季節を楽しむ花レシピ
ライフスタイル 2016-07-27
![]()
皆の日常に、植物がそっと寄り添ってくれることを願い、その時々の私なりのお花の楽しみ方や、花屋として植物と向かい合う中で気付いた素敵な発見をお話していきます。
Relierが作る作品や空間は 植物の持つ美しさを最大限に引き出す事を、何よりも大切に考えています。 大輪の花や丸いフォルムの花、シフォンのように柔らかい花びらや、 香水のように甘い香りを放つ花。 美しさに驚きと感動をプラスして、五感で感じるお花をご提案します。
flower & bar Relier ルリエ
〒550-0001大阪市西区土佐堀1丁目6-10 土佐堀トキワビル101
定休日:土・日・祝日(土曜日はレッスンのみ)
TEL:06-6131-4623
HP:http://relier-fleurs.com/
BLOG:http://ameblo.jp/fleur-relier
FB:fleurRelier
7月、パリ郊外で草花ブーケレッスン |
あれは2012年だったから、もう4年も前のこと。
東京で花屋をしている友達とパリで合流して、
あるフランス人フローリストのレッスンを受けに行きました。
朝6時半過ぎの電車に乗り、パリ郊外へ。
レッスンの場所は、郊外にある、そのフローリストのご自宅です。
電車から降りる人も少なかったその田舎の駅で、
フローリストさんと待ち合わせ。
迎えに来てくれた車に乗り込んで、
途中、丘の上にある教会に立ち寄ったり、
お昼ご飯の材料となる、
お肉やソーセージ、チーズを買いに寄り道をして、
ご自宅へ向かいました。
お家に着くと、お茶とお菓子でもてなして下さり、
それから「この辺りは寒いから・・・。そして汚れると思うから。」
と、羽織る物と長靴を貸して下さいました。
“作業をする恰好で来たつもりだけど、どういう事だろう。”
と思っていると、
「じゃあまず、花材を集めに行こう。」と促され、
言われるがままについて行った私達の目に飛び込んできたのは、
風にそよぐ草花があたり一面に広がった、
壮大な草原の景色でした。
そして出されたまず初めの課題は、
この草原に繰り出して、
“ブーケにする花材を集めること”でした。
ブーケの花材は、何も買う花だけではない。
道端や、空き地に咲いている草花でさえも、
れっきとした花材のひとつなのです。
それは子供の頃の記憶に繋がり、
自分の手の届く所にあるものが全てだった子供の頃は、
“花を買う”なんて考えもしなくて、
幼稚園の帰り道や、近所のあぜ道で草を摘んで束ね、
小さなブーケを作って遊んでいたものでした。
小さな手に握りしめた草花や、
しゃがみこんで、顔を近付けて観察した草花の可愛さは、
その頃に知り得る、最上級に綺麗で可愛いお花達でした。
そんな懐かしくて楽しい記憶と共に、
私達は夢中で草花を摘み集めました。
雨上がりのぬかるんだ土や、
腰の高さまである草をかき分けながら、
奥へ、奥へ。
道なんて呼んでいるのは、人が通った後の、
踏み倒された草の上。
上から、横から、伸びる植物をかき分けながら、
長靴と羽織るものが必要だと言っていた理由が、
良く分かりました。
途中、夕立に遭って雷が止むまで雨宿りしたり、
放牧された牛に出会ったり、
柵を乗り越えたりしながら、
沢山歩いたので、
もはやどこを歩いているか分からなかったけれど、
みんなの後について、
抱えきれなくなるくらい沢山の草花を集めました。
お家に戻ったら、バケツに水を張って、
採ってきた草花をその中へ漬け込み、
植物達が水を吸い上げるのを待つ間に、
私達は家の中で、お昼ご飯の準備。
お料理だけでなく、
テーブルにはもちろんお花とキャンドルを飾り、
おもてなしのテーブルが出来上がっていきました。
買ってきたお肉やソーセージは、
お部屋にある暖炉の火でバーベキューに。
他にも、ラタトゥイユや炊いたお米をお皿に盛り付け、
準備が終盤に差し掛かった頃から、
まずはシードルを飲み始め、
お食事はワインと共に頂きました。
人を招くのが好きなフランス人の性格を見たような、
とても楽しい昼食のひとときでした。
お腹が満たされたら、お庭に出て、
先ほど採ってきた植物を使い、
その日一番の目的である、シャンペトルブーケのレッスン。
シャンペトルとはフランス語の“田園風景”という意味の言葉で、
田舎の景色を切り取ったような、
自然で、どこか懐かしさを感じるスタイルです。
まずは先生のデモンストレーションを見て、
ひとしきり素敵だと感動した後、
各々が集めた花材で、
各自、2つのブーケを作りました。

