退職をお考えの方、
「今回はどのタイミングで退職するのがいいのか」というお話をさせていただきます。
まず、そもそもタイミングを考える余地もないと思われる場合もあります。
それが例えば、病気や怪我による退職の場合。
けれど、その病気や怪我は会社での業務に原因があるものではありませんか?
・工事現場で足場が崩れて怪我をした。
・宅配中に事故にあった。
こういうものが「労災」にあたり、補償があること御存じかと思いますが、
業務中でなく通勤途中での事故によるものも労災の対象となり、同様の補償があります。
また最近は、過労や仕事でのストレス等でうつ病になり、
労災の適用になるか争われる事例も増えています。
メンタルな疾患について、業務上の理由によるものかどうかの認定は難しいと言われていましたが、厚生労働省により、「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」が定められました。
ストレスの強度の評価表には具体的な事例も挙げられ、これまで全ての事案について必要としていた精神科医の判定も判断が難しい事案のみに限定されています。
詳しい内容は以下を参考にしてください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj.html
さて、仕事に関係する病気や怪我で労働不能になった場合は労災の対象となり、
扱いが変わります。
Q:「働けないし、辞めたくなくても解雇されるのでは」?
A:ご安心ください。会社はあなたが労働不能の間と、復帰後30日間は解雇が禁止されています。
業務が原因で働けなくなったのですから、すぐさま解雇するわけにはいかないのです。
労働不能が長引いたとき(3年)、打切補償(1200日分の賃金)を支払って
やっと解雇できるようになるのです。
(※但し労災の傷病補償年金を受けるときは打切補償が行われたものと同様に取り扱われます
Q:「とは言ってもこれ以上会社には居づらいし辞めたい。生活費はどうしよう…」?
A:労災事故の場合は療養の費用の補償のほか、休業に対する給付があります。
・休業第1日目から第3日目まで
→会社が平均賃金の60%以上を保障
・休業第4日目から
→労災保険より休業補償給付が支給
支給額=平均賃金の80%(休業補償給付60%+休業特別支給金20%)
もしあなたが途中で退職しても、
休業4日目からの休業補償給付は、治癒するまでは支給されます。
休業補償給付は労災保険から支給されるものであり、
あなたと会社との労働契約には左右されないからです。
このように労災による労働不能の場合は手厚い保護がなされているので、
労災事故による場合は必ず申告してください。
次回は業務上でない傷病により、退職する場合について書きます。
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