The Three Billy Gaats Gruff by Mac Barnett
現代風『三びきのやぎのがらがらどん』 The Three Billy Gaats Gruff
by Mac Barnett, Illustrated by Jon Klassen ノルウェーの昔話、『三びきのやぎのがらがらどん』を現代風に再話した絵本です。
『三びきのやぎのがらがらどん』といえば、水色の背景に三びきのやぎが橋を渡る表紙の、マーシャ・ブラウンの絵本が定番です。 マーシャ・ブラウンの絵本は大好きですが、この絵本も、インパクトで負けない楽しさです。 もともと口承のお話なので、語られるたびに、ちょっとずつ変わっていくのは自然なこと。聞き手が面白がるように、喜ぶように、どんどん大袈裟になっていくのかもしれません。 三びき目のやぎが巨大なのも、トロールがとても頭が悪いのも、笑いを誘います。文章がリズミカルで、韻がふまれていて、声に出して読みたくなります。 この絵本では、やぎよりトロールがメインでお話が語られます。見開きには、トロールが食べたと思われる生き物たちのドクロや骨がいっぱい描かれています。不気味な雰囲気ですが、缶詰も浮いているみたい。 “I am a troll. I live to eat.
I love the sound of hooves and feet And paws and claws on cobblestones, For that’s the sound of meat and bones!” 最近は、誰も橋を渡るものがなく、トロールはお腹がペコペコ。そこに一匹めの小さなやぎが Clip, crop! Clip, clop! と通りかかります。大喜びで、思いつくやぎ料理を列挙するトロール。
“I love goat! Let me count the ways.
Goat smoked, goat poached, a goat pot roast. Goat smorgasbord! Goat smeared on toast! A goat kale salad - hold the kale…” イラストは、『どこいったん』などで日本でも人気の Jon Klassen です。水彩とペンを組み合わせた独特のタッチで、どこかユーモラスなトロールと、やぎたちが描かれています。終盤で出てくる滝の絵は美しい。
Mac Barnett は、この本を最初に、昔話の再話絵本を手がけます。次の絵本も楽しみです。 The Three Billy Gaats Gruff
by Mac Barnett, Illustrated by Jon Klassen Publisher: Scholastic Inc. 谷津 いくこ
絵本専門士 絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。 StoryPlace HP:http://www.storyplace.jp Facebook:https://www.facebook.com/storyplacejp/ |