう』。女性の『ふつう』 男性の『ふつう』・・・。

沢山の『ふつう』に縛られて、もしくは自らを縛って、我々は生きていたりします。実に不自由だな、と半ば気付きながら。大事なのは、そういう生き方もあっていいし、そうでない生き方でも勿論いい、という許容性です。

しかし、悩ましいのは『ふつう』と言いたがる人たちは、そうでない生き方をする層に対して『無自覚に』(←ここが厄介)やんわり批判を投げてくるところ。しかも興味本意で。その度に、チクリとした棘に要らぬ苦笑いが生じたり。

移住者と呼ばれる友人達は、そんな『ふつう』を軽やかに笑い飛ばし、自らの自由を愉しんで選択している人が圧倒的に多いように思います。そして私自身もそうありたいと思っています。

季節毎のジャムやコンポートを仕込んでおいて、パンケーキの朝は贅沢に並べます。
生活は他者との交わり合いですから、現実、些末な田舎事情や過干渉さにげんなりすることもあります。それを加味しても『生きる』を感じ易い田舎暮らしは愉しいものです。

仕事帰りに見上げる夕暮れに同じものはなく、その都度美しさに一日の感謝をおもいます。雨がやんで蒸し上がる土の匂いや、お裾分けで頂く野菜達の姿に『今このとき』を実感することも多いです。

夕暮れの池田港
著書の文中『人生は考え抜くものじゃなく、生きるものなのよ』 そんな一言に背中を押されたり。本てほんとうに良い物ですね。

不安でいい、歪んでいていい、だめな自分にも、思い煩うことはない。愉しく生きる、いまを生きる。不自由さを感じるときは『〇〇でなければならない』というバイアスに自分で自分を縛っているとき。

今回の投稿は、ステイホームの成果は、そんな内省であった、というつぶやきになってしまいました。 次回は、そんなバイアスを吹っ飛ばすようなキラキラの島在住、関西(出身)ウーマンを紹介したいとおもっています。
profile
上野美穂
『小豆島 空き樹バンク』
プロジェクト主宰

山形県庄内町出身。実家は養豚農家。教育と国際協力のフィールドで20代を過ごし、30歳で看護師へ。関東の救急病院で働いていましたが、2018年小豆島の風土に心奪われサクッと移住。余暇を利用し『小豆島 空き樹バンク』プロジェクト主宰。

休日は猪の解体をしたり、山の縦走を試みたり里山生活を満喫中。魅力溢れる日本の田舎をもっともっと沢山の人に知ってもらいたく日々奮闘しています。
上野美穂
FB:https://www.facebook.com/miho.ueno.10

小豆島 空き樹バンク
Twitter:https://twitter.com/gaL964cw4QcXYGx

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