歯科と働き方改革 |
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コンビニより多いと言われる歯科医院の数。「歯科医院経営はサバイバル」というようなフレーズを見かける度に暗澹たる気持ちになる歯科医師も多いと思います。
そんな歯科医院を運営する中でさらに悩ましいのが人材についての問題です。 以前このコラムでも「歯科衛生士」という職業について書きましたが、その歯科衛生士に加え、かぶせ物や入れ歯、矯正装置などを作製する歯科技工士が慢性的に不足していると言われています。 歯科衛生士も歯科技工士も資格を取得するには専門の学校や学部を卒業し、国家試験に合格しなければなりません。 そういった国家資格であるにも関わらず、看護師やレントゲン技師といった医科に従事する資格者に比べ賃金が低い、拘束時間が長い、残業が多いなどの理由から、資格を持っていても違う職種に就く人も多く、資格者人口の割には実際の稼働人口が少ないというのが慢性的な人材不足の大きな原因の1つです。 冒頭に書いた歯科医院経営の観点から、少しでもたくさんの患者さんに来院してもらうために、夜遅くまで診療時間を延長したり、日曜日や祝日も休まずに診療したりする診療所も増えてきています。 治療を受ける患者さんの立場から見れば仕事帰りや休日にも通えるのは便利ですが、働く医療従事者の立場からすると、一般の人が休む時にいつも休めないのはなかなかつらく、離職率を高める要素となり得ます。 経営する側の歯科医院からすると、診療時間や診療日を増やすためにはマンパワーが必要で、多くの人材を確保しない限り個々の人材への負担を増大する結果となります。 働く人材に過度な負担がかかることは歯科医療サービスや歯科医療そのものの質の低下につながり、それはすなわち患者さんへの不利益を招きます。 患者さんによりよい歯科医療を提供するためにも、歯科医療現場に従事する人材の負担軽減や働き方改革は目下の課題ではないでしょうか。 この課題を解決するには、歯科医院経営を担う歯科医師がもっと経営について学んでいく必要があることは言うまでもありませんが、それと同時に、すべての国民が日頃から歯に関する意識を高め、かかりつけ歯科に通うことを日課にし、日々のタスクの中でその優先順位を少しでも上げてくれたら、歯科医院が診療時間を延長したり、休日診療をしたりする必要がなくなり、歯科医療従事者のワークライフバランスも保たれる大きな助けになるのではないかと思うのです。 コンビニも脱24時間営業を目指す時代。 歯科医療従事者の働き方改革も当事者である私たちが少しずつ進めていけたらいいなと思います。 |
![]() 阿部 純子
歯科医師 日本矯正歯科学会認定医 じゅん矯正歯科クリニック (歯列矯正・ホワイトニング) 大阪市中央区本町3-5-2 辰野本町ビル2 TEL:06-6266-0018 HP:http://www.jun-oc.com |
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