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阿部 純子
歯科医師 じゅん矯正歯科クリニック

笑顔の素敵な女性をふやし隊 医療・ヘルシーライフ 2018-11-07
矯正歯科と審美歯科

先日ある女性と話をしていたら、「私も上の前歯を矯正したんです」とおっしゃいます。そうだったんですねーと話を進めてみると、どうも話がかみ合いません。

それで、会話中に失礼のないようにその人の口の中をのぞき見てみると、前歯にはかぶせ物をしている様子。下の歯はでこぼこが目立ちます。

どうやらその人は歯を削ってかぶせ物をすることで、歯の並び(見た目)をきれいにしたようです。これは審美歯科の治療で、矯正歯科の治療ではありません。

歯の矯正治療とは、歯に力を加えることにより、骨の中の歯根を動かし、歯並び(見た目)だけでなく、咬み合わせ(機能)を改善する治療を言います。

固定式や取り外し式の装置を使い、持続的あるいは間欠的な力を歯に加えていきます。咬み合わせや歯幅の微調整などで若干歯を削ることはありますが、歯の形が変わるほど、また歯にかぶせ物をするほど削ることはほとんどありません。

骨の中の歯根をゆっくり動かすので、かぶせ物の治療に比べると時間がかかるのは難点ですが、自分の天然の歯を生かせるという最大のメリットがあります。

歯の並びの見た目をよくするためにかぶせ物をするには、骨に植わっている歯根(歯の根っこ)の向きに対して歯冠(歯の頭)の形や向きを大きく変える必要があるため、歯を削る量も多くなり、場合によっては歯の神経も取らないといけなくなります。

神経を抜いた歯は健康な歯に比べると寿命が短くなりがちです。

それでも、歯根に対して真っすぐにしっかりとしたかぶせ物が作られていれば特に問題はないのですが、歯並びの見た目をよくしようと歯根と歯冠の向きが違うかぶせ物が入ると、歯冠には真っすぐ力がかかっているように見えても、歯根に対しては好ましくない方向から力がかかることになる場合もあり、徐々に歯を傷めてしまうことにつながります。

歯を削ってかぶせ物をすることによって見た目の歯並びだけを変える審美治療は、雑誌やCMなどで「セラミック矯正」「クイック矯正」などと紹介されているため、審美歯科の治療=矯正歯科治療と思っている人も多いようです。

先日もテレビを観ていたら、ある美容外科のCMで「セラミック矯正」という言葉を使って宣伝していました。

「セラミック矯正」「クイック矯正」という言葉は学術用語ではなく、つい最近改正された医療広告規制によりそういった患者さんに誤解を招くような学術的に認められていない言葉を使うことは禁止されているので、今後はそういう広告やCMは減っていくのではないかと思いますが。

見た目だけでなく機能も改善させる歯の矯正治療。歯並びのことが気になっている人は、歯を長持ちさせる治療の選択肢として、ぜひ矯正歯科治療を考えてほしいものです。
profile
「いい笑顔」「いい顔」つくりを応援したい♪ 歯並びを通して、子どもがあこがれるような笑顔の素敵なカッコイイ大人を増やし、日本を元気にします!!
阿部 純子
歯科医師
日本矯正歯科学会認定医

じゅん矯正歯科クリニック
(歯列矯正・ホワイトニング)
大阪市中央区本町3-5-2 辰野本町ビル2
TEL:06-6266-0018
HP:http://www.jun-oc.com

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