HOME  Review一覧 前のページへ戻る

The Giver by Lois Lowry

『The Giver』『A Summer to Die』
by Lois Lowry
やさしい文章をたくさん読む事が、英語上達の近道ということで、楽しみながら辞書なしで読める児童書を紹介していきます。

Lois Lowryは、アメリカ人の女性作家。

The Giverの表紙のイラストの印象が強くて、このおじいさんのような方を想像していましたが、これは小説の登場人物なのでもちろん違いました。

「Number the Stars」と「The Giver」でニューベリー賞を2度受賞しています。

児童書なので英語は平易ですが、大人が読んでも作品として楽しめる内容です。

「The Giver」は、2014年8月に映画化されました。歌姫のTaylor Swiftや大女優のMeryl Streepも出演。

1993年に出版されてから、29カ国語に翻訳され、1000万部以上が売れたベストセラーのサイエンスフィクション。

主人公のJonasは総てが長老会によって完璧にコントロールされたコミュニティーで暮らしています。

一緒に暮らす家族も、長老会によって組み合わせられた夫婦に、男の子と女の子の2人が割り当てられたもの。

子どもたちは、すべて特定のthe Birthmothersによって出産されます。年齢ごとに、服装も、教育カリキュラムも、髪型までが定められている。

この管理社内の中で、住民は平穏に暮らしています。たくさんのルールは、皆が楽しく暮らすためのものであり、争いや、飢えなどとは無縁の世界。

12歳は特別な年齢。各自に生涯を通して行う仕事が割り振られ、トレーニングが始まります。

Jonasは皆の記憶を受け継ぐ The Receiver の役割を与えられます。The Giverから、他の住民たちが知らない歴史を含め、すべての記憶を引き継ぎます。

Jonasは、長老会を信頼し、何の疑問も持っていなかったのだけど、The Receiverになった事によって、その秘密や歪みに気付いていきます。

社会に適応できなかった者や、年老いた者がreleaseされるその実際の行き先や、他の世界がある事を知ったJonasが取る行動は…

物語の前半には書かれていなかった、この世界に本当に欠けているものが、だんだん明らかになってきて、意外な展開でとても面白い。

辞書は何度か引かなければいけないかもしれないけど、次が知りたくて読み進められそう。

一般のペーパーバックに比べると、半分以下の薄さですが、小説を読んだという満足感が得られます。

著者は30冊以上の児童書を書いているので、他の作品も是非お試しください。
profile
谷津 いくこ
絵本専門士

絵本を原書で読んでみませんか?アートな絵本、心が豊かになる絵本、英語圏の文化に触れられる絵本などを紹介します。
StoryPlace
HP:http://www.storyplace.jp
Facebook:https://www.facebook.com/storyplacejp/



@kansaiwoman


■ご利用ガイド




HOME