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Papa, Please Get the Moon For Me by Eric Carle

Papa, Please Get the Moon For Me
by Eric Carle
絵本や児童書なら辞書をひかなくても読み切ることができます。やさしい文章をたくさん読む事は、英語上達の近道でもあります。大人でも楽しめる絵本・児童書を紹介しています。

“The Very Hungry Caterpillar”『はらぺこあおむし』で世界的に著名なEric Carleの絵本。

Eric Carleの絵本は色使いが素晴らしく、想像力をかき立てられる仕掛けのある絵本がいっぱい。

絵本は文章が短いから、言葉やそのリズムも考え抜かれているので、是非原書で読んで欲しい。

“Papa, please get the moon for me”は、子ども向けとは思えないダイナミックな仕掛け絵本。

子どもの時に見たら、欲しくてたまらなかっただろうな、でも、すぐに破れることが容易に想像できるので、私の親は買ってくれなかったんじゃないかな。

Youtubeには絵本の読み聞かせの動画がたくさんアップされているけど、セロハンテープで継ぎはぎだらけになったこの絵本の読み聞かせを見つけて楽しかった。

そんな風に、破れても気にしないで、どんどん触って楽しむのが良い本。

どうして破れやすいかというと、長さや大きさを実際の本のサイズをはみ出して表現しているから。

Monicaは夜空に浮かぶ月を見て一緒に遊びたいと思う。でも、どんなに手を伸ばしても月には届かない。

”Papa, please get the moon for me.” お父さんにお願いするMonica。

お父さんは、とーっても長い梯子を持ってくる。絵本の見開き2ページをさらに倍に広げても端が見えないくらいの長い梯子。

お父さんは、その長い梯子をとーっても高い山の頂上に備え付けて上り始める。
Up and up and up he climbed.
絵本は今度は上に伸びる。どんどん登っていって、ついに月に到着!

ページを上下に大きく広げると大きな満月が現れる。
“You are much too big.”
こんなに大きくてはMonicaと一緒に遊べないと言うお父さん。

月は、自分は毎晩少しずつ小さくなっていくから、ちょうど良い大きさになったら連れていってくれたらいいと答える。

お父さんは、運べる大きさになった月を家に持ち帰る。でも、月はさらにどんどん小さくなっていって…

Eric Carleが娘のCirsten のために描いた絵本。

月の満ち欠けがベースになっている。

物語の中では、登場人物の感情についての直接的な表現は一切出てこない。

お父さんが困ったとか、Monicaが月と遊べて嬉しかったとか、月が無くなってしまって驚いたとかは全く書かれていない。

でも皆の気持ちがすんなり想像できるのが不思議で素晴らしい。

ラストも言葉はなく、ただ満月が夜空に浮かんでいる。

人間は分かりそうで全部は理解できないものに惹かれるそう。

この本は、Eric Carleの作品の中でも大好き。何度眺めても飽きない1冊。
profile
谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
StoryPlace
HP:http://www.storyplace.jp
Facebook:https://www.facebook.com/storyplacejp/

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