関西で働く女性のライフスタイルマガジン［関西ウーマン］

私が起業したのは、2011年。出産に伴い、東京から京都へ移住したことがきっかけでした。

ビジネスの分野はコーチング。コンサル会社勤務時代にコンサルタントとしてクライアントさんにコーチングしていたこともあり、以前取った資格を活かしての起業でした。

コーチとして食べていけている人を自分のコーチに選び、彼にコーチングで伴走をしてもらいながらの出発でした。

そのコーチに聞くと、「根詰めてがんばったので、数ヶ月で、それなりの売上を上げられるようになった」とのこと。

私も数ヶ月で上げられるようになりたい。いや、ならなきゃ。

そんな気持ちで、ブログを立ち上げ、記事を書き続けることで、私自身を発信していきました。それと共に、ちょっとずつですが、コーチングのお問い合わせが来るようになりました。

なんとなくいいスタート。

「もっとクライアントさんを増やしたい」

でも、数ヶ月経ったけど、彼のような売上には全然届かない。

「なぜなんだろう・・・」

そう思い、他のビジネスコンサルタントにも教えを乞い、より一層、がんばるようにしました。

当時、ブログ２つ、メルマガ２つを立ち上げて、てんてこ舞い。

でも、いくらがんばっても、お問い合わせは増えない。むしろ、減ってきたような気がする。

同じコンサルタントについている、私以外の人たちは、皆、実績を上げているように見えました。

なのに、私だけ、うまくいかない。

「なぜなんだろう・・・」
「他の人は数ヶ月でできているのに、私ができないのは、私のどこに問題があるからなんだろう」

自分を追い詰め、更にがんばること、数ヶ月。

それでもお問い合わせは増えない。

どんどん自分を追い詰め、あげくのはてに、ふと気づくと、左耳が急性難聴になっていました。

皮肉なことに、その難聴をきっかけに、初めて自分に「休むこと」を許可することができました。

それまで、「ここまでがんばってきたんだから、今、止めちゃいけない。止めたら全てがゼロになってしまう。」

そんな恐怖感があって、トータル４つのブログやメルマガを止められなかったのです。

「でも、もうだめだ。これ以上やったら、壊れてしまう」

今から思えば、それが転機でした。

そこまで、「半年以内には」「1年以内には」「皆できているのだから」と、自分に期限を課し、期限の日付になっても成果を出せない自分に、ダメ出しをしてきました。

でも、もういいやと思ったのです。

「◯◯までに◯◯できなきゃ」という執着を手放した瞬間でした。

そのときから、「いつまでに成果を」ではなく、「今の自分にやれることをやる」「目の前のことをがんばる」というプロセスに集中するようになりました。

そこから、早4年。

気づけば、クライアントさんが増え、企業研修の仕事も多くいただくようになり、また、たまたまきっかけを得て、本を出版することもできました。そして、そこからまた話が未来につながっていっています。

ここまでを振り返って、実感として思うのは、「物事を短期で”切り取らないこと”が大事だ」ということです。

言い換えると、中長期の目線を持つことが大事だということ。なぜなら、何事もreadyになるのには、ある程度時間がかかるものだから。

人の信頼や人との関係が一朝一夕に築けないように、成果というものが取り組み始めてからすぐに出ることなんて、あまりありません。

と、えらそうなことを書きましたが、起業後6年ほど経った今だからわかることです。今蒔いたタネが育ち、花開くまでには、それなりの期間がかかるものなのです。

にも関わらず、短期の目線で、数ヶ月や1年程度を切り取って、「芽が出ない」「どうせダメだ」「私なんて」と思ってしまうと、出るはずの芽をつぶしてしまったり、タネを蒔いた自分の力のなさを不必要に責めてしまいます。

「中長期の目線で見ること」

日々をご機嫌に過ごすためにも、そして、日々の努力を確実に成果につなげるためにも、大事なことだと、改めて思います。