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A Possum's Tail by Ganny Dawnay & Alex Barrow

愛らしいポッサム!和みたいときにおすすめ

A Possum's Tail
by Ganny Dawnay & Alex Barrow
ポッサムを知っていますか?

オーストラリアなどに生息する可愛らしい生き物です。

お腹に袋のある有袋類ですが、南北アメリカ大陸にも広く生息しています。

アメリカのポッサムは種類が違い、顔だけ白くて、鼻が犬のように前に出ています。

アメリカで暮らす友人から、そんな話を聞きました。

威嚇して鳴く顔が驚くほどブサイクだけれど、憎めないとのこと。

そうしたら本屋さんでこの絵本を見つけ、運命のようなものを感じました。

しっぽで犬のおもちゃに連なるポッサム。

ポッサムはしっぽで木の枝にもぶら下がります。

なんと可愛らしい。

Samuel Drew はどこに出かけるのにも車輪付きの犬のおもちゃを連れて歩きます。

今日もロンドンの街中をお散歩です。

舞台は1940年代のロンドンで、都会だけれど、少しのどかな雰囲気。

ロンドンらしく、色々な人種の人々が行き交っています。

パブの前を通りすぎ、道を渡って、風船売りのおじさん、路上で演奏するバンド、新聞売りなどが並ぶ賑やかな通りを抜けます。

観光客で賑わうバッキンガム宮殿の前を通り、バスに乗って London Zoo に急ぎます。

動物園についても、Sam は足を止めません。

他の動物をスルーして、まっしぐらに向かったのは、the fuluffy POSSUM fa-mi-ly のところ。

5匹の Possum はしっぽで木につかまったまま、ぐっすり眠っている様子。

がっかりした Sam があきらめて立ち去ろうとすると、5匹は薄目を開けます。

寝たふりをしていたのかな。

犬のおもちゃに駆け寄って連なる Possum たち。
Hey Sam, you’d better look behind – you’ll be surprised at what you find!
behind と find でライム(韻)になっています。

絵本の文章は、リズムの良いライムになっていて、声を出して読むのも楽しいですよ。

来た道を引き返す Sam ですが、動物たちも、街の人々もびっくり。

気づいていないのは Sam だけです。

行きと帰りでイラストに色々仕掛けがあって、よく見ると毎回発見があります。

ようやく家にたどり着き、振り返って驚く Sam。

大好きな Possum たちとお茶を楽しもうと、お庭でサンドイッチやケーキを広げていると…

またもやハプニングが発生するのですが、のんびりした様子が微笑ましい。

最後のオチも意外で、私はすっかり騙されてしまいました。

ポッサムの様子は、Youtube で見ることができます。

日本では馴染みのない動物ですが、私はすっかりファンになりました。

和みたいときにおすすめです。
A Possum's Tail
by Ganny Dawnay & Alex Barrow
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谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
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