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上野 美穂
小豆島 空き樹バンク プロジェクト主宰

こちら瀬戸内、小豆島! ライフスタイル 2020-01-10
こちら瀬戸内、小豆島!

職場からの帰り道、目線に映り込むたわわな果樹を見ては、取らないのか、誰のものなのか、ああ、朽ちてしまう・・・と日々思ってしまう。私の暮らす小豆島はいま柑橘がたわわです。

瀬戸内海に浮かぶ小豆島。神戸から3時間程、姫路から90分、高松からは4つの港に着岸するアクセスのし易い離島です。

こちらに移住する前は、埼玉県の救急病院で働き、都会の中で暮らしながら夜勤明けに山に登ったり、県を超えてサーフィンをしにいくような生活をしていました。

元来、アウトドアが好きで、消費に追われる都会の生活に違和感を感じはじめていたとき、友人の誘いから小豆島オリーブマラソンに出る事に。それが初めての小豆島でした。
途切れない沿道の声援と、吹き抜ける潮風と醤の香、凪の水面を照らす太陽と、遠くに見える島々、どこを切り取っても堪らなく美しく、完走後に食べた素麺の美味しさに心奪われ2018年に単身移住。

初来島から10ヶ月後には島の人になっていました。今は女一人、黒猫一匹の生活です。

本業は看護師ですが、楽しそうなことを見つけては右往左往。釣りにも行きたいし、果樹も収穫したい。畑の水やりもしなければならないし、夕焼けに胸を焦がしたい、星空見ながら晩酌も・・・。

スローでエモーショナルな毎日を過ごしています。いや、なかなかビジーかも。
そして、それだけじゃない現実もあります。

例に漏れず小豆島も超高齢社会で、日本の10年後の姿を先取りしているとすら言われています。オリーブや、瀬戸内芸術祭・・・華やかな観光産業とは別に離島が抱える問題も様々です。

そんな冬の小豆島は、右にも左にも柑橘の樹を目にする事ができます。沢山の柑橘がいつまでも収穫されずにあるのです。

どうして収穫しないのか?と問うと、『所有者が死去または施設入所のため』『高齢で管理が困難なため』『溢れていて市場価値がないため』などの声が聞こえました。

実り豊かな作物が、収穫されず、朽ち、足元に転がっている様は悲壮感があります。

雪国生まれの私にとっては冬に柑橘が実る様は桃源郷のようだと思いました。厳冬に、柑橘の清涼感ある香りは春への希望だ、と。
もったいない、から始まった『空き樹バンク』。

放置された果樹の素晴らしいところは『無農薬』であること。収穫、販路開拓、発送はこちらで担い、剪定、農場の掃除なども行います。

ついでに、所有者の独居のおばあちゃん家の雨どいを治したりもし収穫時期には島内外から活用者が収穫にくる、悲壮感溢れた空き樹の周りに人が集い収穫祭のように賑わう・・・

そんなゴールを夢に描き、この活動を続けています。
春には、島のあちらこちらに桜が咲き、それらを愛でながらの八十八カ所霊場島遍路もいいでしょう。

春・秋で農村歌舞伎も上演されます。長きに渡り受け継がれてきた農村歌舞伎は一見の価値ありです。

夏には中山地区の棚田が青々と茂り、灯籠を持って歩く虫送りという伝統行事が行なわれます。

秋は祭りの季節です。巨大な布団太鼓が宙を舞います。オリーブの収穫も行なわれ、新漬けオリーブの登場に小豆島の豊かさを感じます。

冬のキンと澄んだ空気のなか高台に登ると両手に四国と本州が見渡せ、小豆島が瀬戸内の海路の拠点であったことを実感させられます。

四季を通して様々な表情を見せてくれる島の風土に飽きる事はありません。

関西の皆さんにはアクセスし易い瀬戸内の島々をもっと知って頂きたいとおもっています。そして私の投稿が、そんな島旅を彩る一端になれば幸いです。
profile
上野美穂
『小豆島 空き樹バンク』
プロジェクト主宰

山形県庄内町出身。実家は養豚農家。教育と国際協力のフィールドで20代を過ごし、30歳で看護師へ。関東の救急病院で働いていましたが、2018年小豆島の風土に心奪われサクッと移住。余暇を利用し『小豆島 空き樹バンク』プロジェクト主宰。

休日は猪の解体をしたり、山の縦走を試みたり里山生活を満喫中。魅力溢れる日本の田舎をもっともっと沢山の人に知ってもらいたく日々奮闘しています。
上野美穂
FB:https://www.facebook.com/miho.ueno.10

小豆島 空き樹バンク
Twitter:https://twitter.com/gaL964cw4QcXYGx

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