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ガードナー 瑞穂 英会話講師エージェント 英会話アルテミス
アメリカ人の夫と今年で国際結婚生活11年目。2児の母。フロリダ ディズニーワールドにて勤務4年。日本へ帰国後、生まれ育った関西北摂地域で英会話講師のエージェントの仕事の傍らイラストレーターとして活動中。母として、働く女性として、アーティストとして3つの視線から書き綴る心のコラム。
いつも心に太陽を キャリアアップ 2015-03-18
日本語で話せないことは英語でも話せない
私の運営する「アルテミス豊中」では、英会話レッスンを希望される方には最初に、
英会話経験や、英会話を勉強されたい理由、目標や職業や好きなものや趣味などを伺い、
その上で、英会話のレベルやニーズ、目標にピッタリ合った講師をご紹介しています。

これまで300人以上の方とお話させていただいてきましたが、
時々「この人が必要としているのは、英会話ではないかもしれない」
と思うときがあります。

以前、「『セックス・アンド・ザ・シティ』の登場人物のように英語を話せるようになりたい」
と入会された30代の女性がおられました。

彼女は留学経験もあり、文法など基礎的な英語は理解できる英会話中級レベル。

でも、担当講師の変更を何度も繰り返し、ついには
「いつまでたってもドラマの登場人物のように、英語を話せるようにならない」
と怒って1年で退会されました。

『セックス・アンド・ザ・シティ』は世界中の女性に大人気のアメリカドラマ。
ニューヨークのマンハッタンを舞台に、仕事で成功している4人の女性たちが
本音で個性をぶつかり合わせながらも支え合い、仕事もプライベートも妥協せず、
全力で生きる姿がとてもスタイリッシュに描かれています。

このドラマの何よりの魅力は、
個性が強く、自分の意思を強く持つ4人のキャラクター。

この「自分の意思を強く持つ」という部分は、
アメリカ人を知る上で、また、英会話を勉強する上で
とても重要なポイントになります。

私がアメリカで暮らし始めた頃、
最初にカルチャーショックの洗礼を受けたのがこれでした。

日常のいろんなシーンにおいて、
かなりプライベートな質問や意見を求めらます。

「これについて、あなたはどう思う?」
「あなたはどうしたい?好き?嫌い?」
「どうして好きと思うの?その理由は?」
「どうしてアメリカに来たの?アメリカについてどう思う?」
「アメリカの政治については?宗教については?」
「日本についてどう考えている?」

家族でも、友達でも、同僚でも。
ディズニーでお客さんと接客している時でさえも。

その人に興味があるから質問する、という文化なので
けして誰も悪意は無いのですが、
「この人は私についての本を書くつもりなの?」と思うほど質問されます。

それらの質問に答えるには、
自分のアイデンティティを一度、全てひっくり返して、
新しく根っこを固めなおす作業が必要になり、
いままでいかにあいまいな意見をしか持っていなかったか、
深く思い知らされた経験でした。

これはきっと、英語力がないから辛いんだと思っていましたが
だんだん、そうじゃないことが分かってきました。

「日本語でもいいから、ユーモアも交えて会話を盛り上げながら答えて」
と言われても、私には答えられないのです。
つまり、その答えが私の中に用意されてないということ。

これは英会話力の問題だけではないことに気がつきました。

薄っぺらい考えで、浅い意見しか持っていないから、
「なぜ?」の質問に答えられず、会話が止まってしまうのです。

また、子供の頃から意見をディベートする教育を受けているアメリカ人にとっても
意見がない日本人との会話は、かなりのカルチャーショック。

「彼女は僕と話す気がないんだ。きっと僕を馬鹿にしているに違いない」
と勘違いさえされてしまいます。

日本で英会話を教える外国人講師の苦労もここ。
日本人は悪気があって「I don't know」を連呼しているわけではなく
ただ、そこに答えを用意していないだけ。

「うまく英語の質問に答えられない」
「質問は聞き取れても、自分の意見をどう表現すればいいか分からない」
「文法には自信があるのに、会話がどうしても続かない」

生徒さんからこうした相談をよく受けますが、
これは英語力だけの問題ではありません。

英語は、自分の意見や個性を出して会話を広げるという文化の言葉。

自分の意見を持って相手の話を聞く、という
根っこの部分がしっかりしていなければ、
どれだけ文法や慣用句を勉強し、暗記していても会話は続かない、
ということに気がついて欲しいのです。

自分自身の「核」を持たないままだと、中身はカラッポ。
まるで、美しくラッピングはされているのに、
カラッポのプレゼントをもらうようなもの。

それでは、いつまでたっても、
世界で外国人と肩を並べて話せるようにはならないと私は思います。

日本人同士の会話では、あまり踏み入った質問はしません。
そんな質問は、相手に失礼にあたるとされ、
嫌な思いをさせることは、避けることが礼儀という文化だからです。

自分の意見と相手の意見が違ってはいけないので、
会話を円滑に進めるためには、曖昧な返事が求められます。
また、意見を言う際も、はっきり断言せず、
相手に判断を委ねるあたりで止めておく。

この日本人の会話の文化は、私たちが自分で意識する以上に
深く染み付いてしまっています。

アメリカ人の夫との結婚当初、
「君は何が言いたいのか解らない。
僕は超能力者じゃないんだから、はっきり言ってもらわないと分からない」
とよく言われました。

遠回しな言い方をしている意識は自分には無く、
彼の怒る意味さえ理解できませんでした。

日本語という言葉は、遠回しに組み立てられた独特な言語。
俳句や短歌に似ているといってもいいでしょう。
ふわっと漂っていて、決してクリアな意見ではありません。

日本語を話す調子を、そのまま英語に変換してしまうと、
遠回りに話を包めるようになってしまい、
いったいこの人は何が言いたいのか、聞いている方が分からなくなるのです。

まずは日本語で、自分の意見とその理由を相手に伝えるトレーニングが先。
日本語で話せないことを、英語で話せるわけがありません。

ニュースでも日本の文化でもいい、自分の好きな趣味のことでもいいから、
あなたの周りにある一つ一つのことに向かい合い深く掘り下げて考え、
自分の意見とその理由を用意しておくことです。
それが英語を話す上で、何より大切なことであると私は思います。

『セックス・アンド・ザ・シティ』の登場人物のように
英語を話したかった彼女はそれに気がついてくれたでしょうか。
今も、どこかの英会話学校に通っているかもしれません。

彼女が本当に必要なもの、探していたものに
気がついてくれていればいいなと、
時々ふと、彼女のことを思い出すのです。
 
英会話アルテミス豊中
豊中のカフェで習うマンツーマン英会話
・お洒落なカフェレッスン
・レッスンは毎回払い
http://www.eikaiwa-artemis.com/

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