Vincent and the Sunflowers by Barbara Stok
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![]() ゴッホの素敵な感性を描く絵本 Vincent and the Sunflowers
by Barbara Stok 大阪市立美術館で、「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が開催されています。秋から来年にかけては、神戸市立博物館で、「大ゴッホ展」が開催されます。
ゴッホは、日本でも特に人気が高く、展覧会も繰り返し開催されていて、ひまわりや、星月夜は、誰もが思い浮かべられそう。 なんとなく好きだったゴッホですが、年を取るにつれて、だんだん好きさが増し、今では圧倒的に大好きになりました。その魅力はどこから来るのでしょう。 この絵本は、オランダ人のグラフィック ノベル作家、バーバラ・ストックが、初めて子ども向けに描いた作品です。 彼女は、この絵本より前に、日本語にも訳されたグラフィック ノベル『ゴッホ 最後の3年』を発表しています。20カ国語以上に翻訳された人気の作品です。この本と同じく、アムステルダム ゴッホ美術館との協力で制作されたのが、Vincent and the Sunflowers です。 イラストは、手書きのものをデジカル化して彩色されています。ゴッホの絵をそのまま模したものではなく、軽快で平面的なのですが、色にもデザインにも深みがあります。 ヴィンセントは、人々の心に触れ、考えさせるような絵を描きたいと思っていました。絵を描くことが大好きで、時には食べるのも忘れて夢中に描き続けました。 1つの絵を仕上げるのに、何日もかかるので、題材は慎重に選ばなければなりません。ヴィンセントは、次に描くものを探して、犬と一緒に出かけます。 いろいろな物に出会うのですが、彼が選んだのは、茎が折れたり、花びらがところどころ茶色になった、枯れかけたひまわりでした。 Vincent sees beauty in things that most people just pass by and ignore. Birds’ nests, grass, old shoes, clouds, trees, the shades of the mud, the interesting people, the sunflowers and the rain… Yes, the whole world is full of life!
ヴィンセントが楽しそうにひまわりを持ち帰って、絵を描いている姿を見ると、こちらも楽しい気分になります。
確かにゴッホの絵は、単に誰が見ても美しいものを描いているのでは無いなあ、といまさら気付かされました。 ゴッホのお話というと、その短く大変な生涯についてのものが多いですが、この絵本では、彼の素敵な感性に焦点があてられていて、新鮮です。 展覧会でも、違った気分で絵を眺められそう。2つの展覧会、楽しみですね。 Vincent and the Sunflowers
by Barbara Stok Publisher: Uitgeverij Rubinstein ![]() 谷津 いくこ
絵本専門士 絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。 StoryPlace HP:http://www.storyplace.jp Facebook:https://www.facebook.com/storyplacejp/ |