鼻と口 |
春の訪れとともに花粉症の到来をすでに感じていらっしゃる方も多いことでしょう。花粉症、アレルギー性鼻炎や扁桃腺肥大などで鼻での呼吸ができないことは、健康に様々な影響を与えます。 本来ヒトは鼻で呼吸をするようにできています。鼻腔には繊毛という細かい毛がたくさん生えていて、外気に混じって侵入しようとする細菌や異物を取り除く働きをしています。 それに対して口は本来外気にさらされるものではないので、鼻のような異物を取り除く構造にはなっていません。それなのに口で呼吸をすると、外気が直接口から喉に入り、口の中を乾燥させるばかりでなく喉にも乾燥や細菌やウィルスの侵入を許してしまうのです。 また、口で呼吸するといつも口の中が乾燥してしまうため、虫歯や歯周病になりやすくなります。通常お口の中は唾液によって常に湿っていて、虫歯や歯周病の原因となる細菌も洗い流されます。これを自浄作用と言いますが、何らかの原因でお口の中が乾燥するとそれが効かなくなり、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病、口臭を引き起こしてしまいます。 さらには歯や歯並びにも悪影響を及ぼすことがあります。鼻呼吸ができないと口で呼吸するようになるので、いつも口が開いた状態になります。すると頬の筋肉が引っ張られ、それに圧されて上あごの歯列弓の幅が狭くなると言われています。 歯列弓の幅が狭くなると、その分前歯が前方に圧し出され、結果的に出っ歯になります。舌を突き出す癖が加わると前歯が噛み合わない開咬という状態になることもあります。これにもともとの歯とあごの骨の大きさのアンバランスが加わると、もっと複雑な歯並びになったりもします。 鼻呼吸ができない人に歯の矯正治療を施しても改善がされにくかったり、いったん改善されたとしても、また元の症状が再発したりする可能性があります。 鼻と口、それぞれ独自の役割を担ってこそ健康が維持されます。歯を健康にきれいに保つためにも、鼻の病気は無視できないものなんですよ。 |
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阿部 純子
歯科医師 日本矯正歯科学会認定医 じゅん矯正歯科クリニック (歯列矯正・ホワイトニング) 大阪市中央区本町3-5-2 辰野本町ビル2 TEL:06-6266-0018 HP:http://www.jun-oc.com |
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