わたしのおふね マギーB(アイリーン・ハース)
「愛してやまないこと」はきっと幸せを運んでくれる わたしのおふね マギーB
アイリーン・ハース(作)/ うちだ りさこ(訳) 昨年の今頃だったか、「note」というSNSを始めましたとお伝えしておきながら、実は色々な経緯があって更新がストップしておりました。が、この度、趣旨を変えて再開することとなり。自分だけで書くんじゃなくて、複数の方と一緒に連載形式で記事をアップしていくこととなりました。
全体のテーマは「愛してやまないことや、無性に好きなことについて語る」です。もしご興味を持って頂けたなら、そちらもご覧頂けたら嬉しいです。→『ギャラリーリールのノート』 ということで、今回ご紹介する作品は「愛してやまないもの」が沢山ある、幸せな女の子のお話です。 タイトルにある船の名前「マギーB」は、彼女の名前に由来するようです。 ある晩、彼女は眠りにつく前、「自分の名前をつけた船が欲しい、誰か仲良しを乗せて一日中思いっきり海を走りたい」と星に願いました。 朝目覚めると船の中です。仲良しの弟や動物たちも一緒。屋上デッキには畑もあるし、船室には何もかもお気に入りが揃ってる。海は静かで風は暖かく、船出するにはもってこいのお天気です。 出航してからの彼女はというと、魚をとって料理して、絵を描いて、おやつを食べて、かわいい弟の世話をして、思いがけず嵐となった夜には、バイオリンを弾きながら、大好きな子守歌を歌って…。 とにかく、自分の好きなこと、大切な弟にしてあげたいことをして過ごすのです。天気がいい時は存分に楽しんで、わるい時には、それらを心の支えとしながら。 古い作品なので、フルカラーの見開きとモノクロの見開きが交互に続く仕様なのですが、どのページの絵も丁寧に描かれています。 何もかもが彼女にとって「大切にしたいもの」であることを表すのに、その丁寧な描き方は本当にぴったりで。よく見たら、いくつかの白波が魚の形になっていたりと、ちょこっと遊び心もあって楽しいです。 そして、恐ろしい勢いの嵐にほとんど影響を受けないでいる船の様子を、「元気なマギーB」と表現してるところがいいなあって思います。好きなことや大切にしたいものがいっぱい詰まった心を持っていれば、どんな時も大丈夫だよって、励まされてる気がするから。 私も彼女のように「愛してやまないもの」を盛り盛りに乗っけた、小さくとも元気な船で、ネットの大海原へ漕ぎ出したところなわけですが。そうはいっても進んでゆく先は、ずっと穏やかな海であってほしい(笑) ともあれ「愛してやまないこと」は、心にあればあるだけ、きっと幸せを運んでくれるはず。 春です。フレッシュな季節が訪れました。皆さんも「愛してやまないこと」を増やすべく、新しく何か始めてみませんか? わたしのおふね マギーB
アイリーン・ハース(作)/ うちだ りさこ(訳) 福音館書店 恒松 明美
ギャラリーリール(GALLERY RiRE)店主 小説なら1日。映画なら2時間。絵本なら、長くても15分くらいでしょうか。 それでも小説や映画に負けないくらい、心が満たされる絵本があります。 毎日、時間がたりない…。そんな、忙しく働く女性にこそ、 絵本はよきパートナーとなってくれると思います。 毎日窮屈だな。ちょっと背伸びしてばかりだったかな。 「心の凝り」が気になる時におすすめの、絵本をご紹介します。 ギャラリーリール(GALLERY RiRE) |