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草食系企業の長~く愛される営業戦略 経営サポート 2014-10-03
肉食系営業は生息地を失っていく

ある日のこと。
ホームページが完成して2ヶ月ほどになるお客様のコンサルティングをしていました。
(弊社はホームページ制作もおこなっています。現在は紹介のお客様のみお請けしております。)

コンサルティングでは、ネット媒体、チラシなど紙媒体、展示会や異業種交流会の出展・参加、顧客や取引先からの紹介など、様々な営業方法についてアドバイスします。

そのお客様は製造業で、自社で展示会に出展することもありますが、翌月に東京で開催される大きな展示会を見に行く計画をされていました。

そこには、ターゲット業種の企業が多数出展します。
訪れるブースで、出展企業の担当者と名刺交換をすると思われるので、その後どう営業するかということを話し合いました。

結論は、売り込みはしない、ということになりました。
出展企業は、買ってくれる相手との出会いを求めています。
売りたい相手は、要らない相手。

こちらから資料やサンプルを送ったり、電話したり、ましてや突撃訪問するのではなく、名刺交換の際に「よかったらホームページ見てください」と言うだけにしてサイトを見てもらい、自社を覚えてもらって、ニーズが湧き起こった時に、思い出してもらい、連絡してくださるのを待つ、ということにしました。
もちろん、名刺交換してサイトを見てもらうだけでは放っておくと忘れられてしまうので、忘れられないように邪魔にならない程度の接触を、定期的にしていく必要がありますが。

でも世間には、それとは正反対の、お客様をガツガツと追いかけ回すタイプの営業が、いまだに跋扈しています。
私はこれを「肉食系営業」と呼んでいます。

ホームページ制作でも、以前は「5年リースで売りつけて後は何もしてくれない」という商法がありました。
買うほうは分割で払うし、長期間使い続けるので思いもよらないことかもしれませんが、売るほうは販売時に一括でお金をもらうため、売った後は悲しいかな、そのお客様に意識が向きません。
ひどい場合は、お客様のことを忘れてしまうのです。

制作会社が潰れたりして、ホームページ運営が宙に浮いてしまったのにリース料だけは払わされ続ける、という被害に遭う会社が続出し、社会問題化してきたために、現在では新たにホームページをリースで売ることはできなくなっています。

ここまで深刻ではないかもしれませんが、肉食系の会社のせいで損をした経験をもつ人は、少なくないと思います。
相手が、恣意的に騙す「悪徳業者」かどうかは別として。

私もそういう経験があります。
某通信会社の代理店から営業電話があったのですが、相手が名乗った会社名に覚えがありました。
以前、重要事項の告知を怠ったので解約した会社だったのです。
もちろん、内容を聞く前に断りましたが。

私は覚えているのに、向こうは覚えてない…。
顧客管理をまったくしていないから、解約した相手にまた営業電話をするのでしょう。
悪質業者ではありませんが、管理をキチンとしていないというのは大きな問題です。

クレームやトラブルで途切れたお客様との「復縁」は非常に難しいのですが、お詫びの意味を込めた特別な取引条件や素晴らしい提案を提示できれば、可能性はあります。
しかし、そのためには顧客管理をしっかりして、クレームで失った旧客であるというところから営業に入る必要があります。
まったくの新規客と同じような営業をしても、けんもほろろに断られるだけです。

この代理店やホームページをリースで売る会社のように、次から次へと顧客を追いかけ、つかまえた途端に顧客サービスを忘れてしまう、ひどい場合には顧客そのものを忘れてしまうというのが「肉食系営業」。
その対極にあるのが「自社を知ってもらい、覚えてもらい、ニーズが湧き起こったときに思い出してもらえるよう、適度な距離感でおつきあいを続ける」という、おとなしい草食動物のような「草食系営業」です。

私の被害額なんて元の電話会社に戻す再工事費用ぐらいでしたが、このように肉食系営業に痛い目に遭わされる人が増えるにつれ、実は彼らは、生息地を徐々に失っているのです。
彼らの客(「カモ」とも言いますね)になるのは、そんな営業に騙される無知で受け身で無垢の人しかいないわけですが、そんな人はどんどん減っていき、痛い目に遭って賢くなるお客様がどんどん増えていっているからです。

今や、お客様は、インターネットという情報のサバンナを自由に駆けめぐり、欲しい商品を能動的に探して見つける肉食動物のような存在になってきています。
肉食系営業に追いかけられ、やすやすと食い物にされる草食動物のようなお客様は、減ってきています。

肉食動物は、追われるのが嫌い。
追いかけたら、逃げられます。売り込んだら、嫌われます。

時代はむしろ、営業力の弱い会社や、元バリバリ営業マンではない技術者、クリエイター、専門家出身の社長が率いる会社のほうへ、追い風が吹いていると私は考えています。

しかし、今まで通り何もしなくていい、というわけではありません。
何もしないのと、罠をしかけたり釣り糸を垂らしたりして待つのとは、まったく異なります。

うつむいてノンビリ草を食んでいるように見えて、肉食化したお客様垂涎の魅力をたっぷりともっているから、お客様の食いつきがハンパない…。
そんな状態を目指した営業ストーリー、営業戦略作りが欠かせません。

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