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阿部 純子
歯科医師 じゅん矯正歯科クリニック

笑顔の素敵な女性をふやし隊 医療・ヘルシーライフ 2015-10-07
口内炎の話

お口の中のトラブルは虫歯や歯周病など、歯に起こるものばかりとは限りません。
口内炎もつらいトラブルの1つです。私もよく悩まされます。

口内炎は口の中の粘膜に起こる炎症で、誤って噛んだり、矯正装置や入れ歯、歯ブラシなどで傷つけたりすることをきっかけに、また時には突発的に現れることもあります。
一度口内炎が起こると1~2週間痛みや出血を伴うため、食事や会話がしづらくなり苦痛です。

口内炎はストレスや疲労、体力の低下、お口の中の不潔な状態でできやすくなると言われています。胃腸が弱っていたり、唾液の量が少なくなったりしてもできやすくなります。
またタバコのニコチンも原因になりうるようです。

お口の中の粘膜には食事や歯磨きなど、日常生活を送る中で実は無数の傷がついているそうですが、健康なときは細胞のターンオーバーにより、その傷に気付く前に補修されて治ってしまいます。またお口の中には数百種類の雑菌が常在していますが、普段は免疫力で抑えられています。

しかし体力が低下したり、歯磨きが不十分で口の中が不衛生な状態が続いたりすると、その補修機能がうまく追いつかなかったり、細菌と免疫力とのバランスが乱れてしまったりして、口内炎ができやすくまた一旦できた口内炎も治りにくくなります。

まずは口内炎をつくらないためにも、また治りやすくするためにも、お口の中を清潔に保つことは不可欠ですし、規則正しい生活でバランスのとれた食事と十分な睡眠で体に免疫力をつけ、ストレスをためないようにすることが大切です。

ただそうはいっても、知らないうちにできてしまうのが口内炎のつらいところ…
早く治すための方法はあるのでしょうか?

先日ある患者さんが「口内炎には梅干しを貼るとすぐに治る」とおっしゃっていました。
口内炎が痛むのは表面が潰瘍のようになっている部分がむき出しになっているからです。

梅干しやイソジン、硝酸銀などを表面に塗ると殺菌され、潰瘍の表面が焼け薄い膜ができるので、早く回復すると言われています。ただし口内炎の表面にこれらを塗ると一瞬激痛が走り、また場合によっては症状が悪化することもあるので、あまりおススメできません。

歯科ではレーザーによって、口内炎の表面を焼灼する方法で治療をしてくれるところもあります。口内炎の表面を焼くと痛みが緩和されるのは前述した通りで、歯科では麻酔などを使って痛みが起きないようにしてくれます。

薬局・薬店で売っている口内炎のお薬を使うのも1つです。
口内炎のお薬にはビタミン剤のような内服薬や口内炎の傷口に塗ったり貼ったりする外用薬があります。ビタミン剤は即効性があるとは言い難く、むしろ口内炎の予防に使うといいかもしれません。

外用薬は主にステロイド剤で傷の治りを早くするのと口内炎の表面をカバーする役目もあります。ただお口の中に外用薬はやや使いにくく、場所によってはすぐに唾液に流されてしまうこともあるので、繰り返し塗布することが必要です。

ただし、前述した口内炎のできる原因を考えると、口内炎を早く治すにはお口の中を清潔にし、傷に繁殖している細菌を洗い流すことが最も有効だと言えます。

具体的な方法としては、殺菌作用のあるうがい薬で1日数回洗口をし、お口の中の細菌の繁殖を防ぐのです。うがい薬の中には口内炎に強い刺激となるものもあるため、うがい後は水でうがいすることをおススメします。また塗り薬をつける場合も、最初にうがい薬でお口の中を洗った後の方が効果的です。

もちろん毎日の歯磨きで日々お口の中を清潔にしておくことが大切なのは言うまでもありません。

貧血やアレルギーなど、全身疾患が口内炎の原因になることもあるので、口内炎が頻繁にできる、または一度できるとなかなか治らない、という場合は病院での診療を受けることをお勧めします。
じゅん矯正歯科クリニック
(歯列矯正・ホワイトニング)
地下鉄御堂筋線 本町駅 3番出口すぐ
月~土(10:00~13:00/14:30~19:30)
大阪市中央区本町3-5-2 辰野本町ビル2F TEL 06-6266-0018
http://www.jun-oc.com

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