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Ganesha's Sweet Tooth by Sanjay Petal & Emily Haynes

眺めているだけでも幸せな気分になる美しい絵本たち

Ganesha's Sweet Tooth
by Sanjay Petal & Emily Haynes
Ganesha はヒンドゥー教の神さまで、象の頭でお腹のぽっちゃりした姿を知っている人も多いのではないでしょうか。

この絵本の可愛らしいイラストは、Pixar のアニメーターであり、インド人の両親を持つ Sanjay Petal によるもの。

“He has a sweet tooth.” で、甘いものが好きという意味になると初めて知りました。

Ganesha がなぜ象の頭をしているのかは諸説ありますが、次のようなお話が有名です。

-- Shiva と Parvati は仲の良い夫婦でした。夫の留守中、Parvati は、自分の身体の汚れを集めて子どもを作り、Ganesha と名付けて可愛がりました。

ある日、Parvati は、お風呂に入っている間、決して誰も中に入れないように Ganesha に見張りを言いつけるのですが、そこに Shiva が帰って来て、彼を通さない Ganesha に腹を立て首をはねてしまいました。

Parvati は嘆き悲しみ、Shiva は、最初に通りかかった象の頭をつけて Ganesha を蘇らせました。--

Ganesha は、幸運をもたらし、あらゆる障害を取り除いてくれる神さまです。また、門番であり、他の神様たちに会うには、まず Ganesha に通してもらう必要があります。甘いものをお供えすると良いのだそうです。

ヒンドゥー教の神様は、それぞれ乗り物の動物が決まっていますが、Ganesha の乗り物はネズミです。

この絵本では、Ganesha が親友の Mr. Mouse の言うことを聞かずに、お供え物の大きくて堅い Ladoo(インドのお菓子) を食べたため、片方の牙が折れてしまいます。

Ganeshaは、自分がとてもみっともなく見えると思って、悲しくなります。Mr. Mouseが、一生懸命慰めますが、気持ちはおさまりません。やけになって、折れた牙を月に向かって投げつけました。

牙は、通りかかった老人、Vyasa の頭に当たります。Vyasa は、自分の詩を筆記してもらおうと Ganesha を探していたところでした。

Vyasa の作とされる "Mahabharata" は、世界三大叙事詩の1つでもあり、とても長いお話です。

Vyasa が止まらずに話し続けること、Ganeshaは すべての意味を理解して文字にすることを条件にお話の口述筆記が始まります。

今まで誰も書くことが出来なかった長い詩を、Ganesha は折れた牙を使って書き上げていきました。

100,000章でお話は終わり、Ganesha はペン代わりの牙を置きました。

お菓子のことも忘れて夢中で書き続けた Ganesha ですが、書き終わってもお菓子がまだ自分にも友達にも残っているのを見つけて幸せでした。

とっても可愛いお話で、Ganesha のことが大好きになり、他の神話のことも知りたくなりました。

Sanjay Petal は、ヒンドゥーの神様の事典のような ”The Little Book of Hindu deities” や、インドのもう一つの叙事詩である “Ramayana” の絵本も描いています。
ヒンドゥー神話に興味があったものの、独特の色彩の絵が苦手で、遠い世界のお話のように感じていました。

Sanjay Petal の絵本は、ヒンドゥー神話を親しみやすいものにしてくれました。また、その時間の流れ方や、世界観のスケールが驚くほど大きく、神秘的で奥深いものであると分かりました。

眺めているだけでも幸せな気分になる美しい絵本たちで、今は "Ramayana" を少しずつ読み進めています。

少し視点を変えたいとき、気分を一新したいときなどにお勧めです。
Ganesha's Sweet Tooth
by Sanjay Petal & Emily Haynes
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谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
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