ロッタちゃんとじてんしゃ(リンドグレーン)
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![]() 「ひみつにはね!」 ロッタちゃんとじてんしゃ
アストリッド・リンドグレーン(作) イロン・ヴィークランド(絵)/山室 静(訳) 関西は今のところずっと青信号で、ちょっぴり日常が戻ってきましたね。私もようやく自身のお店の営業を再開できました(5か月ぶりです!)。
緊急事態宣言が解除された頃、姪っ子が5歳になりました。ということは、ここでの連載も丸5年、今月から6年目になります。わーい、パチパチパチ。 以前から、姪っ子が5歳になったらプレゼントしようと思っていた絵本が、今回ご紹介する絵本です。昔からある有名なタイトルだから、ご存じの方も多いかもしれません。 まず、今更ながらこの絵が好きです。なぜなら姪っ子に似てるから。 表紙はもちろん、ベッドでぬいぐるみに話しかけるロッタちゃんや、門柱のてっぺんに腰掛けてしょんぼりするロッタちゃん。中でも、ブランコにのるロッタちゃんは一番そっくりで、親しみを覚えます。 もしかしたらこの作品は、誰もが私のように「〇〇ちゃんみたい」と楽しめるんじゃないかな?とも思います。挿絵画家が持つ子供に対する洞察力のなせる技でしょうか。 ロッタちゃんは三兄弟の末っ子です。兄と姉が自転車に乗って楽しそうにしているのを見せつけられて、自分も自転車が欲しくてしょうがない。5歳の誕生日にどんなことをしてでも手に入れたいと、ご近所さんも巻き込んだ騒動が描かれます。 彼女は、どうすれば自転車が手に入るかがわかっていて、次々に考えを巡らせ、行動してゆく。幼さゆえ、考えや行動を制御するモラルが足りず、その展開は無鉄砲でクレイジーなんだけど、そこはまあ、楽しい作り話ということで。 「こうしたい」と思うや否やストレートに行動しようとする点においては、姪っ子もロッタちゃんみたい。 いや、きっと子供の頃はみんなそうだったはず。自分の欲求と常に真っ正面から向き合っていた。大人に「ダメ」と言われるより先に、自分から何もせずに諦めるなんてこと、あっただろうか。 いい大人になってからこうした作品を読むと、羞恥心や自制心という体のいい名前をつけて、全然諦めなくてもいいようなこと(誰にも迷惑をかけないような)まで、チャレンジしてない自分に気づかされたりします。 ロッタちゃんは、今はそうじゃない「こうなりたい」「こうありたい」という憧れを「あたいだって〇〇してるよ、ひみつにはね!」と口にするのが癖です。 その気持ちがあるから、動き出せる。大人も子供も関係ない。むしろ大人ならば、少しずつ憧れに近づいてゆく、その道のりをも楽しめる気がする。 これからは私自身もそうしていきたい。個々の「こうありたい」を叶えるためのごく身近な創作を、お客様とともに楽しめるお店にしていけたらいいなと思います。ロッタちゃんが教えてくれた「ひみつにはね!」の精神で。 私自身の初めの一歩として、自粛期間中にnoteを始めました。よければそちらもご覧頂けたら嬉しいです。⇒https://note.com/galleryrire 6年目もどうぞよろしくお願い致します。 ロッタちゃんとじてんしゃ
アストリッド・リンドグレーン(作) イロン・ヴィークランド(絵)/山室 静(訳) 偕成社 ![]() 恒松 明美
ギャラリーリール(GALLERY RiRE)店主 小説なら1日。映画なら2時間。絵本なら、長くても15分くらいでしょうか。 それでも小説や映画に負けないくらい、心が満たされる絵本があります。 毎日、時間がたりない…。そんな、忙しく働く女性にこそ、 絵本はよきパートナーとなってくれると思います。 毎日窮屈だな。ちょっと背伸びしてばかりだったかな。 「心の凝り」が気になる時におすすめの、絵本をご紹介します。 ギャラリーリール(GALLERY RiRE) |
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