おしゃれなクララとおばあちゃんのぼうし(エイミー・デ・ラ・ヘイ)
ぜひとも訪れたい憧れの博物館 おしゃれなクララとおばあちゃんのぼうし
エイミー・デ・ラ・ヘイ(文) エミリー・サットン(絵) たかおゆうこ(訳) 夏休みに入ってすぐ、姪っ子と神戸ファッション美術館へ行きました。目的は「かがくいひろしの世界展」神戸巡回展。関連する企画の一つにちょこっと協力したご縁もあって、姪っ子にも楽しんでもらおうと思ったからです。
姪っ子の鑑賞ペースに付き合ったところ、他の展覧会よりゆとりのある配置だったこともあり、順路に関係なくあちこち見て回ってクタクタになりました。(上記展覧会は、次回八王子市夢美術館で開催です) で、今回ご紹介する絵本は、ロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート(V&A)博物館の出版部門が手掛けた作品です。 V&A博物館は、服飾・工芸・デザインなどの分野も含め、優れた美術品を数多く所蔵する博物館です。私にとって、いつかイギリスに行く機会が持てたなら、ぜひとも訪れたい憧れの博物館。 帽子作家だった祖母(といってもご先祖の世代)が遺した帽子を、やんちゃな兄が調子にのって壊してしまいます。その帽子が大好きで大切にしていた妹のクララは、とっても傷ついて、見かねた母親が彼女を喜ばせようと件の博物館へ連れてゆく、というお話です。 博物館へやってきたクララ。ドレスや帽子の展示室で鑑賞していると、台車で運ばれようとしているユニークな帽子が目に留まりました。つい追いかけてバックヤードへうっかり足を踏み入れてしまいます。 この作品によりますと、様々な帽子が相当数所蔵されているようです。保管場所の場面では、三方の壁全部を使った棚に、帽子が所狭しと置かれています。ヨーロッパの帽子って、うそでしょ?っていうのが乗っかってたりもするから面白いですよね。 そしてこの博物館は、中にあるカフェが素敵なことでも有名で。これも個人的な憧れポイント。ああ、いつかここのカフェで優雅なティータイムを過ごしてみたい…。親子三人カフェで寛ぐ様子を描いた見開きでは、そんな妄想が脳内を占拠して、ページをめくる手が止まってしまいます。 前後しますがカフェの場面の前、バックヤードへ侵入してしまったクララは、職員さんの対応で母・兄と無事合流するわけですが、保護者の立場で読むとまあ、ヒヤヒヤの場面なわけですよ。うちの姪っ子にしても似たようなもんで…。いつこうなってもおかしくないなあ(汗) 大きな展覧会ではたいていの場合、謝辞のパネルが用意されているんですが、今回姪っ子と訪れた展覧会の謝辞パネルには、冒頭の経緯から、末尾に私の名もあって。得意気に姪っ子にみせたら「なんで??!」って。予想通りの反応がたまらん(笑)謎めいた叔母でありたい(?)私としては、クタクタと引き換えにシメシメを得た、今夏の愉快な思い出の一つです。 おしゃれなクララとおばあちゃんのぼうし
エイミー・デ・ラ・ヘイ(文) エミリー・サットン(絵) たかおゆうこ(訳) 徳間書店 恒松 明美
ギャラリーリール(GALLERY RiRE)店主 小説なら1日。映画なら2時間。絵本なら、長くても15分くらいでしょうか。 それでも小説や映画に負けないくらい、心が満たされる絵本があります。 毎日、時間がたりない…。そんな、忙しく働く女性にこそ、 絵本はよきパートナーとなってくれると思います。 毎日窮屈だな。ちょっと背伸びしてばかりだったかな。 「心の凝り」が気になる時におすすめの、絵本をご紹介します。 ギャラリーリール(GALLERY RiRE) |
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