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Higglety Pigglety Pop! or There Must Be More to Life

Higglety Pigglety Pop! or There Must Be More to Life
By  Maurice Sendak
『かいじゅうたちのいるところ』で有名なセンダックに興味を持ったきっかけがこの絵本でした。69ページと長めのこの本は、白黒で繊細な美しいイラストがページごとに挿入されています。Chapterに分かれた演劇のような作品。

シーリハム・テリヤのJennieは、飼い主にも愛され、何不自由ない暮らしをしていますが、ある日 “There must be more to life” と言って家を出ます。

Jennieはセンダックの飼い犬がモデルです。4本足で歩き、洋服は着ていませんが、言葉を話し、鞄に荷物を詰めて、持ち歩きます。

Jennieは異常な食欲の持ち主。引き止めようとした鉢植えの植物をむしゃむしゃ食べてしまいます。これが残酷なようでいて爽快。

最初に出会ったのは、サンドイッチマンのブタ。The World Mother Goose Theatre の主演女優募集の看板を持っていて、なぜか無料のサンドイッチを配っています。シャレなのでしょうか。Jannie はサンドイッチもむしゃむしゃ。

看板には、”Looking for Something Different?” の文字が。それこそ Jennie の探していたものです!しかし応募するには “Experience” が必要。現実世界でも魅力的な仕事なら必ず「経験」を求められますよね。

忙しくサンドイッチを次々平らげながら、ブタの話を聞く Jennie。満月の夜までに”Experience”を手に入れられたら、こちらから連絡すると言い残して、ブタは消えてしまいます。

次に現れたのは牛乳配達のネコ。洋服を着て配達車を運転するネコです。ネコに大きな白い家の新しい子守と間違えられますが、それが “Experience” になると聞いて、流れに任せて子守の仕事を引き受ける Jennie。

赤ちゃんに食べさせることができなければ、地下室で飼われているライオンに食べられてしまう、しかもチャンスは1回きりで、今までに6人が犠牲になっているという過酷な条件。

自信満々なJennieですが、あっけなく失敗します。

ライオンを呼び出そうとする赤ちゃんを慌てて鞄に押し込んで、赤ちゃんのお母さんに電話をしますが、せっかちなお母さんは「ライオンに頼んで赤ちゃんをこっちに送ってちょうだい」と言って電話を切ってしまいます。

赤ちゃんの名前を言えば、ライオンは赤ちゃんを食べないのですが、誰も名前を知りません。

あちこちで辻褄が合っていないストーリーは、夢の中のようで、その不思議さに引き込まれます。独特の雰囲気を持った世界、展開が想像できないから魅惑されます。
 
これは、マザーグースを織り込んだお話です。

Higglety, pigglety, pop!
the dog has eaten the mop;
the pig's in a hurry,
the cat's in a flurry,
higglety, pigglety, pop!

最終的には、JennieはめでたくThe World Mother Goose Theatreで人気の主演女優となって、Higgglety Pigglety Pop! を演じます。飼い主のところには戻りません。

この絵本は、2010年にショートフィルムになっていて、メリル・ストリープが Jennie の声を演じています。最初に食べられてしまう鉢植えの植物の声でスパイク・ジョーンズも登場していて、彼の作品 映画 "Where the Wild Things Are" のブルーレイ版に一緒に収められています。

映像は綺麗ではありませんが、Youtubeでも観ることができます。絵本とは違った魅力のある手の込んだ素晴らしい作品です。
 

八津谷 郁子
洋書屋オーナー

一般のペーパーバックを途中で挫折してしまった方には、児童書がオススメです。楽しく読める上に、英語力アップにも効果的。大人でも楽しめる児童書を紹介します。
⇒PROページ
洋書屋
http://www.yoshoya.jp/
記事でご紹介した本にご興味ある方は、
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