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世界のまどねこ(新美敬子)

世界各地をちょっとだけ垣間見た気分になれる

世界のまどねこ
新美敬子(著)
旅行はお好きですか?
旅先で何を楽しみになさっていますか?

お食事?
名所旧跡めぐり?

犬猫写真家の新美敬子さんは、世界を旅して出会った犬や猫と人間との関係を写真とエッセイで発表し続けておられます。犬や猫と出会うために旅行をしておられるのかもしれませんね。

『世界のまどねこ』は、窓辺にたたずむ猫の写真に、エッセイを添えたオールカラーの文庫本です。

写真は大きく5つのエリアに分けて収められています。
1 南フランスからオランダへ
2 イベリア半島
3 イタリアとマルタ
4 バルカン半島からバルト海へ
5 中央アジアから極東へ
(新美敬子さん『世界のまどねこ』目次より引用)
かねてから思っているのですが、犬に比べると猫は世界的に見てもあまり姿形に差がありません。

犬はチワワからグレートデンまで大きさがまちまちですし、プードルのようなふわふわの毛の子がいると思えば、ヘアレスの子まで、毛並みや毛質もバリエーションが豊富。耳の形だって違いますしね。

それに比べると、猫は特別な種を除いて、ほぼ世界共通。それだけ人間に品種改良されていない種族なのかもしれません。

だからでしょうか、『世界のまどねこ』に登場する猫たちは、どこかで見たような子が多いです。

例えば、お隣のお家にも居そうな感じ。

ところが写真をよく見ると、窓の形や窓枠の素材や色などにその国の特徴が見てとれ、世界を感じることができます。

また、写真に添えられたエッセイで、写真には写っていない風景が想像できて楽しい。

例えばヨーロッパには石畳の道や、運河、教会や大聖堂がよく登場します。

ブータンには国に一つしか交通信号がないなんてご存知でしたか?

110編の猫の写真に癒されながら、世界各地をちょっとだけ垣間見た気分になれる、そんな素敵なフォトエッセイでした。
世界のまどねこ
新美敬子(著)
講談社文庫
窓辺で猫は、光と風を感じながら過ごしている。世界を旅するフォトグラファーが出会った「まどねこ」たち。ファドが好きならここがいいよ、と小劇場の窓に誘ってくれた君/ポルトガル。運河の橋のたもとでジャズセッション、窓辺の君もステップを踏み始めた/オランダ。とびっきり猫エッセイ。 出典:楽天
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池田 千波留
パーソナリティ・ライター

コミュニティエフエムのパーソナリティ、司会、ナレーション、アナウンス、 そしてライターとさまざまな形でいろいろな情報を発信しています。
BROG:「茶々吉24時ー着物と歌劇とわんにゃんとー」

パーソナリティ千波留の
『読書ダイアリー』

ヒトが好き、まちが好き、生きていることが好き。だからすべてが詰まった本の世界はもっと好き。私の視点で好き勝手なことを書いていますが、ベースにあるのは本を愛する気持ち。 この気持ちが同じく本好きの心に触れて共振しますように。⇒販売HPAmazon

 



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