関西で働く女性のライフスタイルマガジン［関西ウーマン］

むかしむかし、ネイティブ・アメリカンの人びとは、月ごとの満月に名前をつけました。この絵本では、その月の名前を、美しいイラストと詩で紹介しています。

みなさんの月の名前はなんでしょう？

1月は、Stormy moon、2月は、Snow moon、3月は、Sap moon。

わたしは3月生まれです。"sap" は、"樹液" なんですね。元気や活力の意味もあります。

春は好きな季節です。何か新しいことが始まるワクワクした気持ちになります。

イラストは、木炭、鉛筆、パステルで描かれ、深いブルー、ブラウン、月の光の白があたたかく神秘的です。

お話のはじめ、女のひとが赤ちゃんを抱いて満月を見上げています。月が移るにつれ、シーンは右に移動していきます。母子の家の右手に木があらわれ、別の木があらわれ、山の斜面があらわれ、一年でぐるっと一周します。

家のまわりには、いろいろな動物たちが住んでいます。しか、うさぎ、鳥、ふくろう、たぬき、りす…　月は、やさしく彼らを照らします。

月を見あげると、自分が宇宙の中の地球にいることが思い出されて、不思議な気分になりませんか？

満ち欠けがあるのも、月の引力で干潮満潮があるのも、満月の大きさが違ってみえるのも神秘的。

満月に名前をつけるのも素敵ですね。

12月の満月の名前が、Long Night Moonです。長い夜に、朝を待ち続けます。

絵本の終わりには、母子がまた登場します。赤ちゃんは大きくなっているみたい。2人の前には、オリオン座が美しく輝いています。

イラストを描いた Mark Siegel は、この本のため、満月の光だけを頼りに、何度も歩きまわりました。そこで出会った風景が絵本に映しだされています。

田舎では、月明かりがとても明るく感じられると聞いたことがあります。この絵本では、雪や、満月の光に照らされたところが、ほんとうに輝いてみえます。わたしも、いつか満月の光の下を散歩して、そんな景色を眺めてみたいなあ。