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木村 綾 乳腺専門医 医療法人桜来会 きむらクリニック小児科乳腺科 健康であることが、楽しく美しく過ごせることにつながっていくと思っています。病気を患ってても、少しでも健やかな気持ちで前向きに生きがいを感じて過ごせるようになれたら、素敵だと思います。心身ともに健やかに過ごせるヒントを、女医の立場からご紹介できれば幸いです。 |
更年期を前向きに |
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「更年期」とは、閉経前の5年と、閉経後の5年を合わせた計10年間を言います。日本女性の閉経年齢の中央値は、50~52歳なので、45~55歳あたりが更年期になります。一般的に、生理が12ヶ月以上ないと閉経と言います。 女性のライフステージは、卵巣機能をもとに区分すると理解しやすくなります。 初めての生理(初潮)を迎え、子供の体から大人への体へ変化する時期が「思春期」になります。卵巣の働きが安定してきて、心身ともに安定した妊娠・出産に適した年齢が「成熟期」です。 「更年期」では、卵巣機能が低下して、急激に女性ホルモンのひとつのエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減少し、閉経を迎えます。そして、「高齢期・老年期」では、卵巣の働きが止まります。 エストロゲンは、乳腺を発達させ、肌や髪の毛をきれいに保つなど、「女性らしい体」を作ります。卵胞を成熟させたり、子宮内膜を厚くしたり、妊娠の準備をする働きもあります。また、自律神経を安定させたり、骨を丈夫にしたり、善玉(HDL)コレステロールを増やしたりします。 エストロゲンの低下に伴う年齢によるからだの変化と、精神・心理的な要因、社会的な環境因子が、複雑に影響することで症状が出現します。 更年期の症状は大きく分けて3つに分類されます。(症状の原因が病気でないことが条件になります) ①自律神経失調症状: のぼせ、汗、寒気、冷え性、動悸、疲れやすさ、肩こり、めまいなど ②精神症状: イライラや怒りっぽいなどの情緒不安定、抑うつ気分など ③その他: 皮ふの乾燥やかゆみ、外陰部の不快感、関節痛など 治療としては、少なくなった女性ホルモンを補うホルモン補充療法や、漢方などがあります。 ホルモン補充療法は、のぼせやほてりに有効ですが、乳がん患者さんや持病がある場合には行なえないこともあります。 漢方は、三大漢方婦人薬と言われる当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸などが治療に用いられます。 また、9月のコラムでも紹介したエクオール製剤もエストロゲン作用があり、注目されています。 いずれ更年期にみられる症状は軽快していきます。 「健やかに、楽しく、美しく」過ごすために、つらい時期はひとりで悩まずにお近くのかかりつけ医に相談してみてはいかがでしょうか。 |
![]() ![]() 木村 綾
乳腺専門医 医療法人桜来会 きむらクリニック小児科乳腺科 乳腺専門医の女性医師が診療します。 マンモグラフィ検診が受けれます。 大阪府吹田市豊津町 4-38 TEL: 06-6338-5050 HP:http://www.oukikai.jp/ |
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