言葉の裏にある隠れた真意 |
去年から、意識して試みていることがあります。それは、相手の言葉の裏にある、真意や感情を受け取ること。
きっかけは、娘が小学生になり、娘の発言にとまどうことが増えたこと、ある子育て本に「子どもの言うことには、隠れた意味がある」とあり、なるほどなと思ったことです。 最近、娘の言葉は極端(過激?)で、それをそのまま受け取ると、「え???」「なんでそんなこと言うの?!?!」とショックを受けることが多いのです。 そして、その言葉を聞いた私は、ついつい反応的に返してしまう。でも、本当に言いたいことはその言葉とは別の所にあるのだとしたら納得です。腑に落ちます。 例を挙げて説明したいのですが、今、とっさに、娘の発言例が思い出せないので(すいません)、子育て本にあった例をご紹介しますね: "五歳になるナンシーは、母親といっしょにはじめて幼稚園を訪れたとき、壁に貼ってある数枚の絵を見て、大声でこうたずねた。
「ここに貼ってあるきたない絵、だれが描いたの?」 当惑したナンシーの母親は、あわてて険しい表情で娘を見て言った。 「あんなにかわいい絵ばかりなのに、きたないなんて言っちゃだめでしょ」 ナンシーの質問の意味を理解した先生は、微笑みを浮かべて言った。 「ここでは、かわいい絵を描かなくていいのよ。へんな絵を描きたかったら描いてもいいの」 するとナンシーの顔に満面の笑みがひろがった。 なぜなら、「こんなにじょうずな絵を描けない子はどうなるの?」という自分のほんとうの疑問への答えを得たからだ。" (「子供の話にどんな返事をしてますか?」ハイム・G・ギノット著 より抜粋) 「言っている言葉と心の奥底の真意とに差がある」というのは、大人にも当てはまるのではないかと思っています。特に、相手が怒りをぶつけてくるとき。こちらを非難・批判してくるとき。
子供の場合、「言っている言葉と真意に差がある」理由として、語彙の少なさ等があると思うのですが、大人の場合、自分の気持ちをストレートに出しにくい、とか自分自身が本当の気持ちに気づいていない、といったことが理由としてあるように思います。 で、ついつい勢いで怒りや非難、批判を相手にぶつけてしまう。いろんなネガティヴワードを言ってしまう。 拙著『仕事にも人生にも自信がもてる!女性管理職の教科書』にも書きましたが、怒りは第2感情だと言われます。 その根っこには、怒りの引き金になった第1感情がある。例えば、悲しみ、情けなさ、惨めさ、心配・・・などなど。 だから、相手が怒りをぶつけてくるとき、こちらも、そんな第1感情に思いを馳せて、その気持ちを受け止めてあげられるといい。 そうしたら、もっと相手と心を通わせることができるのに。相手とよりよい関係を築くことができるのに。 でも、これがなかなか難しい。相手に怒りをぶつけられると、とっさに応戦してしまいますね。 ・・・と思っていたら、ある本を読んでいて、いい言葉に出会いました。それは「なじる人は傷ついている」という言葉。 "実は我が家の息子は、家族のネガティブな出来事に、しこりを残さない天才なのだ。(中略)
たしかに、息子は、私に「どうして、こうなのよ」となじられれば、必ず、「あ~、忙しいハハにこんな小言、言わせてごめん。駄目な息子だったね」などと、こちらを気遣うことばを返すのである。 そして、その後に、この事態に至ってしまった理由を穏やかに話してくれる。先に言い訳があったら逆上するところなのに、この順番だと「そうよねぇ、そりゃ仕方ないわね」という気持ちになるから不思議。 「あなたは、コミュニケーションの天才よね」と褒めたら、「言っとくけど、テクニックじゃないよ。なじる人は傷ついているからね。まず、ハハの心が、本当に心配なんだよ」と言ってのけた。 私は、はっと胸をつかれた。 「なじる人は傷ついている」 こう思えるかどうかで、人生は大きく違ってくる。喧嘩のシーンが百八十度違って見えてくるのである。" (「夫婦脳」黒川伊保子著 より抜粋) 誰かから怒りをぶつけられたとき、勢いで応戦してしまわないように、相手の気持ちを受け止められるように、
「なじる人は傷ついている」 とつぶやいてみようと思います。 |
小川 由佳
コーチ、研修講師業務改革のプロ、マネージャーとして、大手日系・外資系メーカー、コンサルティング会社に勤務。 その後、人材育成分野に転身。企業のリーダーに対してコーチングや研修を行い、企業の変革や個人の成長をサポート。研修受講者の満足度では講師中No.1となる。 娘の妊娠・出産を機に、今後の人生のあり方について見つめ直し、独立。 現在は、コーチングセッションや研修のサービスを通じて、クライアントさまが、自分に内在する力 ~能力や想い~ に気づき、自分の存在や行動に自信を持ち、自分らしい豊かな人生を切り拓いていくお手伝いをしている。 FAITH(フェイス) HP:http://office-faith.jp/
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