ぼくたちはみんな旅をする(ローラ・ノウルズ)
旅は生きてゆく上で欠かせないもの ぼくたちはみんな旅をする
ローラ・ノウルズ(文) クリス・マッデン(絵) 皆さん、この夏はどこか旅に行かれましたか?
私は、基本的には普通に仕事でしたので、かわりに8月初旬、お世話になっている方々と1泊2日で信州に行きました。テーマのある旅だったこともあり、とても楽しい2日間を過ごすことができました。 あ、お店では11月に、旅をテーマにした企画展をしたくって、ただいま参加者募集中です!(SNS等、ご覧頂けたら嬉しいです) そんなんで、今回ご紹介するのは、旅についての作品です。 ちょっとレトロタッチのイラストにも見えますが、今年7月に出版されたばかりです。 様々な生き物が見開きごとに描かれていて、彼らが生涯、どのような目的で、どのような旅をするのか、短い文章で語られます。 ザトウクジラみたいな、壮大なスケールの旅をするものばかりが紹介されているわけではなく、ごく小さな範囲のことを「旅」としている生き物も登場します。 アースカラーを基調としたイラストは、平面的な形に整えられていて、そこへ、色面をザラッとした質感に加工することで、ワイルドな印象をプラスしています。洒落てるなあ、素敵。 読んでみると、それぞれの旅はそのまま、生き物の多様性につながっていることがわかります。野生生物と一括りに呼ぶことに違和感を覚えるくらい、生き方がみんな違う。 例えば、ガラパゴスリクイグアナという生き物は、産卵するとき、火山の火口目指して登山する(!)そうですよ。 何ゆえ、実家へ帰る的な行動でなく、そのような危険な場所へ?? それには、彼らなりの理由がちゃんとあるようです。 ここに登場する野生生物は、旅が生命の営みに直結している。 では、人間にとっての旅とは? 生きる喜びを自分なりに見出したり、互いに時間を共有したりすることにつながっているように見えます。それって、命には直接関係がないのでしょうか。 人としての命のあり方を思えば、そうではないはず。生きる喜びを全く見出せず、互いに共有する時間がなかったなら、きっと苦しくて、人は生きてゆけない。 人にとっての旅もまた、生きてゆく上で欠かせないもの。 ということで皆さん。 心置きなく、時間を作って旅をしてみましょう。 色々な場所を、本や映画の中を、憧れの赴くままに。 旅をテーマにしながら、多様な命のあり方を教えてくれる作品です。 ぼくたちはみんな旅をする
ローラ・ノウルズ(文) クリス・マッデン(絵) 石川直樹(訳) 講談社 恒松 明美
ギャラリーリール(GALLERY RiRE)店主 小説なら1日。映画なら2時間。絵本なら、長くても15分くらいでしょうか。 それでも小説や映画に負けないくらい、心が満たされる絵本があります。 毎日、時間がたりない…。そんな、忙しく働く女性にこそ、 絵本はよきパートナーとなってくれると思います。 毎日窮屈だな。ちょっと背伸びしてばかりだったかな。 「心の凝り」が気になる時におすすめの、絵本をご紹介します。 ギャラリーリール(GALLERY RiRE) |