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万能感(和田迪子)

他者との交わりは新たな自分を発見できる

万能感
奢りと泣き寝入りのメカニズム
和田 迪子(著)
これはぜひ読むように、と強く勧められた本です。

それから半年、ようやく手に入れたのですが近頃騒がれる事件はこの言葉がキーワードになっている…と感じています。

万能感とは全能感ともいわれますが、自分が何でもできるという感覚のことです。

そこから浮かぶのはいわゆる『奢りタイプの万能感』ですが、その反対『泣き寝入りタイプの万能感』もあり、関係ないと思っていてもどこか遠からず当てはまるかもしれません。

(本文p.175より)
いつも上司や部下の顔色を見ながら、決して自分の意見を言わず、事なかれ主義や泣き寝入りに甘んじている人たちである。これこそ『泣き寝入りタイプの万能感』に支配された人々だ。

ところでこの現象とは逆に、同じような育ち方をして心にトラウマを持ちながらも、この自信のなさや不安感を、自分のモノとせず、他人のモノにすり替えて心の防衛をしてしまう人たちがいる。…

彼らは前者の人たちと正反対で、自信に満ちて、威張りまくり、攻撃的な態度をとる。すなわち『奢りタイプの万能感』で満ち満ちている人たちである。
トラウマは誰にでもあると思います。

それに縛られるのはしんどいけど、どうしようもない。

先日もチェロのレッスンでこの問題について話しました。

先入観にがんじがらめになっていると足かせになる…それが上達を阻むときがある。

私の場合は早生まれということもあり、子どもの頃は何をするにも時間がかかる子で、その上「超」がつく泣き虫でした。

幼稚園の運動会の写真はどれも先生と手を繋いでます(笑)。

普通のことができない落ちこぼれ。それが私のトラウマです。

自分の中に“泣き寝入りタイプ”が存在しているので、“奢りタイプ”に出会うとカリスマ性すら感じるかもしれません。

しかし、何事も努力で乗り越える習慣がついたので良かったかな、とも思います。

それにしてもこの本は無意識を意識するきっかけになりました。

他者との交わりは新たな自分を発見できる。

これだから読書は面白いし、これからも新しい世界を知る旅がしたいなと思います。
万能感
奢りと泣き寝入りのメカニズム
和田 迪子(著)
新潮社
問題を先送りし、すべてを丸く収めようとする日本的曖昧さ。ノーと言わない言わせない、誤りを認める勇気がないお役所的不実。現実検討能力の低い秀才を大量生産する奇妙な教育システム。これらすべて万能感のしわざです。 出典:amazon
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植木 美帆
チェリスト

兵庫県出身。チェリスト。大阪音楽大学音楽学部卒業。同大学教育助手を経てドイツ、ミュンヘンに留学。帰国後は演奏活動と共に、大阪音楽大学音楽院の講師として後進の指導にあたっている。「クラシックをより身近に!」との思いより、自らの言葉で語りかけるコンサートは多くの反響を呼んでいる。
Ave Maria
Favorite Cello Collection

チェリスト植木美帆のファーストアルバム。 クラッシックの名曲からジャズのスタンダードナンバーまで全10曲を収録。 深く響くチェロの音色がひとつの物語を紡ぎ出す。 これまでにないジャンルの枠を超えた魅力あふれる1枚。 ⇒Amazon
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