The Mahabharatha : A Child's View by Samhita Arni
12歳の少女が描く、偉大なバーラタ族の物語 The Mahabharatha : A Child's View
by Samhita Arni 『マハーバーラタ』は、インド二大叙事詩の1つで、聖書の3倍もの長さがあります。
ヨガの教典の一つとも言われる『バガヴァッド・ギーター』は、『マハーバーラタ』の一節です。 The Mahabraratha : A Child’s View は、なんと当時12歳だったSamhita が書いたもので、彼女によるユニークで詳細なイラストがちりばめられています。 4歳の頃から Mahabharatha を読み始めたという彼女版のストーリーで、280ページあまりであり、英語もシンプル。 難解な本であると思っていた Mahabharatha が、面白いファンタジー小説のように一挙に読めてしまいました。 “maha” は「偉大な」という意味で、Mahabaratha は、偉大なバーラタ族の物語。 Pandavas、Kauravas の従兄弟同士の戦争のお話です。 作者は未詳ですが、王族の一員である Vyasa の作で、約3千年前に完成したと考えられています。 Vyasaは文字が書けなかったので、彼が語った内容を Ganesha が書きとったという神話にもなっています。 葛藤、裏切り、復讐、正義、残虐、愛するものを失う悲しみ、などのすべての物語の原型がここに存在するようです。 「ゲーム・オブ・スローンズ」のようでもあり、「進撃の巨人」のようでもあり、シェイクスピアのようでもあり、日本の戦国時代の歴史物語のようでもあります。 神々も多く登場しますが、人間が主人公です。戦争のシーンでは、物理的な武器の他に、神々から託された astra を使って戦います。 稲妻の神、火の神、風の神などのパワーによる武器で、一度しか使えないもの、相手を選ぶもの、astra 同士で相手の力を相殺してしまうものなどがあります。 これはバトル・ゲームの原型ではないでしょうか。。。 読み進むうちに色々な発見があって本当に面白いです。 登場人物が多くて混乱してしまいますが、最初にイラストによる家系図が、最後の方のページには、The Pandava Alliance、The Kaurava Alliance のメンバー一覧があるのも嬉しい。 入門編として読み始めましたが、Samhita の独自の視点で描かれていて、彼女の知性と才能に感激しました。 この本を足がかりとして、今まで見れていなかった The Mahabarata のDVDや、Bhagavad Gita の本を読みたいと思います。 インドは本当に奥深い文化を持つ国です。 最近ヨガを習い始めたのですが、ヨギーニの方にもオススメしたい一冊です。 The Mahabharatha : A Child's View
by Samhita Arni
谷津 いくこ
絵本専門士 絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。 StoryPlace HP:http://www.storyplace.jp Facebook:https://www.facebook.com/storyplacejp/ |