「化学物質過敏症」で思い出したこと |
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先日テレビを観ていたら、「化学物質過敏症」を取り上げた番組が放送されていました。
化学物質過敏症とは、非常に微量の薬物や化学物質(主に揮発性有機化合物)が肺・口・皮膚から体内に取り込まれることによって、健康被害が引き起こされることです。 その症状は目がチカチカする、息苦しくなる、頭痛がする、不眠、うつ…など多岐にわたり、意識障害など重篤な障害を引き起こすことさえあります。 番組では「化学物質過敏症」に苦しむ人たちの症状や生活などを取り上げながら、なかなか家族や友人、周りの人に理解されにくいこの疾患について詳しく紹介していました。 そういえば当院にも7、8年前に「化学物質過敏症」だという女性が咬み合わせの相談に来られたことがありました。 以前かぶせ物の治療を受けてから、咬み合わせが悪くなったような気がするということで、その女性に必要だったのは矯正歯科治療とよりもかぶせ物のやり直しだったため、結局当院で治療を行うことはなかったのですが、問診の時にその患者さんから「化学物質過敏症」のことを伺いました。 当時私はその疾患について何も知らず、そのことを正直に話したうえで、「医学的に説明できないことでも、人の体にはきっとそういうことも起こりうるでしょうね」と言うと、その患者さんは「今まで何軒もお医科や歯科の診療所にかかったけれど、私の言うことを否定せずに受け入れてくれたのは先生が初めてです」と、とても安心した表情で話してくれました。 その女性はある日突然「化学物質過敏症」を発症し、いろんな病院にかかったものの「(医学的に)そんなはずはない」「あなたは気にしすぎ」と、その苦しみを理解してもらえなかったそうです。 さらには歯科医師をしているお兄さんにも、倦怠感について「お前は怠けているだけだ」と一蹴されたと辛そうに打ち明けてくれました。 医療の進歩に伴い、それぞれの医師の経験や慣習などによって行われてきた治療法を排除し、最新の研究に基づき科学的に証明された医療(evidence-based medicine、EBM)が重要視されるようになって久しい昨今ですが、その一方で「医師が『患者』を診なくなった」という残念な声を聴くことも少なくありません。 患者さんの声に耳を傾け、理解するように努力すること、そして患者さんとのコミュニケーションを通して一緒に問題を乗り越える糸口を探っていくことも医師や歯科医師の役目ではないかと思っています。 それにしても「化学物質過敏症」、いつ自分に起きてもおかしくない疾患です。 それくらい私たちの身の回りには化学物質が溢れています。香りのきつい柔軟剤や整髪料、食品添加物に農薬、化学肥料、などなど… ちょっとくらい汗臭くても、ちょっとくらい野菜に虫がついていても、それが生きている証拠、それが地球で暮らしている幸せと思えるような世の中になればいいなあと思います。 ただし口臭はNGです! 口臭を引き起こす歯の汚れ(=歯垢)は、化学物質が含まれる歯磨剤を使わなくても、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスで掻き取るのがいちばん効果的です。 |
![]() 阿部 純子
歯科医師 日本矯正歯科学会認定医 じゅん矯正歯科クリニック (歯列矯正・ホワイトニング) 大阪市中央区本町3-5-2 辰野本町ビル2 TEL:06-6266-0018 HP:http://www.jun-oc.com |
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