秦 優 社会保険労務士 YOU社会保険労務士事務所 「なんとなく払い、なんとなく受給する」それで悠々自適な年金生活ができていた時代は終わりました。これから年金をもらう私たちの世代は、しっかり制度を知り、より良い方法で年金を利用することが必要です。そのためのお手伝いをしています。 |
退職を考えているあなたに part4(私傷病による退職) |
怪我や病気は、いつ何時、誰の身に起きてもおかしくないものです。 もし、それが原因で働けなくなってしまったとき、どうすればいいのか。 今回は仕事に関係のない病気や怪我で、 今までの仕事を続けられなくなったときについて書いてみます。 勤務先の会社の就業規則をぜひ一度確認してみてください。 休業規定というものが定められていませんか? 「私傷病で一か月欠勤した場合には、休職を命じることがあります」 というような規定が多いでしょう。 休職期間は特に決まったものはなく、それぞれの会社により異なります。 6か月の会社もあれば、大企業などでは1年6か月の休職期間を設けている場合もあります。 私用でケガ・病気を負って現在の業務ができなくなったとしても、 会社は簡単に解雇できるわけではありません。 会社は病気の程度を考慮したうえで、配置転換などを検討すべきと判例にもあがっています。 ただ労働できず、休職期間を満了した場合は、 退職する旨が就業規則で定められている場合もあります。 ご自身の体調と相談して、続けられるかどうか考えてみてください。 Q:「業務に関係のない病気では、休職中はなにももらえないの?」 解雇にならなくても休業中なんの手当もなければ、実際生活していくことは困難ですよね。 病気やケガのために働けず、給料や賃金が下がったり、もらえなかったりした場合、 協会けんぽや健保組合等から傷病手当金が支給されます。 但し、自営業者が加入する国民健康保険には傷病手当金はありません! <傷病手当金をもらうための要件> ①業務外の病気やけがの治療中 ②労務不能(医師の診断書) ③連続して三日以上休んでいること (※土日祝や有給休暇含む。但しこの期間は傷病手当金の支給なし) ④賃金の支払いがないこと (賃金が支払われた場合でも支払われた賃金の1日当たりの額が 傷病手当金の1日当たりの支給額より少なければ、その差額が支給) <傷病手当金の支給額> 労務不能1日につき、おおむね日割り給与の3分の2が健康保険より給付されます。 ※傷病手当金は生活保障のために支給するものですから、 受給中に給与が下がって標準報酬月額が減額改定されても、 傷病手当金の支給額を減額することはしない扱いとなっています。 一方、傷病手当金を受給しているからといって、 被保険者の保険料負担が免除されるわけではありません。 ですので給料の支給がない場合、会社に社会保険料を支払わなければなりません。 <傷病手当金をもらえる期間> 支給開始日から起算して最長1年6ヶ月 ※復職し受給していない期間があっても、受給開始日から1年6ヵ月後に受給期間が満了します Q:「働けないし、会社に居づらい。退職したら傷病手当金ももらえなくなるの?」 以下の要件を満たせば、退職後ももらい続けることができます。 ①退職日に労務不能 (退職日だからと挨拶や引継ぎのため出勤扱いになると「働ける状態」とみなされ、 傷病手当金をもらえなくなります。ご注意ください) ② 退職日までに健康保険に連続して一年以上入っている (会社が変わっていても一日の空白もなく継続していればOK) ③ 退職日に傷病手当金をもらえる状態にあること ④ 傷病手当金をもらいはじめてから1年6ヶ月以下である。 この手当金は健保組合か協会けんぽから給付されるものですので、退職には左右されません。 但し、退職後の病気や怪我に関しては、 健康保険の任意継続被保険者であったとしても給付はされません。 <傷病手当金の手続き> 在職中は基本的に会社を通して手続きをしてもらうことになります。 事業主の証明が必要となるためです。上司や総務の担当者に相談しましょう。 会社からの求めに応じて傷病手当金支給申請書に記入、医師の診断などをもらってください。 <退職後の傷病手当金の手続き> 退職後、傷病手当金を請求する手続:傷病手当金の申請は長期に及ぶ可能性もあります。 退職後もらい続ける場合は個人で申請します。 協会けんぽの場合は年金事務所、健保組合の場合は組合に問い合わせましょう。 協会けんぽであればインターネットでダウンロードして郵送で手続することもできます。 http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r124 傷病手当金の対象となる場合でも、会社からそのような提案をしてもらえるとは限りません。 「私傷病で働けない場合でももらえる手当がある」 とぜひ覚えておいてください。 |
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