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親の介護をする前に読む本 (東田 勉)

親の介護をする前に読む本
東田 勉(著)
出版社:講談社(2016年)【内容情報】(「BOOK」データベースより)優良施設を見分ける方法。介護離職を避けるには。実際にかかる介護費用は?介護保険活用の裏ワザ。平穏死を迎えるために家族がやってはいけないこと。医者が教えてくれない「恐怖の認知症治療」。-ありそうでなかった介護家族のための入門書。(出典:楽天
私がパーソナリティを担当している、大阪府箕面市のコミュニティFM、みのおエフエムの「デイライトタッキー」内「図書館だより」で本日ご紹介した本です。

「図書館だより」は箕面市内に七つある市立図書館および図書コーナーの司書さんが、持ち回りで週に一度お勧めの一冊をご紹介するコーナー。みのおエフエムの朝の番組で長く続いています。

私は2014年4月から担当させていただいていて、図書館司書さんの推薦文を代読するだけではなく、実際にその本を読んだ感想も必ず添えるようにしています。

引き継いでから2年半ほどたつと、図書館司書さんによってお好きなジャンル、得意なジャンルが違うなぁとわかってきました。

紹介するジャンルは、ファンタジー系、児童書、本格ミステリ、海外作品、美術、学術や専門書、ビジネス書……と多岐に渡ります。おかげで読書傾向が偏りがちな私も、いろいろな本と出合えるわけです。
 
本好きな私としては、担当することができて本当に嬉しいこのコーナー。

ですが、今回、図書館司書さんからの推薦文を受け取ってタイトルを見た時に、「ついに来たか」と思いました。わかっていてもできれば直面したくない問題「介護」の本を読む時が来たのです。
 
なぜ直面したくないか。

それは介護する立場で言えば、「親(あるいは配偶者)にはいつまでも若々しく元気でいてほしい」から。

そしてもう一つ、「自分にも介護が必要な時が来るなんて想像できないし、できればそんな時が来るとは考えたくもない」から。
 
しかし、この本を薦めてくださった図書館司書さんも、著者の東田勉さんもおっしゃっています。「そうなってからでは間に合わない」と。
 
親や配偶者が要介護状態になったら、思いがけないこと、戸惑うことの連発で、それからじっくり本を読んで勉強する時間的・精神的余裕はなくなる。自分が要介護状態になった時も同様。だからそうなる前に、読んでおきなさいよ、ということ。

しぶしぶ、本当にしぶしぶ読みました。
 
まずは日本の現状と近い将来の予想に戦慄しました。

日本の高度成長を引っ張ってきてくださった団塊の世代の方たちは、三度の試練を受けるというのです。

第一の試練が年金崩壊。(いまそうなりつつある)
第二の試練は団塊世代が75歳以上になった時の介護崩壊。
第三の試練は、団塊世代がこの世を去る時の葬儀崩壊。

”葬儀難民”という単語を見て恐ろしさに震えました。でも、ありえるかも……。いまも起こっている介護崩壊のメカニズムも私を震えさせました。

少子高齢化時代、親の介護のため離職する人がいらっしゃる。その場合 親の年金で生活をしながら介護に専念するパターンが多いわけですが、被介護者がお亡くなりになると介護者の生活が立ち行かなくなる……
 
ああ、辛い。
最後まで読みたくない……

とにかく介護をめぐる現状と将来予想のページは辛くて辛くてたまりませんでした。

かといって、目をつぶって過ごせる問題ではありません。

そこを我慢して読み進めると、ようやく私にとって近い将来役立ちそうな情報が満載のページにたどり着きました。
”第5章 質の高い介護サービスを受けるには
第6章 良心的な介護施設をみつける方法
第7章 間違いだらけの高齢者医療
第8章 医師は教えてくれない認知症医療の「真実
第9章 平穏死を迎えるために家族のできること
(東田勉『親の介護をする前に読む本』 目次より引用”
この辺りは付箋だらけになりました。大切なことはいろいろあるのですが、食べることって本当に全ての基礎なのだなと痛感しました。

しっかり口から食事をとることは、栄養学的な側面だけではなく、姿勢を保つことや脳の健康にも大きな影響を与えるのですね。

また、入浴や排泄行為をなるべく自分の力で行うことが、被介護者の尊厳を守ると同時に、脳の老いを防ぐことにもなる。

著者はおっしゃっています。介護=下の世話ではないと。

排泄物の処理などは「後始末」であって「あるべき介護」ではない。

回数や時間がかかっても、早めに声をかけトイレにお連れし、少しでも長い期間、ご自分で排泄行為ができるようにするのが介護ではないかと。(もちろんこれは一例。介護はもっと広い範囲のことを指します)それこそが寝たきり老人を減らす一助だと。
 
この本を読んで良かったと痛感したのは、認知症の薬の適量処方に尽力されている医師が、近くにいらっしゃることがわかったことです。

灯台下暗し。私の行動範囲にクリニックがあり、昨日もその前を通りました。

これまで、不安があってもどこに相談しに行けばいいかさっぱりわからなかったのですが、「ここに来ればいい」と思えるだけでも心が軽くなりましたよ。ともかく現実から目を背けてはいけないということが一番の学びでした。
 
この本は介護のことを学ぼうとする人が「最初に読むべき本」として企画されたものだそうです。

お立場によってはお役に立たないかもしれませんが、まだ何も手をつけていない方にお勧めできる一冊です。
 
それにしても、現在介護の現場におられる方から見たら、今頃何を言っているのだと呆れておられると思います。お恥ずかしいことです。

池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、
ナレーション、アナウンス、 そしてライターと、
さまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BLOG ⇒PROページ

著書:パーソナリティ千波留の読書ダイアリー
ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。
だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。

「千波留の本棚」50冊を機に出版された千波留さんの本。
『私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。』購入サイトはこちらAmazonでも購入できます


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