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Michael Rosen's SAD BOOK by Michael Rosen

Michael Rosen's SAD BOOK
By Michael Rosen
Michael Rosen といえば、”We’re Going on a Bear Hunt” – きょうはみんなでクマがりだ- が有名です。

歌になっている楽しい絵本で、YouTube で本人がこの絵本を身振りを交えながら読んでいるのを見たときは、目をギョロギョロさせている様子があまりに変で著者だと思いませんでした。

陽気で変なおじさんのイメージがあったので、”SAD BOOK” の存在を知ったときも驚きました。

この絵本は、彼の2番目の息子 Eddie が18歳のときに病気で突然死してしまったことから書かれたものです。

イラストは、Roald Dahl の本の挿絵でも有名な Quentin Blake。Rosen の表情や様々なシーンがとてもしっくりと表現されていて、物語に引き込まれます。

最初のページは、Rosen が笑っている肖像画です。本当は悲しいのだけれど、暗い顔をしていると嫌われると思うから、楽しいふりをしています。

しかし、悲しみがあまりに大きすぎてどうしようもできなくなる時もあります。

とても愛していた Eddie が今はもう居ないのだと思うと怒りがこみ上げてきます。

時には誰かに話たくなるし、時には誰にも話したくなくなります。悲しみは自分自身のもので誰のものでもないから。
Sad is a place
that is deep and dark
like the space

Sad is a place
that is high and light
like the sky
above my head

When it’s deep and dark
I don’t dare go there

When it’s high and light
I want to be thin air.

This last bit means that I don’t want to be here.
I just want to disappear.
言葉のリズムとセンスが素晴らしいと思います。

何年経っても薄れることがないやりきれない悲しみが伝わってきます。

時には街で暮らす人々の何気ない日常を見て、

自分の家族の楽しかった出来事が思い起こされます。

特に誕生日。誕生日のお祝いは大好きです。

プレゼント、バースデーケーキ、そしてキャンドルに照らされて穏やかに幸せそうな人々。

最後は、1本のキャンドルを前に涙を浮かべ、肩肘をついて拳を握りしめている Rosen の姿です。
Who is sad?
Sad is anyone.
It comes along and finds you.
本当に悲しい絵本です。

悲しみは誰にでもあって、理由なく、消えることもなく存在するものなのだというお話です。

どんなに前向きなことに集中しても、楽しいことに集中しても、悲しみが消え去ることはありません。しかし、幸せな思い出も同時に存在します。

4歳から11歳くらいの子どもに向けてかかれた絵本ですが、子どもたちはこの絵本を読んでどんな印象を持つのでしょうか。

子どもといっても、色々な環境で育っているわけだし、身近な人を亡くした子どもだっているでしょう。そんな子どもたちには救いになるのではないかと思います。

私にとっても非常に印象深く、読み返したくなる絵本の1つです。

世界のありのままの姿を受け入れられるようになるため、子どもの頃に怖い話や悲しい話にも接する必要があると聞きます。

もちろん大人にも一度読んでみて欲しい絵本です。
profile
八津谷 郁子
洋書絵本キュレーター

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
StoryPlace
HP:http://www.storyplace.jp
Facebook:https://www.facebook.com/storyplacejp/



@kansaiwoman

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