ねずみのオスカーとはるのおくりもの(リリアン・ホーバン)
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![]() 気持ちが温かくなるハッピーエンド ねずみのオスカーとはるのおくりもの
リリアン・ホーバン(作) みはらいずみ(訳) あけましておめでとうございます。皆さん、素敵なお正月をお過ごしになられましたでしょうか。
私事ですが、実店舗について今年は長めのお休みを頂いて(必要なリセットをおこなって)春から営業再開を、と考えています。 お店は今年15年目です。立ち上げの頃はリアルに赤ちゃんみたいなお店だったので、感覚的には、やっと受験生(中学卒業?)みたいな心持ちでしょうか。 ならば、その先にこそ試練が山ほど用意されてるのが世の常かもしれず…、この先やっていけるかしら?と、年始早々自問の日々です(汗) そんなタイミングもありまして、今回ご紹介する作品は、春を迎えるための準備に奔走するねずみの親子のお話です。 寒い冬。春の訪れはまだ少し先のこと。今日明日の一家の食料と、春に産まれる予定の赤ちゃんに必要なものとを調達しなくてはいけない、切羽詰まったねずみのお父さん。息子のオスカーを連れて、毎日雪の中をでかけてゆきます。 ところが、あるアクシデントが原因でオスカーが寝込んでしまったため、その日はお父さん一匹ででかけたのですが、数日経っても帰ってきません。調達先とする近所の納屋にいる猫に、襲われてしまったのでしょうか…? オスカーが主人公なんだけど、実はこれ、イースターを題材にしたお話なので、随所で頼れる活躍を見せるのが、謎めいた存在のイースターバニーです。 もちろんオスカーとその父親は、常に彼らなりの最善を尽くすわけですが、それだけではままならず。影のヒーローのように彼らを見守っているとしか思えない絶妙のタイミングで、ほとんどのピンチをイースターバニーが救います。 そんなご都合展開でいいのか?!とつっこみたくなるかもしれませんが、そういう意味では、もはや愉快な「つっこみ待ち作品」と考えてよいレベルかも。個人的にはそういうの、わりと好きですよ(笑) ただ、ここで興味深いのは、それがねずみにとっては切実で、奇跡のような救いの手であっても、イースターバニーにしてみれば、何気ない親切でしかないということです。 そういうことって案外、私たちの「お互いさま」にもよくある光景かもしれません。ここでは描かれていないけれど、今度はねずみの親子の何気ない親切が、相手にとっては奇跡のような救いの手となる状況だって、きっとあり得るんじゃないかなあ。 とはいえ何よりオスカーが、思わず助けたくなっちゃうくらい、とってもいい子なんです。純朴なねずみ一家に訪れるハッピーエンドに、きっと温かい気持ちになれますよ。 まだ新年を迎えたばかりで、季節の春はまだ先になりますが、私自身はちょっぴり新鮮な気持ちで雪解けの季節を迎えられるよう、しばらく準備に励みたいと思います。 春から新生活を控えておられる方がもしおられましたら、共にそれぞれ頑張りましょう! 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 ねずみのオスカーとはるのおくりもの
リリアン・ホーバン(作) みはらいずみ(訳) のら書店 ![]() 恒松 明美
ギャラリーリール(GALLERY RiRE)店主 小説なら1日。映画なら2時間。絵本なら、長くても15分くらいでしょうか。 それでも小説や映画に負けないくらい、心が満たされる絵本があります。 毎日、時間がたりない…。そんな、忙しく働く女性にこそ、 絵本はよきパートナーとなってくれると思います。 毎日窮屈だな。ちょっと背伸びしてばかりだったかな。 「心の凝り」が気になる時におすすめの、絵本をご紹介します。 ギャラリーリール(GALLERY RiRE) |