Greek Myths(ギリシャ神話)
D'Aulaires Book of Greek Myths
Greek Myths – ギリシャ神話は、古代ギリシャから語り継がれる物語で、たくさんの神々の人間のような愛憎劇が繰り広げられます。
絵画、文学、音楽の主題となったり、星や星座の名前、地名、ブランドや社名にも用いられたりして西洋文化に深く根付くギリシャ神話。 アメリカでは自分たちのルーツを知るため、学校の授業にも取り入れていて、重要な教養の一つとなっています。 日本でも星占いや星座のお話に関連して、いくつかのギリシャ神話は皆さん聞いたことがあると思いますが、私は神様の名前までは覚えていないですし、どの神様がどんな性格で、何を象徴しているかまでは分かっていませんでした。 興味はあったので、本は何冊か読んだことがあるのですが、体系だったものではなかったのと、日本の生活にはあまり関連がないから記憶に残らなかったのだと思います。 この美しいイラストのギリシャ神話の絵本は、IngriとEdgarの夫婦による共作で、1962年に出版されたロングセラー。授業でも使われています。 世界の始まりから順を追って書かれていて、神様の家系図まであってワクワクします。 太陽系の惑星のうち、地球 Earthだけが神様の名前でないからthe が付くのだ、とどこかで読んで、Earthは神様ではないのだと勘違いしていました。 Earthは、Gaea(Gaia)、Mother Earthでありすべての始まり。誰も知らないほど昔に暗闇から現れ、始めは彼女の上に生き物もいなかったので、孤独でした。 Uranus、the Sky、lord of universeと恋に落ち、最初の神々、Titansが生まれます。 6人のTitansは山よりも大きく、強く、美しい神々。そして6人の妹が生まれ、それぞれが妻に娶ります。EarthとSky は子ども達をとても誇りに思いました。 しかし、次に生まれたのは、目が1つしかない3人の神々、Lightning、Thunder、Thunderbolt。 次の3人には頭が50、腕が100ありました。 Uranusは彼らを見るのが嫌で、地球の奥深く、暗闇の世界 Tartarusに閉じ込めてしまいます。 怒ったEarthはTitansに父親を懲らしめるように言いつけ… とロマンチックなばかりではないストーリーが繰り広げられていきます。 自分の子どもを食べてしまったり、浮気したり、復讐したり。 読んでいくと、どこかで聞いたことのある名前がたくさん出てきて、なるほどと納得したりで、とっても面白いです。 190ページほどあるこの本は、いろいろな神話を網羅しています。 見開きページには必ずイラストがあって、それぞれのエピソードは3ページほどなので、読み進め易いし、神様の名前から調べる辞書的な使い方もできそうです。 ギリシャ神話をもう一度、こんな美しい絵本で読み直してみるのも、西洋文化に対して理解が深まり、新たな発見もあって楽しいのではないでしょうか。 今中之島の大阪市立科学館のプラネタリウムで「ギリシャ神話の星たち」を投影していて、星座にまつわるお話も聞けてオススメです。 星空にもより興味が湧き、世界が広がったように感じています。 来年からのブッククラブでもこの本を取り上げたいと計画中で、とっても楽しみです。
谷津 いくこ
絵本専門士 絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。 StoryPlace HP:http://www.storyplace.jp Facebook:https://www.facebook.com/storyplacejp/ |