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ウィン・ディキシーのいた夏 by Because of Winn-Dixie

ウィン・ディキシーのいた夏

Because of Winn-Dixie
by Kate Dicamillo
やさしい文章をたくさん読む事が、英語上達の近道ということで、楽しみながら辞書なしで読める児童書を紹介していきます。

英語で本を読むには、自分の興味のある題材を選ぶ事がポイント。ストーリーがシンプルで、あまりひねりが無くても、動物を扱った話なら大人でも楽しめる。

「Because of Winn-Dixie」(きいてほしいの、あたしのこと -ウィン・ディキシーのいた夏)は、2000年のニューベリー賞受賞作で、2005年に映画公開もされています。(日本劇場未公開)

日本語で「ウィン・ディキシーのいた夏」となっているから、大切な犬が死んでしまう話と思ってしまいそうですが、死なないので安心して読んでください。

10歳の女の子 India Opal Buloniは、牧師のお父さんと一緒にFlorida の小さな町に引っ越してきたばかり。

スーパーマーケット Winn-Dixieの食料品売り場に紛れ込んで騒ぎを起こしていた野良犬を一目で好きになり、自分の犬だといって救い出します。スーパ—の名前が犬の名前に。

Winn-Dixieは、毛並みも悪くガリガリに痩せた犬だけど、歯を見せて笑うのが得意。その笑顔を見ると皆彼を好きになる。

妻が家を出てしまった事で心を閉ざしているOpalのお父さんも、ペットショップの店員で前科のあるOtisも、魔女と恐れられているGroliaも、Winn-Dixieのおかげで心がほぐれます。

友達が居なかったOpalに色々な世代の、それぞれ色んな事情がある友達ができる。Opalは、「風と共に去りぬ」をGroliaに読み聞かせていて思いつき、友達みんなを招くパーティーを計画します。

社会の暗い面は直接書かれていないけど、大人が読んだら、登場人物の背景を色々想像できて楽しめる。そして心温まるお話です。

「赤毛のアン」や「大草原の小さな家」などの児童文学は、子どもの頃に日本語で読んで面白かったけど、展開が分ってしまっているので、改めて読む気になれない。

そんな多少ひねくれた私でも楽しめる内容でした。

他には、犬が探偵をする「The Buddy Files」のシリーズも笑えて面白かった。

犬が語り手で、何でも匂いで判断し、匂いから人間にあだ名をつけたりします。

朝ご飯にJelly-filled donutを食べた警官をJelly-filled donutとか…

本当は猫派ですが、猫が出てくる面白い児童書がまだ見つけられていません。見つかったらご紹介させていただきますね!

皆さんも、ぜひ好きな動物の登場する本も読んでみてください。
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谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
StoryPlace
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