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A Drop of Water by Walter Wick

大人の私も知らないことがいっぱい

A Drop of Water
by Walter Wick
『ひとしずくの水』として翻訳もされているこの写真絵本は、『ミッケ!』シリーズで有名な写真家 ウォルター・ウィックの作品です。

子ども向けの科学絵本ですが、大人の私も知らないことがいっぱい。。。写真絵本って、なぜか無粋なものが多いように思いますが、この本は、文字や、その配置なども、全体的に美しくデザインされています。

身近にある水のこと、よく観察したことがなかったので、とても新鮮に感じられました。ご紹介したいと思います。

お醤油を大さじにいっぱい入れると、表面張力で膨れ上がって、容量より多く入ります。これは、液体の分子がお互いにくっつこうとして、表面を縮ませようとする力が働くからなんですね。

みずのしずくの表面も、この力が働くために、表面の面積が一番小さい球になります。

コップの中の水は、動いていないように見えますが、実際は水の分子は熱のためにずっと動き回っています。温度が下がって動かなくなると、氷になります。

書くとあたり前のようですが、そんな風に意識していなかったので、同じ水が違って見えるようです。

ご存知のように、水は気体にもなります。水はたえず蒸発していて、空気中に漂っています。梅雨の時期には特に感じられますよね。

雲のできかた、みなさんはご存知でしょうか。

雲は、ほこりの粒に水蒸気が集まってできたものなんですね。水蒸気が高くのぼり、気圧と気温が低くなることでしずくに戻って雲となります。

水は集まる性質があるので、しずくは大きくなっていきます。重さに耐えられなくなると、雨となって地上に降り注ぎます。気温が低いと凍って雪になります。

雪の結晶の美しい写真も掲載されています。雪の結晶は必ず6本の枝が基本になっていますが、形はさまざまです。小さな銀細工や小枝のようなものもあり、とっても神秘的。

太陽の光は、プリズムを通ると分解されて7色に分かれて見えます。虹も同じ原理で、水蒸気がプリズムの役割をしています。

ニュージーランドに滞在していたとき、毎日のように虹が見えました。にわか雨がしょっちゅうで、空気が澄んでいたからなんですね。

宇宙から見ると、地球は水で覆われ、青く見えます。太陽の熱と地球の引力のため、水は耐えず蒸発し、上昇して雲となり、雨になって地上に戻り、循環を繰り返しています。このために、地球の温度は一定に保たれてもいます。

水はとても貴重です。水がないと、どんな生き物も生きていくことができません。
But somewhere in the world right now, snow drifts on a mountaintop and rain falls in a valley. And all around us, we are reminded of the never ending journey of a drop of water.
美しい写真がいっぱいで、少し考えさせられる内容でもあり、おすすめの絵本です。
A Drop of Water
by Walter Wick
Publisher: Scholastic Press
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谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
StoryPlace
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