ながれ星のリリリ(堤 江実)
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![]() ロマンチックなだけでなく、ドラマチックでもある ながれ星のリリリ
堤 江実(作) ここのところ色々続きすぎて、わけがわかりませんが、あらゆる自然災害で被災された方々にお見舞い申し上げます。
「紙カフェ」さんというお店からお誘い頂きまして、急遽チャリティー販売に参加することになりました。8月4日、JR堺市駅前周辺です。(詳しくは当店HPにて)当日の売上は全額、今回の災害義援金として寄付します。よろしければ、ご来場・ご協力を頂ければ嬉しいです。 さて今回は、星の女の子が流れ星になるまでを描いた、素敵なお話をご紹介したいと思います。 星のカケラの女の子、リリリ。星どうしがぶつかって一緒に生まれた三姉妹の真ん中で、姉のラララと、妹のルルルがいます。 最初は三人で、真っ暗な宇宙をあてなくさまよっていましたが、やがて姉や妹は、進むべき道を見つけ、それぞれに歩んでゆきます。 ひとりぼっちになったリリリ。少し心細くなったのでしょうか、姉や妹を懐かしんだ時、ふと遠くに、青く輝く美しい星を見つけました。 なんて素敵な星でしょう。あの星に、もっと近づきたい…。 星のカケラが地球に引き寄せられ、流れ星になって降り注ぐ現象。引力と大気が影響してのことですが、そもそもどうして地球に近づいてきたのだろう? その点についてこの物語は、とてもロマンチックな空想に基づいています。 それは、地球が命の輝きと愛に満ち溢れていると気づいた星のカケラが、心をときめかせて、強い関心を持って近づいてきたからではないか、というものです。 改めて「ロマンチック」という言葉の意味を調べてみたら「甘美で、情緒的で空想的、情熱的なさま」とありました。寺門孝之さんのイラストは、まさにその表現がぴったりです。 緩やかな境界しか持たない輪郭は、とろけるように柔らかくて、全体的に甘美な印象を湛えています。 実際には真っ暗であるはずの宇宙空間は、ここではおもに、美しい濃淡を伴った深い紺色で描かれているのですが、ある場面では、そこに漂う感情を伝えるような純白、明るい黄色で描かれた星々を引き立たせるような美しい水色などでも表現されています。 ロマンチックなだけでなく、ドラマチックでもあるのです。 地球という、数多の命を宿した惑星に魅せられて、流れ星となったリリリ。儚くも美しい一瞬の輝きは、私たちの人生を表しているようにも思えます。 惑星の営みからすれば、人の一生はほんの一瞬。でもその輝きは、別な誰かの希望となることもあるだろうし、互いの幸せを願う気持ちをかき立てもする。 流れ星ではありませんが、ちょうど今、地球に火星が大接近しているそうで、今回最も近づいたのはつい数日前のことだとか。ここまで近いのは15年ぶりだそうです。 一際大きく輝いている様子は秋口まで楽しめるとのことで、街中でも肉眼で見られるのが嬉しいですね。 いろんなことがあるけれど、そうだとしても、人生を楽しもう。 星のカケラがきっとまたどこかで、心をときめかせるだろうと思います。 ながれ星のリリリ
堤 江実(作) 寺門 孝之(絵) PHP研究所 ![]() 恒松 明美
ギャラリーリール(GALLERY RiRE)店主 小説なら1日。映画なら2時間。絵本なら、長くても15分くらいでしょうか。 それでも小説や映画に負けないくらい、心が満たされる絵本があります。 毎日、時間がたりない…。そんな、忙しく働く女性にこそ、 絵本はよきパートナーとなってくれると思います。 毎日窮屈だな。ちょっと背伸びしてばかりだったかな。 「心の凝り」が気になる時におすすめの、絵本をご紹介します。 ギャラリーリール(GALLERY RiRE) |