1つは、花嫁が持つショート丈のウェディングブーケのイメージで。
もう1つは、小花やつるをたっぷり混ぜた、ボリュームのあるブーケを。
花材を野山から頂いたという自然のありがたさと、
どんな植物も持ち合わせている、
成長していく、力いっぱいの命の美しさを、
改めて感じる事が出来ました。
それと同時に、
私達の仕事は、自然ととても深く関わっていることを、
改めて感じました。
人として原点に戻ったような、
私にとって、貴重な夏の思い出です。
東京で花屋をしている友達とパリで合流して、
あるフランス人フローリストのレッスンを受けに行きました。
朝6時半過ぎの電車に乗り、パリ郊外へ。
レッスンの場所は、郊外にある、そのフローリストのご自宅です。
電車から降りる人も少なかったその田舎の駅で、
フローリストさんと待ち合わせ。
迎えに来てくれた車に乗り込んで、
途中、丘の上にある教会に立ち寄ったり、
お昼ご飯の材料となる、
お肉やソーセージ、チーズを買いに寄り道をして、
ご自宅へ向かいました。

お家に着くと、お茶とお菓子でもてなして下さり、
それから「この辺りは寒いから・・・。そして汚れると思うから。」
と、羽織る物と長靴を貸して下さいました。
“作業をする恰好で来たつもりだけど、どういう事だろう。”
と思っていると、
「じゃあまず、花材を集めに行こう。」と促され、
言われるがままについて行った私達の目に飛び込んできたのは、
風にそよぐ草花があたり一面に広がった、
壮大な草原の景色でした。

そして出されたまず初めの課題は、
この草原に繰り出して、
“ブーケにする花材を集めること”でした。
ブーケの花材は、何も買う花だけではない。
道端や、空き地に咲いている草花でさえも、
れっきとした花材のひとつなのです。
それは子供の頃の記憶に繋がり、
自分の手の届く所にあるものが全てだった子供の頃は、
“花を買う”なんて考えもしなくて、
幼稚園の帰り道や、近所のあぜ道で草を摘んで束ね、
小さなブーケを作って遊んでいたものでした。
小さな手に握りしめた草花や、
しゃがみこんで、顔を近付けて観察した草花の可愛さは、
その頃に知り得る、最上級に綺麗で可愛いお花達でした。
そんな懐かしくて楽しい記憶と共に、
私達は夢中で草花を摘み集めました。
雨上がりのぬかるんだ土や、
腰の高さまである草をかき分けながら、
奥へ、奥へ。

道なんて呼んでいるのは、人が通った後の、
踏み倒された草の上。
上から、横から、伸びる植物をかき分けながら、
長靴と羽織るものが必要だと言っていた理由が、
良く分かりました。
途中、夕立に遭って雷が止むまで雨宿りしたり、
放牧された牛に出会ったり、
柵を乗り越えたりしながら、
沢山歩いたので、
もはやどこを歩いているか分からなかったけれど、
みんなの後について、
抱えきれなくなるくらい沢山の草花を集めました。
お家に戻ったら、バケツに水を張って、
採ってきた草花をその中へ漬け込み、
植物達が水を吸い上げるのを待つ間に、
私達は家の中で、お昼ご飯の準備。
お料理だけでなく、
テーブルにはもちろんお花とキャンドルを飾り、
おもてなしのテーブルが出来上がっていきました。

買ってきたお肉やソーセージは、
お部屋にある暖炉の火でバーベキューに。
他にも、ラタトゥイユや炊いたお米をお皿に盛り付け、
準備が終盤に差し掛かった頃から、
まずはシードルを飲み始め、
お食事はワインと共に頂きました。

人を招くのが好きなフランス人の性格を見たような、
とても楽しい昼食のひとときでした。
お腹が満たされたら、お庭に出て、
先ほど採ってきた植物を使い、
その日一番の目的である、シャンペトルブーケのレッスン。

シャンペトルとはフランス語の“田園風景”という意味の言葉で、
田舎の景色を切り取ったような、
自然で、どこか懐かしさを感じるスタイルです。
まずは先生のデモンストレーションを見て、
ひとしきり素敵だと感動した後、
各々が集めた花材で、
各自、2つのブーケを作りました。


1つは、花嫁が持つショート丈のウェディングブーケのイメージで。
もう1つは、小花やつるをたっぷり混ぜた、ボリュームのあるブーケを。
花材を野山から頂いたという自然のありがたさと、
どんな植物も持ち合わせている、
成長していく、力いっぱいの命の美しさを、
改めて感じる事が出来ました。
それと同時に、
私達の仕事は、自然ととても深く関わっていることを、
改めて感じました。
人として原点に戻ったような、
私にとって、貴重な夏の思い出です。


岡田 真結子
フラワーデザイナー/バーテンダーRelierが作る作品や空間は 植物の持つ美しさを最大限に引き出す事を、何よりも大切に考えています。 大輪の花や丸いフォルムの花、シフォンのように柔らかい花びらや、 香水のように甘い香りを放つ花。 美しさに驚きと感動をプラスして、五感で感じるお花をご提案します。
flower & bar Relier ルリエ
〒550-0001大阪市西区土佐堀1丁目6-10 土佐堀トキワビル101
定休日:土・日・祝日(土曜日はレッスンのみ)
TEL:06-6131-4623
HP:http://relier-fleurs.com/
BLOG:http://ameblo.jp/fleur-relier
FB:fleurRelier
おすすめのコラム
コラムのジャンル一覧