どうして歯は動くの? |
矯正治療で歯が動くことわかるけど、どうして歯が動くのか知っていますか? 人間の歯は根を持っており、硬いあごの骨に歯根膜という膜を介して植わっています。 この歯根膜は食べ物をかむときにクッションの役目をする以外にも大事な働きをしています。 例えば、食事の時にはいろいろな硬さの物をかみますが、 その際、無意識にかむ力を調整したりもしています。 これは歯根膜の中にあるセンサーが瞬時に食べ物の硬さを脳に伝え、 脳からかむ力をどのくらいにするか指令が出されることにより、 強い咬合力(こうごうりょく:かむ力)で 自分の歯やあごの骨が壊されることのないようにしているのです。 時々、食べ物に混じった砂をかんだ時にびっくりしますよね。 無意識化で咬む力をコントロールしているのに、 想定外のことが起こるので、びっくりしてしまうのです。 また、最近インプラントを植える方も多いですが、 インプラントは直接骨に植えるため、この咬み心地が感じられず、 美味しさや食感は半減してしまうそうです。 実は、この歯根膜が歯の移動にとても重要な働きをしています。 歯の一方から矯正力を加えると、力を加えられた側の歯根膜が根によって圧迫され、 そこに隣接した骨には骨を溶かす細胞が現れます。 また、その反対側の歯根膜は根に引っ張られることになり、 そこに隣接した骨には骨を造る細胞が現れます。 このようにして根の周りの骨が、改造を繰り返すことにより、 徐々に歯を移動させることができるのです。 この時、必要とされる矯正力は80~150gほどのとても弱い力です。 よく「歯を早く動かしたいので強い力をかけてほしい」などと言われますが、 不適切な強い力は歯根膜を変性させてしまい、 歯が動かなくなってしまうこともあるのです。 たくさん力をかければ早く動くのではなく、 じわじわと力を効かせるのが最も効果的な歯の動かし方なのです。 しかし、歯根膜の中には繊維があって、それがクッションの役割を担いますが、 矯正治療で歯を動かしても、その繊維がなかなか新しい位置で再生されなくて、 伸びたままの状態であることがあります。 矯正装置が外れても、この繊維が引っ張ることによって、 歯が元の位置に戻ろうとする動きがでます。これを「後戻り」といいます。 新しい、組織が再生するのは約2年程度かかります。 ですので、歯が動いたから終わりではなく、 安定する段階「保定」を終えてから、本当の意味で歯が動いたと言えるのです。 歯のメカニクスを知って、矯正治療を行う。 人間の体とは、本当によくできたものですね。 |
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